単身赴任する際は住民票は移す?移さない?

単身赴任する際は住民票は移す?移さない?

単身赴任という形で引っ越しをするときに気になるのは、住民票は移した方がいいかどうかということではないでしょうか。家族は元々住んでいる場所にまだいるわけですから、住民票をそのままにしていても、あまり問題はないように感じますよね。ここでは、単身赴任のときに住民票を移すべきかどうかについて考えてみましょう。

単身赴任で住民票を移すメリット

単身赴任で住民票を移すかどうかについて、まずは住民票を移した場合のメリットについて説明します。

私たちが生活する上では、時々役所に行って手続きが必要になるようなことがありますよね。そういった場合に、住民票が移してあれば、わざわざ地元に帰って手続きをしなくても、単身赴任先ですぐに手続きを終えることができるということが、住民票を移した場合のメリットとして挙げられます。

具体的にどのような手続きが、これにあたるかというと、運転免許証やパスポートなどの更新や申請をするときや、選挙の投票などです。

住民票をそのままにしていても、手続きによっては、地元にいる家族に代理でやってもらうということもできますが、委任状などが必要になることが多く、手続きに時間がかかってしまいます。

また、役所からの通知なども住民票住所に届くので、住民票を移していればすぐに対応できるというのも利点です。

地元に住民票が置いてある場合、通知が家族の元に届きます。家族に対応してもらうということもできますが、前述のように時間がかかりますし、自分宛のものではない以上、開封せずに保管しておくということも考えられます。

他にも、住民票を単身赴任先に移せば住んでいる場所の公共施設が割引価格で使用できるようなこともあります。地区によっては、住民を対象に使用料や入場料の割引をしている施設があるので、こういったものが多い地区に住んでいるのであれば、大きなメリットになるでしょう。

単身赴任で住民票を移すデメリット

では、住民票を移した場合になにかデメリットというものはあるのでしょうか。あまり意識している人はいないかもしれませんが、家族を地元に残して、自分だけ住民票を移してしまうと、住民税が二重にかかってしまうことがあります。

これは、家屋敷課税というものなのですが、元いた場所に自分名義の家があり、且つ単身赴任先でも家を借りているという場合、元いた場所でも行政サービスを受ける可能性があり、そちらでも住民税が課税されてしまいます。

「自分名義」というのは、自己所有物件のことだけではなく、賃貸の場合も自分名義で借りているのであれば、該当になります。この住民税が二重でかかってしまう件から逃れるためには、家族が住んでいる物件の名義を、住んでいる家族の名義に変更しておかなければなりません。

また、住民票を移動すると一時的に選挙権が失われます。この期間の長さは、選挙の種類にもよるのですが、最長で引っ越しから3ヶ月失われてしまいます。そもそも投票に行かないという人にとっては関係ないかもしれませんが、これを知らずに、大事な選挙の直前に住民票を移してしまうと、選挙に投票できない事態になってしまいます。

これはデメリットにはならないかもしれませんが、住民票を移すとき、そして単身赴任が終わって元の家に戻るときの2回、役所で住民票を移動させる手続きをしなければならないということも、人によっては面倒に感じるでしょう。それに伴い、運転免許証や各種サービスへの登録住所も変更するという手間もあります。

住民票は移すべきなのか

単身赴任のときは、住民票を移すかどうかは、個人の状況によって異なります。例えば、上記のデメリットのことを考えると、1年限定などの単身赴任の場合では、少し手間が多すぎると感じる人もいるでしょう。

ですが、1年を超えて単身赴任をすることが決定している場合などでは、住民票を移しておいた方が、生活上楽なこともあります。そもそも単身赴任で生活拠点が変わるなら、住民票を移動しなければならないと法律で定められています。

単身赴任が1年以下の場合や生活拠点が家族が住んでいる家の方にある場合は、例外だとされていますが、それ以外の場合は住民票を移す義務があります。この「生活拠点」というところが曖昧なところで、例えば毎週末家族が住んでいる家に帰って、荷物もほとんどそちらにおいてあるという状況であれば、そこが生活拠点だと言えるでしょう。

そういった場合は住民票を移す必要がないと考えられるので、たとえ1年を超えるような長期的な単身赴任だったとしても、住民票がそのままになっていても問題ありません。それ以外の場合、例えば週末に家族の方が赴任先に来て一緒に過ごすという場合は、単身赴任先が生活拠点になっているので、住民票を動かす必要があります。

最初は住民票をそのままにしておいて、やはり生活上不便だと感じた時や、完全に単身赴任先が生活拠点となってしまった場合に改めて住民票を移すということもできます。どうするか判断できないのであれば、このような方法もあるということを覚えておきましょう。

単身赴任する際の注意点

次に、単身赴任をするときには、住民票の件以外にどういったことに気をつけなければならないかを考えてみましょう。

一人暮らしに関すること

単身赴任をする人のほとんどが久々、若しくは初めての一人暮らしになるのではないでしょうか。一人暮らしがどんなものだったのか、忘れてしまっている人もいるかもしれません。

一人暮らしをするということは、家事はもちろんのこと、さまざまな行政手続きなども全て自分でしなければならなくなるということです。特に、住民票を単身赴任先に動かしてしまった場合には、家族に代わりに手続きを頼ることができません。

そういった手続きは平日の日中しかできないことが多く、今まで家族に任せていた人は困ってしまうかもしれませんが、大事なことですから忘れないようにしておきましょう。あるいはそうそう度々あることではないですから、家族に平日来てもらってお願いするのもアリです。

夫婦の関係に関すること

単身赴任で一番大事なことは、夫婦間のコミュニケーションです。ここが不足してしまうと、後々の夫婦関係に大きなダメージを与えてしまいます。特に男性はついつい連絡をするのを忘れてしまったりするものです。仕事が忙しければ尚更でしょう。

しかし、家に残してきた奥さんや子供達はさみしさを感じているものです。忙しくても、週に一度くらいはゆっくりと家族と話せる時間を作ることをおすすめします。短時間の連絡なら、毎日してもいいくらいです。

最近はビデオ通話もインターネットさえあれば簡単にできますから、顔を見てコミュニケーションをとれば、離れている気がしないでしょう。

いつかは家族と暮らすということを忘れないこと

単身赴任という状態は、いつかは終わりがくるものです。ほとんどの場合は、家族の元に戻ることが多いですが、状況によっては赴任先に家族が引っ越してくるようなこともありますよね。どちらにしても、数年以内にはまた引っ越しが待っていることが多いと思います。

このときに、あまり一人暮らしの荷物を増やしていると引っ越しのときに大変な思いをしてしまいます。家具を選ぶときや、何か形が残るような物を買うときには「いつかは家族の元に戻るんだ」ということを意識して、その時に困らないようなものを選びましょう。

まとめ

単身赴任は、本人にとっても家族にとっても、さまざまな面で大変なものです。住民票をどうするかというような行政手続きもそうですが、家族間のコミュニケーションという点でもそうですよね。

住民票を動かしてしまうと、家族という単位を意識しづらくなるようなことにもなりかねませんから、そのバランスも考えながら家族とまめに連絡を取り合ってください。そうすれば単身赴任生活もお互いにとって苦にならないでしょう。


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