お部屋探しをするとき、交通の便が良いエリアを選んで満足してしまっていませんか。
交通の便が良いというのは、電車で短時間で行くことができることや、乗り換えなしで目的地まで行くことができることを表します。でも実際に生活してみると、それと同等に重要なことに気づかされます。
それは電車の混雑具合です。東京や大阪の大都市ともなると、混雑しているというレベルの話ではありません。下手したら電車に乗れないこともあり、会社や学校に遅刻してしまう危険性が出てきます。
いくら交通の便が良くても、混雑がひどい電車に乗らなければならないのはとても苦痛。通勤や通学で利用するとなると、毎日のことになるので相当のストレスです。
できるだけ混雑する電車は避けて生活したいですよね。そこで参考にしたいのが混雑率ランキングです。
東京と大阪の混雑率ランキングを比較
混雑率ランキングとは、電車の混雑具合を数値化したもので、国土交通省が調査し集計して出しているランキングです。混雑度の目安は次の通りです。
・混雑率100%……定員乗車(座席につくか、つり革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)
・混雑率150%……広げて楽に新聞を読める
・混雑率180%……折りたたむなど無理をすれば新聞を読める
・混雑率200%……身体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める
・混雑率250%……電車が揺れるたびに身体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。
※参考:国土交通省「混雑度の目安」
この目安によると、180%を超えるとかなり窮屈な状態で、手すりや吊革につかまるのも困難になるレベルです。そして200%を超えるとかなりの不快感の中で過ごさなければなりません。
250%を超えると、駅員が無理やり押し込んでやっと乗れるレベル。乗ることを諦める人も出るほどです。
では国土交通省が発表している混雑率ランキングの、東京と大阪のデータを見ていきましょう。
東京のランキング
東京と言えば電車の混雑は当たり前。駅員が必死に乗客を押し込む姿は、毎朝の風物詩として有名ですね。
実際にどの路線が一番混雑が激しいのでしょうか。TOP5をご紹介します。
第5位 JR中央線(快速)
東京の西側で最大の規模を誇るJR中央線は、やはり混雑が必至です。特に中野から新宿までの区間は混雑率188%と、かなり高い数値が出ています。
遠方から東京都心に通勤・通学に来る人がたくさん乗っているので、都心に向かうにつれて乗客は増える一方。新宿まで降車する人がほとんどおらず窮屈な状態が続いてしまいます。
ただしこの混雑は7時台後半から8時台前半がピークで、それ以外の時間帯は特に混雑がなく楽に乗車できます。
第4位 小田急小田原線
小田急小田原線と言えば、神奈川県と東京都をつなぐ大切な路線です。神奈川県から新宿、渋谷を目指す人が日常的に使う電車で、世田谷代田駅から下北沢駅までの混雑率は191%にも達します。
渋谷方面に向かう人が下北沢で井の頭線に乗り換えるため、下北沢で少し混雑が緩和されますが、それ以前はどんどん乗客が増える一方。かなり不快な状況です。
平成26年度には混雑率第6位だったのですが、年々増加傾向にあり、平成29年度には第4位にランクアップしてしまいました。
第3位 JR横須賀線
JR横須賀線は全般的に混雑している電車の一つですが、特に武蔵小杉駅から西大井駅間は混雑率193%とかなり高め。ほぼぎゅうぎゅう詰め状態です。
西大井駅で湘南新宿ラインに乗り換えて新宿方面に向かう人が多いため、西大井駅以降は少し混雑が緩和されますが、それまでは不快指数がかなり高くなっています。
最も混む時間帯は朝7時半から8時半の間で、やはり9時を目安に会社に到着したいという人が多いのがうかがえます。
第1位(同率) JR総武線(緩行)
同率で第1位となったのがJR総武線の緩行です。錦糸町駅から両国駅までの区間は、混雑率199%というハイレベル。日によっては乗れない人も出てきます。
両国駅で都営大江戸線に乗り換える人が出てくるので、両国駅からは少し混雑が緩和されますが、常に混雑を覚悟して乗るべき電車の一つです。
しかも緩行なので、目的地までの到着時間も遅いうえに、各駅でさらに人を乗せていくので、通勤・通学ストレスは相当なものです。
第1位(同率) 都営地下鉄 東西線
総武線と並んで第1位に選ばれたのが東西線です。東西線の混雑は、もはや一般常識で、過去数年にわたり不動の第1位を確立しています。
特に木場駅から門前仲町駅までの間は、混雑率199%とハイレベル。混んでいて当たり前と思っておいた方が良い路線です。
千葉県から都心へ通勤・通学する人が多く、西船橋からどんどん乗客は増え続け木場駅でピークに達します。その後門前仲町駅で都営大江戸線へ乗り換える人が出てくるので、若干緩和されるという流れです。
大阪のランキング
大阪は東京に比べると混雑率は低くなりますが、それでも通勤ラッシュは大変。実際にどの路線が混雑しているのか知っておいても損はありません。
ではTOP5を見ていきましょう。
第5位 近鉄 奈良線
近鉄奈良線は奈良と難波をつないでいて、さらにJR大阪環状線へ乗り換えができる鶴橋駅も通るという便利な路線です。
河内永和駅から布施駅までの区間が最も混雑率が高く、137%にまでのぼります。さらに急行ともなれば体感混雑率は150%を超えると言われていて、不快指数は高めです。
第4位 市営地下鉄 中央線
大阪市営地下鉄は、通勤ラッシュ時は常に混雑しているというイメージですが、特に中央線と御堂筋線は別格。ぎゅうぎゅう詰め状態も日常的です。
森ノ宮駅から谷町四丁目駅までの区間は特に混雑がひどく、混雑率は140%になります。
大阪市営地下鉄は車両ごとに混雑度合いが全く異なるという特徴があります。乗り換えに便利な車両、出口に近い車両は人が集中して混雑率はかなり高めです。
第3位 阪急電鉄 宝塚本線
宝塚本線は関西でも通勤ラッシュのひどい路線として有名な路線です。最も混雑するのが三国駅から十三駅の区間。十三駅まで降りる人がほとんどいないため、乗客は増え続ける一方です。
国土交通省の発表した混雑率は145%となっていますが、実際の体感混雑率はもう少し高めで170%前後と言われています。
特に急行になると混雑率は高くなるため、かなり不快な状態で乗車しなければなりません。
第2位 阪急電鉄 神戸本線
同じく阪急電鉄の神戸本線も混雑が一般化している路線の一つです。神戸方面から大阪へ出てくる人が多く、神崎川駅から十三駅までは混雑率147%になってしまいます。
こちらも十三駅まで降りる人が少ないため、長時間苦痛な状態で乗車しなければならないという特徴があり、不快指数は高くなっています。
第1位 市営地下鉄 御堂筋線
大阪の通勤ラッシュの代名詞と言えば御堂筋線。ピーク時は駅員が押し込んでやっと乗れるほどまで混雑します。
梅田から淀屋橋までの区間は総乗客数日本一を誇るほど利用者が多いのが特徴で、混雑率は150%に達します。
また時間帯や季節、天気などによっては、180%を超える人もあり、かなり大変です。できれば通勤には使いたくない路線の一つです。
混雑を避けるにはどうすればいい?
