家族で東京や大阪への引っ越しを考えている場合、一番気になるのは育児環境ですね。特に最近では待機児童問題も大きく取り上げられています。
仕事のために東京や大阪と言った大都市に引っ越したのに、保育園に入れずに結局働けないということにならないためにも、待機児童の数を確認しておくことが大切です。
現在日本の待機児童は毎年増え続けていて、平成28年度では47,000人以上になっています。
特に東京と大阪は全国の中でも待機児童が多いことで有名で、東京は第1位、大阪は第4位にランクインしています。
もしも東京や大阪へ家族で引っ越しを考えているのなら、待機児童が少ないエリアを選ぶことがおすすめです。
東京都内で待機児童の数が少ない街
東京都は全国で最も待機児童の数が多い地域です。2016年度の調査では8,466人と全国でもダントツ。
2位の沖縄と比較しても約3倍もの待機児童がいる計算になります。
中でも最も数が多いのが世田谷区で、1,198人もの待機児童を抱えています。都内で1,000人を超えているのは23区内外含めても世田谷区だけ。
とても深刻な問題となっています。では反対に待機児童が少ない地域はどこなのでしょうか。
東京23区
まずは東京23区内について、ランキング形式で見ていきましょう。
第1位 千代田区
千代田区は東京23区内で唯一待機児童ゼロの区です。保育園や保育所は常に定員を切っている状態なので、すぐにでも入園できます。
なぜ千代田区は待機児童がいないのか。その理由は、子供の数が極端に少ないからです。千代田区全体の就学前児童数は約3,000人。
最も児童数の多い世田谷区の就学前児童数は43,000人と桁が違います。
千代田区はもともと東京の真ん中に位置しながら、人口密度が極端に少ない地域です。
ドーナツ化現象が顕著に表れる地域で、最近では区が人口増加のための取り組みに力を入れています。
育児のための補助も手厚く、子供が住みやすくする努力も惜しまないので、育児に向いている区ランキング第2位にも選ばれるほど。
皇居もあるため治安も良く、これから人気が上がるのではと期待されています。
第2位 新宿区
新宿区が待機児童数58人で第2位にランクインしています。
新宿区は日本屈指の繁華街のある区。なのであまり育児環境には向いていないのでは…と思われがちですが、実は育児に適した環境が整っています。
新宿区は共働きで子育てしやすい街ランキングの1位を獲得した地域で、仕事をしながら育児をしたいという女性に大人気。
働く場所がたくさんあること、交通の便が良いこと、保育施設が多いことなどがランクインの理由となっています。
新宿区と言えども、区内全域が繁華街なわけではありません。少し奥に行けば住宅街も多く、公園や自然もあります。
治安も悪くはないので、ファミリー層にも人気が出てきています。ただし大都市という事もあって、家賃相場は高めになってしまいます。
第3位 港区
港区は六本木やお台場、赤坂など、オシャレな街があることで知られるエリアで、住みたい街ランキング行政市区版でも堂々の第1位に輝いています。
ヒルズ族と愛称があるほどのセレブ街としても有名で、誰もが憧れる人気居住区となっています。
気になる待機児童の数は64人と、就学前児童との割合も1%(100人中1人が待機児童)という結果です。
数字だけ見れば新宿区とさほど差はありません。でも一つ違うところは、保育園の種類です。
実は港区では「緊急暫定保育施設」という独自の保育施設を導入。0~2歳児だけを対象に、パートでも入園が認められるという施設を設けています。
現在では区内に12か所の施設があり、乳幼児の育児で大変なママたちの強い味方となっています。
ただ保育園に入りやすいというだけでなく、各家庭に合った働き方を選ぶことができるというのも大きな魅力です。
東京23区外
東京23区外で待機児童数が問題視されているのは狛江市と三鷹市です。
待機児童数ランキングでは狛江市は第25位、三鷹市は第10位にランクインしていますが、実はどちらも就学前児童数がそれほど多い地域ではありません。
にもかかわらず待機児童数は多く、割合で表すと狛江市が15%越え、三鷹市は10%を超えています。
これは世田谷区(8.7%)の割合よりも高くなり、100人中10人~15人が保育園に通えないという深刻な実態になっています。
では反対に待機児童の少ない所はどこなのでしょうか。
待機児童数がゼロの地域は、稲城市、武蔵村山市、福生市、大島町、小笠原村、新島村、神津島村、奥多摩町、檜原村、御蔵島村、利島村、青ヶ島村の12の地域です。
