引っ越し業者の予約をキャンセルした場合の違約金は?

引っ越し業者の予約をキャンセルした場合の違約金(キャンセル料)について

引っ越しに向けて準備を進めてきたのに、直前になってキャンセルや延期をしなければならないことがあります。そんなときは、依頼をしていた引っ越し業者にすぐにキャンセルの連絡を入れましょう。

なぜなら、申し出たタイミングにより、数千円から数万円の損をしてしまうかもしれないからです。今回は、一定のルールで決められた引っ越し業界の違約金のしくみについて説明します。

直前でキャンセルしたら違約金がかかるの?

引っ越しは、正式な契約書を取り交わすのではなく、見積書の金額を了承して依頼した時点で契約が成立します。見積書の様式は業者によって独自に決まっていますが、そこに申込人の署名や捺印をして契約成立となるところもあります。

契約をした以上は、一方的にキャンセルをすると契約の不成立ということになり、違約金がかかるのはやむを得ません。ただし、キャンセルを伝える日にちにより、違約金がかかるケースとかからないケースがあります。その境目はいつなのでしょうか?

業者からは引っ越しの3日前までに確認の連絡がある

引っ越し業の監督官庁になる国土交通省が示す標準引越運送約款によると、業者は、引っ越し日の3日前までに申込者に連絡を入れ、見積書の記載内容に変更があるかどうかの最終確認をすることが決められています。

つまり、「引っ越しの意思確認のための3日前」というのが、違約金の有無の境目になります。ただし、引っ越し日の3日前の最終確認を業者が行っていない場合は、前々日や前日、当日の急なキャンセルでも、違約金を支払う必要はありません。

引っ越しのキャンセル料は前々日から発生する

キャンセル料が発生するのは、最終確認以降からです。引っ越しする日の前々日(2日前)からかかるので注意してください。キャンセル料は見積書に記載されている金額の20%以内の支払いと決まっています。

引用元:国土交通省 標準引越運送約款

引っ越し前日のキャンセル料は?

引っ越しの前日(1日前)に引っ越し業者にキャンセルを伝えた場合は、見積書に記載されている金額の30%以内を支払うことが決められています。

引っ越し当日のキャンセル料は?

引っ越し当日に急にキャンセルしなければならなくなったときは、引っ越しの見積書に記載された料金の50%以内の違約金を支払わなければなりません。ただし、すべての業者がそうだとは限りませんが、事情次第では延期の場合の違約金を無料や減額にしてくれるところもあります。

違約金以外の費用がかかるのは、こんなとき

違約金を支払っても支払わなくても、引っ越しをキャンセルした場合は、すでに利用したオプションサービス料や無料として受け取っている梱包資材の費用を支払うことになります。

無料のダンボールを使ってしまった

引っ越しを契約して受け取ったダンボールは、引っ越し料金の中に含まれているものです。使ってしまった場合は買い取りになり、その分の料金を支払わなければなりません。同じようにガムテープや包装紙も、使っていれば買い取り扱いになります。

手つかずで残った新品のダンボールがあれば、引き取ってくれるところもあります。この場合、使用した分だけの精算になります。引っ越し業者に問い合わせ、返送方法などを相談しましょう。

提携の電気工事業者にエアコンを外してもらった

電気工事業者にエアコンを外してもらった場合は、その場で工事代金を支払うことが多いです。しかしなかには、引っ越し業者に全額一括して支払うこともあります。そんなときには、その分の実費も支払わなければなりません。

オプションでプロに荷造りをしてもらった

荷造りをプロに頼む場合、荷物量にもよりますが、前日に作業することが多いでしょう。その荷造りがすでに終わっている状態であれば、相当分の実費を支払う必要があります。

専門業者にピアノ輸送を依頼し、すでに運び出した

先にピアノを専門業者に運び出してもらった場合、その輸送料金がかかります。その後そこで預かってもらうか、また元の位置に戻してもらうかによっては、さらに追加料金がかかるでしょう。

キャンセルの前に!ドタキャンでなくこんな方法も

急病や事故、親戚やお世話になった人の不幸などは、いつ起こるかわかりません。自分の都合でなくても、急きょ引っ越しを取りやめなければならない場合もあるでしょう。しかし、単純にキャンセルするのではなく、次のような方法ができるか考えてみましょう。

キャンセルではなく延期にしてもらう

キャンセルしたとしても、いずれは引っ越しをしなければなりません。再び引っ越し業者に来てもらい、新たに見積もりを出してもらう作業をくり返すのは大変です。時間をかけて検討し、一社に絞り込んだ場合は特に、次も同じ業者に頼めれば何かと安心です。

事情を話し、キャンセルではなく、延期にして引っ越しを引き受けてもらえないか、交渉してみると良いでしょう。場合によっては、違約金が減額になることもあります。延期した日が現在の見積額よりも高くなるような日程の場合は、違約金が無料になることもあるかもしれません。

まずは諦めずに、事情を話して相談してみることが大切です。問題は、引っ越しを延期したい日に、同じ業者の予定が空いているかどうかです。

代理人に立ち会いを頼む

誰かに立ち会いの代理をお願いすることはできませんか?身内に頼むのが一番良いですが、委任状を提出すれば代理人でも問題なく引っ越しができる業者もあります。この場合、極力用事を早めにすませ、引っ越しが終わるまでに新居に到着できることが望ましいです。

キャンセルをして最初から予定を組み直すよりは、そうした方がお互いにとって良いといえるでしょう。ただし、要望があれば業者に事前に伝えておく、新居のレイアウトなどをきちんと決めておくなど、代理人が困らないようにしっかり準備しておきましょう。

荷物の一時預かりサービスを利用する

旧居では立ち会いを頼むことができたけれど、近所に知り合いがいないため新居では誰にも頼めなかった、というような場合もあるでしょう。この場合、荷物の一時預かりサービスをしている業者なら、そのまま都合のつく日まで預かってもらうという方法も考えられます。

身の回りの何泊か分の荷物をスーツケースなどに詰めて別にしておき、その他のものを運んでもらいましょう。旧居の退去日がずらせないときは、このようなやり方もあります。

引っ越しができなくなったら、すぐにキャンセルの連絡を!

突発的なことが起こり、引っ越しをキャンセルしなければならない用事ができたときは、かなり慌ててしまうでしょう。しかし、引っ越し業者への連絡だけは、早めにしておきましょう。バタバタしていると、何をどうしたかの記憶があやふやになりがちで、後から思い返しても自分の言動に確信が持てないことがあるものです。

そんなときは、“記憶”より“記録”です。キャンセルの連絡を入れたときには、念のため電話を受けた相手の名前を聞き取り、何月何日何時何分に連絡したということが後からわかるように、メモしておきましょう。

まとめ

当日のドタキャンだと、引っ越し総額が100,000円の場合、50%の違約金なら50,000円になります。これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれですが、3日前までのキャンセルなら違約金は不要になります。

そして注目したいのは、標準引越運送約款の記載では「●●パーセント以内」になっていることです。本人の責任によるキャンセルでない場合、理由によっては減額をしてくれる業者もあります。

まずは業者に早急に連絡を取り、事情を話しましょう。業者から連絡が来る3日前まで待つのではなく、中止や延期がわかった時点で速やかに連絡を入れましょう。


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