混雑しない路線を選んでお部屋を見つけることができれば、それに越したことはありませんが、家賃相場や住環境などを考えるとなかなかうまくいかない時もあります。
しかも東京の主要都市へ向かう路線は、ランキング入りしていなくてもたいていは混雑しています。通勤時に混雑しない路線など、逆に珍しいほど。
そんな時は、混雑を避ける方法を身に付けるほうが手っ取り早いかもしれません。
朝活する
混雑を回避するのに有効的な手段として、朝活があります。朝活とはその名の通り、朝早く起きて活動すること。健康にも良く私生活も充実できると話題になっています。
どうしても仕事をしていると、仕事から帰ってからが自分の時間というイメージが大きいですよね。そのためついつい夜更かししてしまいがち。夜更かしは体にも悪いですし、朝もしんどくなってしまうのでデメリットばかり。
一方で朝活は、仕事から帰って夜ご飯を食べたら、自分の時間はそこそこに早めに就寝し、本来ならまだ寝ている時間帯に起き出して活動を始めるというものです。
実は朝活はメリットがたくさんあります。
睡眠時間がしっかりとれる
夜に自分の時間を作ってしまうと、ついだらだらと時間を忘れて睡眠時間を削りがち。でも朝活は決められた時間しっかりと睡眠をとることができます。
お酒を減らせる
夜起きていると、何となくお酒に手が出てしまう…。ありがちですよね。でも朝活の場合は、朝からお酒を飲むわけにはいかないので、自然にお酒の量が減らせます。
目的を達成できる
人間の体は昼型にできているので、夜はあまりやる気がでません。何か目標があっても、夜ばかりに活動していてはなかなか達成できません。でも朝活ならやる気も十分。達成率も高くなります。
充実感を味わえる
朝早く起きて活動を始めることで、多くの目的を達成することができますし、一日を長く感じることができて、日々の充実感がアップします。
朝活を始めて、早くから行動を起こすことで、通勤ラッシュを回避することにもつながります。まだ混み始める前の電車を利用したり、混雑区間を回避して歩いたり、会社まで自転車で通勤したり…。
時間に余裕があるだけで、朝の通勤は大きく変わります。混雑を回避できて、健康になって、充実感もアップして、まさにいい事尽くしです。
電車の乗る位置を変える
電車にはたくさんの車両があり、その車両によって混雑率が違うという事はご存知でしょうか。駅の改札に近い車両や、乗り換えの通路に近い車両などは、どうしても混雑率が高くなってしまいます。
この現象は特に大阪で多く起こりがちで、混みあう車両は混雑率170%なのに対して、空いている車両は混雑率100%程度という場合もしばしば。
電車の乗り換えには1分1秒を争うこともあり、電車を1本逃すだけで会社に間に合わなくなるという場合もあるかもしれません。でも混雑をできるだけ回避するには、混みあう車両は避けて乗るべきです。
少し出口や改札、乗り換え通路から遠くなってしまっても大丈夫なくらい、時間に余裕をもって家を出て、不快な通勤ラッシュを回避しましょう。
座席指定の通勤列車で通う
最近では各鉄道会社が座席指定通勤列車の普及に力を入れています。毎日混雑しながらの通勤は相当なストレスを受けてしまうため、少しでも緩和したいという各社の取り組みです。
特に地方から主要都市に向けて乗り入れる列車は混雑しがちで乗車時間も長いため、不快指数も相当高くなってしまいます。それを緩和するためにも座席指定通勤列車はとても有効的です。
1つ問題になるのが運賃です。通常であれば300円もかからない運賃が、座席指定になるだけで倍以上の700円台にまで跳ね上がってしまいます。たまに利用するだけならいいですが、毎日ともなると家計に響いてしまうかもしれません。
ただし地域によっては、特急列車や座席指定列車に対する補助金を設けている自治体も出てきていますので、金銭的な問題も徐々に緩和されていくことが予測されます。
またこういった列車を利用する人が増えることで、その分一般車両の混雑率も低下していくことが考えられます。どんどん座席指定列車を利用して、この取り組みを盛り上げていきましょう。