水商売をしていると、会社員などと比べると賃貸物件を探すのに苦労することもあります。ただ、水商売の人が賃貸を見つけやすい方法もありますし、逆に「このような物件には注意するべき」という点もあります。
そこで今回は、水商売の人が賃貸部屋を探すときの注意点を解説します。実際に部屋を探すときのコツや注意点も解説するので、水商売の人で部屋探しをしている人はチェックしてみてください。
水商売の人の部屋探しが難しい理由
水商売の人が賃貸物件を借りにくい理由は様々です。まずは、そもそも物件を貸す側のオーナーがどの点に注意して賃借人を見極めているかを知らなくてはいけません。賃貸物件を借りるときには、仲介する不動産会社ではなく、最終的に賃借人と契約するかの判断はオーナーが行うからです。
オーナーが賃借人と契約を結ぶ条件
賃貸物件のオーナーは、その物件から収益を上げるために賃貸経営をしています。そのため、当然ながら賃借人から家賃が定期的に入ってこないと、その賃貸経営は赤字になってしまうということです。また、その賃貸物件の維持費を極力抑え、退去者を極力出さないように工夫しています。
具体的には、オーナーは賃貸経営が赤字にならないように、以下のような点に気を付けて賃借人を絞ります。
- 家賃を滞納しないか
- 近所とのトラブルを起こさないか
- 部屋をきれいに使ってくれるか
- コミュニケーションはとりやすいか
賃貸経営をしているどのオーナーも、上記4点について考えて賃貸経営をします。逆にいうと、上記4点の懸念が解消されれば、オーナーは賃貸借契約を結んでくれるということです。
水商売の人の印象
前項で紹介した4点は、賃借人を水商売の人に当てはまると、オーナーはどういう印象を持つでしょうか。結論から言うと、オーナーが水商売の人に抱いている「勝手なイメージ」によって、水商売の人は賃貸物件を契約しにくくなっています。
家賃を滞納しないか
まず、家賃を滞納せずに支払ってくれることは、賃借人に求める絶対条件です。賃借人が家賃を支払わなくても、オーナーは「売上」として計上します(現金主義は別)。つまり、本来であれば家賃収入がないのに「家賃収入あり」と見なされる分、税金を無駄に支払う必要があるということです。
この家賃収入は「貸倒金」としてマイナス計上もできますが、貸倒金として認定されるまでに時間がかかります。家賃の滞納が生じると、単純に「賃料が入らない」という理由だけでなく、オーナーにとってはこのようなリスクもあるということです。
その点、水商売をしている人は、「収入が不安定」という印象を持たれてしまうので、家賃滞納リスクを懸念されて賃貸借契約を結びにくいということです。
近所とのトラブルを起こさないか
また、水商売の人の出勤時間は夜なので、一般の会社員の人とは生活時間が異なります。そのため、「深夜に家の中で騒ぐ」など、ご近所トラブルを懸念するオーナーも多いです。
また、逆に水商売の人は朝や昼間は寝ていることも多いですが、一般の家庭は朝や昼間は活動しています。そのため、水商売の人が寝ている時間に騒がしくすると、水商売の人からクレームが入ることも懸念されます。
つまり、水商売の人は一般の家庭の人と生活時間が正反対になるので、どうしてもトラブルが起こりやすくなるというイメージをオーナーに持たれてしまうということです。トラブルが起きると、そのトラブル処置に時間がかかったり、最悪の場合は退去してしまったりするリスクがあります。
部屋をきれいに使ってくれるか
また、これは完全なオーナーの偏見ですが、部屋の使い方なども懸念する人がいます。どうしても夜型の仕事になるとゴミ出しの日も合わずに、深夜掃除をするのも気が引けます。そのため、部屋が汚くなってしまいがちであるという、偏見の目でオーナーに見られてしまうことがあります。
賃借人の責任で部屋が劣化したり、汚れたりした場合は賃借人の負担になります。ただ、その傷や汚れが「経年劣化」であれば、オーナーが負担します。その経年劣化かどうかというラインは非常に難しいラインになるので、退去時にトラブルになりやすい点もオーナーは懸念します。
コミュニケーションはとりやすいか
また、たとえば「部屋が水漏れしている」や「家賃についての連絡がある」など、オーナーは賃借人と連絡を取りたいこともあります。ただ、先ほど言ったように水商売の人は昼夜逆転しているので、中々連絡を取りにくいという点もオーナーにとってはリスクになります。
水商売の人が賃貸物件を選ぶときの注意点
では、実際に水商売の人が賃貸物件を選ぶときの注意点を解説します。
- 保証人不要の物件は注意
- 水商売に強い仲介会社を探す
上記2点を意識して賃貸物件を探せば、水商売の人も賃貸借契約を結びやすくなります。
保証人不要の物件は注意
物件によって保証人不要の物件もあります。また、「保証会社」という保証人の代わりをする会社も不要という物件もあります。このような物件には水商売の人も入居しやすいのは事実です。ただし、このような物件は初期費用や家賃相場が高い傾向になります。
保証人や保証会社がないということは、オーナーからすると家賃を滞納されたときに誰も保証してくれないということです。そのため、初期費用を高くしたり家賃を高くしたりすることで、滞納されたときのリスクヘッジをしているということです。
「保証人なし」などの文言だけにすぐ飛びつかずに、その物件の家賃や初期費用は、相場と比べてどのくらいの金額かを確認してから選びましょう。もちろん、そもそも保証人なしの場合は、家賃は多少高くなりがちですが、それでも相場金額との比較をしないと高すぎる物件を選んでしまいます。
水商売に強い仲介会社を探す
前項までで話したように、水商売の人が賃貸物件を探すときには、一般的な会社員の人よりも賃貸物件を探すのが難しいのは事実です。しかし、難しいからといって、「保証人なし物件」に飛びつくと、結局支払いが大変になります。
そのため、水商売を応援してくれる、協力的な仲介会社に賃貸物件の仲介を依頼しましょう。インターネットで「水商売応援 賃貸」や「女性応援 賃貸」などと検索すると、水商売の方を応援するサイトがヒットします。
そのような不動産会社は、水商売の人が安心して賃貸できる物件をたくさん知っており、色々なケースの対応経験があるので、対応力が違います。そのため、仲介会社は通常の仲介会社ではなく、水商売を応援してくれるような不動産会社を見つけましょう。
入居後のマナーで気をつける点
いざ、賃貸物件が決まったら、入居後のマナーには気を付けましょう。仮に、水商売を応援してくれる不動産会社に仲介を依頼したら、ご近所さんは同じ水商売の人も多いかもしれません。ただし、当然別の職業の方もいます。
そのため、生活リズムが違ったり、マナーに関しての細かさの違いだったりを気を付けておかないと、近所トラブルに発展しかねません。また、水商売に協力的な仲介会社に依頼した点も配慮しましょう。仮に、あなたが水商売の人に理解のあるA社に仲介をお願いして、無事に賃貸マンションに住めたとします。
しかし、そこでトラブルを起こしてしまうと、A社の信用問題にまで発展するかもしれません。そのような意味でも、特に入居後のマナーには気を付けるようにしましょう。
このように、水商売の人はオーナーからの印象が悪くなりがちのため、部屋探しに苦労することが多いです。しかし、偏見の目を持たずに、きちんと審査をするオーナーも当然います。そのような物件を良く知る不動産会社に仲介を依頼するのが一番良い方法です。
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