これらの地域は千代田区と同様、子供の数が極端に少ないために待機児童もありません。
比較的大きな都市で待機児童が少なく、育児環境に適しているのは八王子市。待機児童数は139人で第26位に位置していますが、割合では約2%と低めです。
大阪府内で待機児童の数が少ない街
大阪府は日本で4番目に待機児童が多い地域です。東京都と比較するとかなり少ないのですが、それでも待機児童の問題は深刻化してきています。
大阪府全体の待機児童数は1,365人ですが、そのうちの約2割以上を大阪市が占めています。
大阪市の待機児童数は325人と年々増加傾向にあります。市の政策で受け入れ児童数を増やしているにもかかわらず、待機児童は増える一方。
問題の深刻さを浮き彫りにしています。大阪府の待機児童問題で浮上しているのは、2歳以下の乳幼児が極端に多いという点です。
実は大阪では2歳以下の乳幼児を受け入れる保育施設が極端に少なく、多くが幼稚園と同じように3歳からの受け入れとなっています。
そのため乳幼児を抱える女性の待機率が異常に高くなってしまっています。
乳幼児期に保育園が見つからなければ、産休や育休後に職場復帰することが難しく、やむを得ず退社するという女性も増えてしまいます。
では大阪でも待機児童が少ない地域はどこなのでしょうか。
大阪24区
大阪府の中でも最も待機児童数が多い大阪市ですが、市内24区の中で待機児童数はバラつきがあります。
実は24区内でも待機児童ゼロの区があります。平野区、生野区、東成区、大正区の4つです。
これらの地域は、ほぼ毎年のように待機児童数がゼロ。大阪市の中で最も保育園に入りやすい区となります。
次に待機児童が少ないのが、西成区と東住吉区で、わずか1人というデータになっています。
一番多いのは西区の44人と城東区の36人で、どちらも年々増加傾向にあります。
大阪市が大阪府内で一番待機児童が多い地域となっていますが、区によっては入りやすい地域も多いことがわかります。
大阪24区外
大阪市ではなく他の市区町村ではどうでしょうか。実は大阪市よりも保育園に入りにくい地域が3か所あります。
それが吹田市(230人)、豊中市(217人)、茨木市(147人)の3つ。
どれも待機児童数では大阪を下回りますが、待機児童率は大阪市よりもだいぶ高め。
吹田市では3.7%となっていて、100人中3~4人は保育園に入れていない状況となっています。
これに対して大阪市は待機児童率が1%程度なので、100人中1人が保育園に入れない状況という事になります。
反対に大阪府内で最も待機児童が少ない地域は、寝屋川市や高槻市、貝塚市をはじめとする21の市区町村が待機児童ゼロとなっていて、簡単に保育園を見つけられそうです。
ただこれらの地域はもともと人口が少ない地域なので、待機児童も少ないという結果が出ています。
大きな都市としては堺市がおすすめです。待機児童数も16人と少なく、待機児童率もわずか0.5%で、比較的すんなりと保育園を見つけることができそうです。
堺市では待機児童を減らすために数多くの取り組みが行われています。保育園の増園はもちろんのこと、保育園の受け入れ人数を増加させるなど努力を重ねています。
4年前までは待機児童400人を超え、保育園の激戦区だったにもかかわらず、現在はわずか16人にまで減少、このままいけば待機児童ゼロも夢ではありません。
待機児童問題の対処方法
もしも待機児童問題に巻き込まれてしまったら、どのように対処していけばよいのでしょうか。
待機児童問題は保育園の不足や保育士の不足などで起こるという事もありますが、実は利用者側の問題でも起こってしまう可能性があります。
つまり自分自身が気を付けていれば、待機児童をうまく回避できる場合もあるという事です。
できるだけ待機児童になってしまわないために、できる限りの努力をしていきましょう。
保育園の探し方と選び方のポイント
一番大切なのは保育園の探し方と選び方です。保育園と一言で言っても、その特徴は様々。
保育時間、給食、設備、保育士の数、場所、教育方針など、一つ一つ全く違っています。
保育園の人気はそれぞれの特徴によって違うので、人気の高い保育園ほど入るのは難しくなってしまいます。
保育園の探し方
保育園を探す時、一番多いのが自宅付近で探す方法です。自宅付近であれば送り迎えもしやすく、行事にも行きやすいというメリットがあります。
また緊急時にも出向きやすいので、ほとんどの人が自宅付近で探そうと考えます。
でも自宅付近が激戦区の場合は他の地域で保育園を探すというのも一つの手。
自宅付近に捉われずに、職場付近や自宅と職場の中間地点、隣町など、幅広い地域に目を向けてみましょう。
