部屋を借りるにあたって、内覧をするのは基本中の基本です。誰だって、実際に見ないで品物を買うのは怖いですよね。
ネットショッピングが好きな人なら、ネットでさらっと見ただけで注文してしまって、届いてから「しまった!」という経験がある人もいるのではないでしょうか。
これから自分が暮らす部屋選びなのですから、慎重の上に慎重を期すべきなのは当然なのですが、中には内覧ができない物件もあります。
内覧ができない物件とは
実際に不動産屋に足を運んだり、ネットで見つけたりして「これはいいな」と思う物件があったとしても、いざ不動産屋に電話をしてみたら「その物件は空いていますが内覧はできませんよ」と言われることがあります。
それはどういうケースなのでしょうか?
まだ居住中
一番多いケースがこれです。
不動産広告をよく見ると「〇月末まで入居中」などと書いてあることがありますが、当然別の人が住んでいたら、そこを見せてもらうのは難しいでしょう。
売却物件なら見ることはできると思いますが、賃貸ではなかなか今住んでいる人に「部屋を見せて」とは言いにくいですね。
ハウスクリーニング前
前の居住者が出て行ったものの、まだハウスクリーニングやリフォームが終わっていない場合は大家が内覧を渋ることもあります。
なるべくきれいな状態で見てもらったほうが成約に結びつけやすいからですが、「それでもいいから見せてほしい」と頼めば、この場合は見せてくれるかもしれません。
もし、内覧に大家が立ち会うようなら、古い設備や汚れているところなどにさりげなく気付いたふりをすると取り替えてもらったり、控えめに「ここの壁紙は白かったらうれしいですねー」などとつぶやいてみると、意外と要望が通ることもあるので、コミュニケーション能力に自信があるなら、やってみる価値はあります。
まだ新築工事中
これはかなりイレギュラーなケースですが、もし自分が住みたいなあと思っている場所に賃貸向けらしい建物の建築工事が行われていたら、そこにかかっている看板の事業者名を見て、直接連絡して「もし賃貸物件なら、興味がある」と言ってみることもできます。
あまりやる人は多くはないですが、実際にやった人に話を聞くと、広告宣伝を出す前に契約してくれるなら、と礼金免除にしてくれたということもあるそうなので、これも良さそうな物件が建築中ならやってみてもいいでしょう。
内覧できないならどうする?
基本的に内覧せずに部屋を決めるのはあまりおすすめできませんが、場所的にとても気に入っているとか、新入学や転勤で住むところをとりあえず決めなければいけないのなら、内覧なしもやむを得ないこともあります。
そんなとき、どうすればいいのでしょうか?
別の部屋を見せてもらう
集合住宅の場合、別の部屋が空いていることがあります。そういう時はその部屋を見せてもらいましょう。
その時に「間取りはこれと同じです」とか「反転タイプです」などと説明してくれるでしょう。
多くは別の部屋を見れば、なんとか内見しなくても「こんな感じ」とわかりますが、中には思っていたのと違うとがっかりすることもあります。
広さや造りが違う
マンションの中には、階によって広さや造りが違うことがあります。
たとえば、上階の見せてもらった部屋は、玄関の脇に小さなウォークインクローゼットになるようなスペースがあってそれが気に入ったのに、いざ借りる部屋はただの廊下だったとか、最新のエアコンがついていたのに、自分の部屋のは旧型だったなどです。
あまりにも広さが違うというようなことでもない限り、言った言わないの水掛け論になってあきらめるしかないことが多いと思います。
日当たりや風通しが違う
見せてもらった部屋が上階で日当たり風通しの良さが気に入ったとしても、自分が住むのは低層階で、隣のビルに遮られて日照がほとんどないこともあります。
それでもできたら絶対見せてもらおう
実際の自分の部屋とは多少違ったとしても、別の部屋が内覧できるのであれば、絶対に見せてもらうべきです。
なぜなら、壁や床の厚さや遮音性、住んでいる他の住人の雰囲気などは実際に自分で行ってみないとわからないからです。
現在の住人に部屋を見せてもらう
どうしても自分が住む部屋が見たいなら、自力で現在住んでいる人を訪ねて部屋を見せてもらうという最終手段もあります。
ただ、これは見せるも見せないも今住んでいる人の自由ですし、断られても文句は言えません。
大家や不動産屋を通して頼む
いきなりピンポンして「部屋を見せて」と言うのはなかなか勇気がいりますよね。
そんなときには、大家や不動産屋に「なんとか見せてもらえるように頼んでもらえないだろうか」とお願いしてみるのはどうでしょう。
もし、そこで大家や不動産屋が「いいですよ」と電話してくれるようなら、その物件は住人と大家や不動産屋との関係性が良好である、つまり、大家や不動産屋がいい人である可能性が高いので、別の面でも安心できるでしょう。
見せてもらう時の注意
もし、現在の住人がOKしてくれたら、さっそく時間を打ち合わせて見にいきましょう。
くれぐれも相手が指定した時間に行かなければいけません。こちらはお願いする立場なのですから、きちんとお礼を言い、礼儀は尽くしましょう。
勝手にあちこち開けない
人として当然のことですが、誰だって自分の家のクローゼットやトイレを勝手に開けられたらいやな気分になりますよね。
できれば、住人が自分で開けて「こうなっていますよ」と説明してくれるような形にしてください。
ついでに情報収集を
基本的にそこに住んでいる人は、大家や不動産屋とは関係ないニュートラルな立場なので、そこでできる限りいろいろなことが聞けるといいですね。
たとえば、上の階に小さい子どもが住んでいて、夜間にドスンドスン大暴れしてうるさいとか、前の道が幹線道路の抜け道になっていて、結構なスピードで飛ばしてくる車がいるなど、あまり不動産屋が言いたがらないような情報が得られるかもしれません。
また、近所の安いスーパーや他の住人の雰囲気など、地域情報も仕入れることができます。
もし見せてもらえなかったら
現在の住人から断られたり、不在で見せてもらえないというような場合には、諦めて見ずに契約するか、他を探すか、どちらかになります。
建物周辺をよく観察する
周辺部の住環境や共用部分のメンテナンス状況、あるいは各戸のベランダの整理整頓の様子など、外から見るだけでもわかることはあります。
また、方位磁石があれば、おおよその日当たりも想像がつきますよね。
外からだけでも見てみると、たとえば共同ゴミ捨て場が汚れていて異臭が残っているような場所はモラルが低い人がいるかもしれないなど、わかることも多いものです。
間取り図の見方を知っておこう
間取り図からは多くの情報を得ることができます。たとえば、ドアの種類と開き方向。どちら側に開くかは、生活動線を考える上でかなり重要です。
また、トイレが和式か洋式か、はたまた和式に洋式便器をかぶせた簡易洋式かなども記号でわかるので、チェックしましょう。
さらに洗濯機置き場が室内にあるかどうか、冷蔵庫置き場の大きさがどのくらいかも気になるところです。
まとめ
できれば内覧をしてから部屋を借りるのがベターなことは間違いありませんが、状況がそれを許さないこともあるでしょう。
どうしても気になるのであれば「現況空室」とか「即入居可」の物件だけに絞って探すほうが結果的に早いかもしれません。
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