引っ越し業者のプランを見てみると、「単身パック」というものを取り扱っている業者があります。単身者の引っ越しは、荷物が少ないため安いパック料金で提供されています。そのため、大きな家具があると単身パックは使えない場合もあります。ここでは、単身パックと大型家具についてみていきましょう。
単身パック基礎知識
引っ越しで言う単身パックとは、冒頭で触れたとおり、単身者向けの安いプランです。しかし、単身パックについて、その他の知識がない人も少なくないでしょう。まずは、単身パックの基礎的なことを説明します。
単身パックは2トントラック分
単身パックのプランでは、基本的に2トントラックに収まる量までが、取り扱いのできる範囲となっています。2トントラック分と言われても、具体的にどの位がそれに当たるのかが想像できませんよね。
基本的に、普通サイズのワンルームや1Kの間取りに収まっている家具を運び出すのであれば、ほとんどの場合はこの2トントラック分に収まります。具体的に例を挙げると、小さめの2ドア冷蔵庫、4キロまでの洗濯機、20インチ程度のテレビとテレビ台、電子レンジ、布団や折りたたみベッド、衣装ケース、ダンボール5~10箱程度です。
一人暮らしであっても、この例を大幅に上回るような量の荷物がある場合は、単身パックには向きません。
単身パックの作業員
単身パックを申し込んだ時の作業員の数は、1人か2人です。単身パックが安いのは、人件費が安くなりやすいからということもあります。業者によって作業員が1人だったり2人だったりします。2人だと作業が早く終わるので、急ぎの場合は便利ですが、それだけ引っ越し費用も高くなりがちです。
大型家具の取り扱いについて
単身パックでは、基本的に大型家具を運ぶことはできません。これは、単身パックに使用する車両に荷物が入らなかったり、単身パックの専用BOXに収まらないということがあるからです。ただし、大型家具であっても、折りたたんで収納できるタイプや、分解できるものについては、単身パックの利用ができる場合もあります。
単身パックで注意するべき家具
単身者の多くは、引っ越しには単身パックを使おうと思っているのではないでしょうか。ですが、前述のとおり、単身パックで運べる荷物は2トントラックに収まる量なので、大きな家具などは運べないケースが多いでしょう。具体的に、注意が必要な家具についてまとめてみました。
ベッド
ベッドは単身パックを使うにあたって、一番ネックになる家具かもしれません。折りたたみベッドでコンパクトに収納できるようなら、他の荷物が多すぎなければ単身パックで引っ越しできます。
また、シングルベッドで解体できるものなら、単身パックに入るかもしれません。ただし、マットレスが折りたたみできないようなら、単身パックを使うのは難しいでしょう。
セミダブルサイズ以上になると普通の単身パックでは、取り扱えないことが多いので、注意しましょう。
ソファー
ソファーもかなり小さめの1人がけのもので、1人でも運べるような大きさなら、単身パックでも収まる場合があります。しかし、2人がけ以上のものなら、単身パックでは運べないと思っていた方がいいでしょう。
単身パックを取り扱っている業者には、単身パックのプラン自体をいくつか用意していて、荷物が多めの単身者向けのサイズがあることもあります。その場合は、2人がけのソファーでも利用することができます。
自転車
部屋の中にあるものではありませんが、自転車を持っていて引っ越し先にも持っていきたいということは少なくありません。単身者の人で自転車を持っているという人は多いですよね。
自転車があると、基本的に単身パックは難しくなります。専用BOXに入らないケースが多いからです。2トントラックに自転車自体は載りますが、他の家具と一緒には載せられないというケースもあるでしょう。
自転車をどうしても引っ越し先に持っていきたい場合は、単身パックは諦めるか、荷物が少し多めの人向けの単身パックを選びましょう。
その他大型家具
単身者の荷物で、大型のものというと、上記に挙げた3つが代表例ですが、その他にも単身パックが使用できるかどうか微妙な大きさの家具もあります。家具の大きさが微妙で単身パックに収まるかどうか不安な場合は、見積もり時に尋ねることもできますし、使おうと思っている業者のウェブサイトにも、大体の目安量が載っているので、参考になります。
大型家電
110リットル以上の大きな冷蔵庫、30インチ前後以上の大きなテレビ、5キロ以上の洗濯機などは、単身パックで運べる荷物の対象外になることが多いので、注意してください。
他の荷物が少なく、各業者が決めている単身パックの荷物量の範囲に入るようなら、単身パックで引っ越しができることもあります。
しかし基本的には難しいので、そういった大型家電を持っている場合は、別の引っ越しプランを選ぶことになります。
プラン変更や荷物を減らす工夫を
単身パックは確かに他のプランに比べると、破格とも言える価格設定にはなっているのですが、その分荷物量は制限されています。それを考えると、荷物を減らしてまた買い直した方が結果的に安くあがるという場合もあります。
引っ越しの見積もりをお願いする時に単身パックに収まりきらず、見積価格が高くなってしまった場合は、荷物を減らせば単身パックが使えるかもしれないので、見積もりをしてくれた人に、どの位荷物を減らせばいいのか、単身パックでは運べない荷物はどれかということを確認してみることをおすすめします。
そこで教えてもらった荷物を処分していけるようなら、その方が引っ越し料金が安くすむかもしれません。元々単身パックで考えていたものの、見積もり時に単身パックが無理な量だと判明し、且つどうしても荷物は減らせないということなら、通常の引っ越しプランを選ぶことになります。
その場合、少しでも安くすませたいのであれば、梱包・開梱を業者に任せず、全て自分でやるプランにすると、安く上がります。
単身パックは安くてお手軽なプランです。単身者で荷物が少なめなら、なるべく単身パックを使えるように工夫してみましょう。また、数年ごとに引っ越しをするという人は、単身パックを使えるように、日頃からベッドではなく、布団を使うようにしたり、荷物をあまり増やさないということもおすすめします。