また探し始める時期も大切です。
通常であれば、4月からの入園のために前年度の9月ごろから手続きが開始されますが、激戦区では9月から動き出していては時すでに遅し。
入園希望の1年前には見学をはじめ、希望の保育園を決めておきましょう。早く動き出すことで、手続きも早く始めることができます。
保育園の選び方
保育園を選ぶ際は高望みは厳禁です。
もちろん子供を良い保育園に通わせたいという親心は当然のことですが、人気の高い保育園ばかり選んでいては、待機児童になる可能性も上がってしまいます。
それぞれの保育園の条件や特徴をしっかりと調べて、妥協できるところは妥協するという事も大切です。
また保育園選びは役所に出向くのが一番の最短ルート。
最近ではネットなどで探すこともできますが、役所に出向いて探してもらう方が園の詳しい情報を知ることができますし、希望に合った保育園を紹介してくれます。
あとは申込書の入園希望欄はしっかりと記入するという事も大切。
どうしてもこの保育園じゃないとダメだという理由が明確でないと、審査落ちの材料にされてしまうかもしれません。
勤務時間や通勤ルート、実家の場所など、なぜこの園を希望したのかなど、ハッキリさせられることは全て記入しておきましょう。
問題に直面した時の対処方法
認可保育園の合否通知は、早くても2月上旬、遅いと3月上旬ごろに届きます。
ここで保育園に通えるかどうかが決まるのですが、もしも不承認となって待機児童になってしまった場合は、どのような対処を取れば良いのでしょうか。
大切なのはすぐに行動を起こすという事。不承認になってもがっかりしている暇はありません。
では具体的にどのような行動を起こせばよいのでしょうか。
他の認可保育園の2次募集を探す
申込をした保育園は落ちてしまっても、他の保育園にはまだ空きがあるかもしれません。
もしも通えそうな保育園があるのであれば、もう一度応募してみるというのも一つの手です。
ただしあまりにも遠方の保育園や、保育時間が合わない保育園などは、入園できても意味がありませんので、焦って合わない園を選んでしまわないように注意しましょう。
認可外保育園を視野に入れる
認可保育園を落ちてしまったのであれば、認可外保育園に目を向けてみましょう。
認可外保育園では児童の死亡事故や不祥事が多発しているイメージですが、実際はそんな保育園ばかりではありません。
きちんとしている保育園は認可保育園と大差ありませんし、子供たちも楽しく伸び伸びと過ごしています。
リサーチや見学を重ね、預けても良いと思える園があったら、認可保育園にこだわらずに認可外保育園を利用してみるのもおすすめです。
ただ一つ注意したいのは、認可外保育園を一時的な預り所として利用する場合です。
認可保育園が空いたらそちらに転園したいと考えている場合は、絶対に認可保育園の申請を取り消してはいけません。
認可外保育園に通い始めたことで、認可保育園の待機児童を取り消すかどうか聞かれますが、取り消さずにそのまま待つことをきちんと伝えておきましょう。
一時的に預けられる場所を確保する
もしも待機児童の数が少なく、少し我慢すればはいれる見込みがあるという場合は、一時的に預けられる場所を確保しておきましょう。
例えば祖父母の家や、託児所など、短期間であれば預かってくれる場所は探せば見つかるかもしれません。
こういった場所を利用して保育園が空くのを待ちましょう。
仕事の開始時期をずらしてもらう
例えば4月から職場復帰をする予定だったとして、認可保育園に落ちてしまったという場合は、何とか職場に取り合って復帰時期をずらしてもらうというのも一つの手です。
もちろん、産休の期間や育休の期間が定められているので、思うようにはいかないかもしれませんが、一度打診することで時期を遅らせることも可能かな場合もあります。
保育園に空きが出るまで、少しの期間だけでも復帰を遅らせることができれば、他の保育園を探す余裕も出てきます。
まとめ
日本の待機児童問題は、年々深刻化しています。女性の就業率が増加している中で、待機児童が増え続けているのは大きな問題です。出産後に働けない女性も増えてしまいますね。
この問題に巻き込まれないためには、あらかじめ待機児童問題がひどい地域には住まないようにするのが一番の改善策です。
家族で東京や大阪に引っ越す予定があるという場合は、暗に職場の近くや交通の便が良いところなどだけで選ぶのではなく、待機児童についても調べてから引っ越し先を決めるようにしましょう。
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