
引っ越し業者の中にはすべてお任せで梱包から荷解き、設置までやってくれるような至れり尽くせりのプランを提供しているところもありますが、お値段はそれなりにお高くなります。
なるべくリーズナブルに引っ越しをするなら梱包や荷解きは自分でやるのが定石ですが、大型テレビやパソコンなど、壊れやすいものや高価な電化製品はどう梱包していいか困ってしまうかもしれません。絶対に壊したくないから、最適な方法で運びましょう。
基本は業者にやってもらう
最近は大型の液晶テレビがある家は多いと思います。安いものではないだけに、画面をぶつけでもしてまともに見られなくなってしまったら大ショックですよね。
電化製品を運ぶ際の基本中の基本は、やり方がわからなかったら下手に自力でやろうとしないことです。見積もりに来た営業担当にどうしたらいいのか聞いてみましょう。多くの場合、「そのままで大丈夫ですよ、こちらで梱包して運びます」と言ってくれるはずです。
テレビの梱包料金は?
引っ越し業者はプロですから毛布などでケアしながら大型テレビを運ぶノウハウは持っているため、任せてしまいましょう。その際、別に梱包料がかかるのでは?と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、安心してください。
一般家庭にあるような常識的な量なら追加料金は、まずかかりません。素人が下手に梱包をすると、かえって持ちにくかったり梱包が不十分で移動中に動いてしまったりして危険です。
自分でやるべきことも
テレビの本体自体はプロに運んでもらうとしても、その前の配線の取り外しと、新居に着いてからの配線つなぎはオプションでお願いすることもできますが、節約を考えるのであれば自分でやりましょう。
ブルーレイレコーダーやゲーム機、ホームシアターセットなど、配線が複雑な場合、ちょっと戸惑うかもしれません。新居で元通りに配線できるかどうかも心配ですよね。いくつかコツを伝授します。
一つ一つ順番に
いくつか家電製品がある場合、一度に全部やろうとせず、順番に一つずつコードを外していきましょう。それがごちゃごちゃにならない第一のコツです。
作業の順番ですが、使わなくても大丈夫なものから外していくようにしてください。具体的には、まず普通のテレビであれば音は出るので、ホームシアターセットから外します。次に外すのが、ゲームやDVDレコーダーです。これらは別に一日二日使えなくても大して困りません。そして最後、当日にテレビ本体のコードを抜いて終了です。
小物は一か所にまとめる
基本的に同じ機械につながっていたコード類など小物はすべて一つにまとめます。そのためにも、ごっちゃにならないように一か所の作業が終わるまで別の作業には手を出さないのが賢明です。コード類は断線の危険性があるので、あまりきつく折り曲げたりしないように気を付けてください。
とにかく記録
いざコードを外す前にやってほしいことがあります。粘着力が弱く、はがれやすいマスキングテープ(100円均一ショップで手に入ります)をコードと差込口に貼り、そこにわかりやすいように番号やアルファベットなどを振っていきます。
たとえば、テレビとDVDレコーダーのHDMI端子があったら、端子側に「A」、コード側にも同じように「A」と書いておけば、新居でつなぎなおす時にどれをどこに挿したらいいのか、迷いません。さらに、最初に番号を振り終わった段階で必ずデジカメで写真を撮って保存しておきましょう。
パソコンの引っ越しはどうする?
大型のデスクトップパソコンやモニターなども、テレビと同じように業者がプロの技で運んでくれます。中には引っ越しの時のために買ったときの箱をそのまま保存しておきましょうという話もありますが、正直、空のダンボールを部屋にキープするほどスペース的な余裕がある人はそんなにはいないのではないでしょうか。
また、ダンボールは実はゴキブリの好物でもあるので、いらぬ同居人ができてしまわないとも限りません。ただし、パソコンについても自分でやらなければいけないことはあります。配線のつなぎ方、外し方についてはテレビの場合と一緒です。
データは保証されない
引っ越し業者は保険に加入しているはずなので、物理的に落として壊した場合などは保証されると思いますが、中のデータが消えてしまった場合には保証されません。そこで、最悪の事態に備えてデータだけは必ずバックアップしておきましょう。意外とデータが丸ごと消えてしまうという惨事は頻繁に起きるものですから。
一番簡単な方法はDVDディスクに焼いたり、外付けのハードディスクにコピーして自分で持ち運ぶことですが、最近はDVDドライブがないパソコンも多いですし、いちいち全部焼くのは手間だったり、外付けハードディスクは持っていないという人もいるかもしれません。
そういう人は、クラウドストレージを利用しましょう。クラウドストレージを利用すると、ネットの上のサーバに一時的に自分のパソコンのデータを預けておくことができます。boxやDropbox、one drive、Google Driveなどメジャーなところでも多くあり、よっぽどデータ容量が多くなければ、無料プランで収まると思います。
また、持っているパソコンのメーカーによっては、ユーザーに無料でクラウドストレージを提供しているところもあります。
気になるのはセキュリティですよね。個人情報をクラウドに上げることに抵抗がある人は、やはり個人情報にあたるような部分はDVDディスクに焼くなり、外付けハードディスクなどで運ぶことをおすすめします。
ベストは自分で持って行く
ノートパソコン程度なら、自分で運びましょう。リュックサックなどに入れて背負ってしまえば大した荷物にもなりません。また、今はデスクトップ型のパソコンでもMac miniのようにびっくりするほど小さいサイズのものもあります。
最初から引っ越しが想定されるなら、こういった小さいサイズのパソコンを最初から選んでおくのもいいですね。普通に使う程度なら、性能的に大きなものに劣りません。
たとえば単身赴任をしていて家に仕事を持ち帰りたいとか、学生で夏休みは長期で実家に帰るという場合にも、パソコンごと持ち運ぶことができる利便性の高さがあり、一度やると便利さに病みつきになるかもしれません。
その他の高価な電化製品は?
普通の家にある高価で壊れたら困る電化製品は、やはりテレビやAV機器、パソコンなどだと思いますが、中にはもっと別のものを持っている人もいるでしょう。
とにかく見積もり時に相談
高級品や壊れやすいものはどうするか、とにかく忘れずに見積もりの時の営業担当に相談しましょう。ここでちゃんと言っておかないと、作業当日になってから持って行けないというトラブルも考えられます。
照明器具は特に注意
家電製品で高価になることが多いのが、照明器具です。それほど多くはないと思いますが、シャンデリアを持っていたりしたら、着け外しに専門の業者が必要になるかもしれません。照明は普段いつも上にあるものですから、つい忘れがちですが、必ず見積もり段階で申告しておきましょう。
また、床置きや卓上のライトでも、バカラだったりフランクロイドライトだったり、それ自体が美術品的な価値を持つものもあります。もしアンティークだったら割ってしまったら取り返しがつきません。
その場合、あまりにも高価なら専門のスタッフにお願いしたり、美術品用の保険に入ることも考えにいれておきましょう。
引っ越しは事故がないことが一番に決まっていますが、100%ということはありません。何かあった時に「あの時ああしておけばよかった」と後悔しないよう、よく相談して準備をしてください。