夏の暑さや冬の寒さを感じる季節になると、なんとか改善できないものかと切実に思うことがありますよね。また、交通量の多い場所に面していると、車の往来の音も気になりますし、公園の前や学校の近くなどは、通学時間などに話し声などが聞こえてきて、テレビの音量を調節しなければならない場合もあります。
窓やサッシを変えることで、日常のそんな悩みが解決できるケースも多くあります。ここでは、断熱性能や防音、防犯など悩みに合わせた窓・サッシの種類やリフォームの際の料金相場などについて紹介していきます。
窓のリフォームについて
窓・サッシには、性能の種類、開き方、形、素材など、たくさんの種類があり、目的によっても選ぶ基準が変わります。また、どの程度の予算の範囲内で窓・サッシのリフォームを行うかも重要になります。
断熱性能なのか、防犯のためなのか、短期間で施工したいか、しっかりと全体をリフォームしたいかなど、完成のイメージや予算の計画もしてみましょう。
手軽なリフォーム
家全体の断熱性能を高めるために窓・サッシを交換したい場合は、外壁までリフォームが必要になるので、費用もかかってきますが、部分的な窓・サッシの取り換えやもう少し手軽にできる窓・サッシのリフォーム方法があります。
内窓をつける
今の窓の内側に取り付けられる施工方法になり、二重サッシにすることで、サッシとサッシの間に空気層が生まれ、外からの熱や冷気を室内に伝わりにくくします。二重サッシによって、断熱効果も高まり内側の窓の結露を防ぎます。また、防音性も高まります。
施工がとても簡単で、取り付けは1日以内で完了する場合が多く、手軽にできるリフォームになります。
壁を壊さず窓を交換する
今の窓の枠をそのまま利用して、壁を壊さずに新しい窓に交換する施工方法になり、ペアガラス(複層ガラス)など断熱性よく結露を防ぎ、気密性の良い窓まわりにすることができます。
その他、開かないFIX窓を開くタイプの窓に変えたり、高い位置にあって開閉操作をする場所に手が届かなかった窓を、上げ下げタイプの窓に変えて、低い位置で窓を開けれるように変えることもできます。
そのまま既存の枠を利用しますので、施工が簡単で、取り付けは1日以内で完了でき、手軽にできるリフォーム工事になります。
ガラスを交換する
今の窓のガラス面だけを交換する施工法になり、ガラスをペアガラスや網入りガラスなどに交換することにより、断熱性能や防犯性を高めることができます。
ガラスの交換は、比較的簡単に交換することができ、1日以内で完了します。
その他の手軽な窓・サッシリフォーム
窓・サッシそのものを交換する以外にも、シャッターや雨戸を取り付けるリフォームもあります。
- シャッター・雨戸の取り付け
- 面格子の取り付け
- 網戸の交換、新設
- 耐震補強
- オーニングなどの取り付け
上記のようなリフォームも比較的に手軽に施工が可能です。
しっかりとしたリフォーム
手軽にできる窓・サッシのリフォームではなく、しっかりと家全体の断熱性能を高めたい場合は、壁にも手を掛けて高性能な窓・サッシをリフォームする方法もあります。
断熱性能や防音性を高めた高性能なサッシにも、素材により性能のグレードが変わります。窓枠・フレームの素材が金属であれば熱を伝えやすくなり、厚さや寒さの温度の影響を受けやすくなります。一方、樹脂や木製は熱を伝えにくい、または伝えるまでの時間が遅いということにより、影響を受けにくいと言えます。
窓やサッシの種類と特徴は、以下のようになります。
木製サッシ
外気の熱を伝えにくく、トリプルガラス+Low-Eアルゴンガスの組み合わせで断熱性能は高い。塗装メンテナンスが必要。
樹脂サッシ
外気の熱を伝えにくく、トリプルガラス+ Low-Eアルゴンガスの組み合わせで断熱性能は高い。カラーバリエーション豊富。
アルミと樹脂のサッシ
窓枠の外側がアルミで室内側が樹脂のフレームとなる。室内の樹脂部分は熱を伝えにくいが、外側がアルミの金属であるため樹脂サッシよりは電熱性能が弱い。カラーバリエーションが豊富。
アルミサッシ
内・外とも金属のため、外気を室内に伝えやすくなる。安価なため、車庫などには向いている。
窓に関する悩み
窓回りでの悩みにはいったいどのようなものが多いのでしょうか。よくある窓の悩みについて紹介します。
窓からの熱や寒さを改善したい
夏は外からの熱気や強い日差しが入り込み、部屋の温度が上昇したり、日差しが当たる場所の床が紫外線で劣化してひび割れになることもあります。また、冬は窓辺にいると、はっきりと冷気を感じたり、外の冷たい風が入り込み、暖房は常に全開で運転しなければならなくなります。
窓・サッシを断熱性能の高いものにリフォームすることで、気密性も良くなり、断熱性能も高まりますので、結露も発生しにくくなります。また、外気の影響が少なくなりますので、冷暖房費の削減も期待できます。
外の騒音を軽減したい
窓に薄いガラスを使っていたり、気密のとれていない古い窓やサッシの場合は、外の音がまるで窓を開けているかのように聞こえてきます。静かな環境の場所ならまだ良いですが、車の往来が多い場所や公園、学校が近隣の場合は、日常的に音に悩まされ、ひどい時にはストレスとなることもあります。
窓・サッシを防音性の高いものに変えるだけで、遮音性は格段に高くなります。外の音が聞こえにくいということは、同時に室内の音ももれにくいということになりますので、育児中で赤ちゃんの泣き声がもれるのが気になるというストレスも軽減されます。
防犯のため割れにくいガラスにしたい
簡単に割られてしまうガラスや、枠からすぐ外れてくるような窓は、防犯上の危険が高まります。窓を網入りガラスの割れにくいものに変えたり、二重ロックのできる窓に交換することで、防犯性が高まり安心です。
窓リフォームの料金相場と失敗事例
窓・サッシのリフォームではどの程度の費用が必要になるものなのか、おおよその工事の相場を知り、資金の計画をしましょう。
- ガラスの交換のみ・・・15万以内が目安
- 内窓の取り付け・・・15万~30万円が目安
- 窓の交換・・・30万~50万円が目安
窓の箇所により、リフォームの費用が変わってきます。また、外壁にも手を掛けるような本格的な窓の交換になれば、百万単位の費用になってきますので、どの程度までの目的、予算でリフォームするかイメージしておきましょう。
窓リフォームの失敗事例
実際に窓・サッシのリフォームをした中での失敗例と注意点などについて紹介します。
断熱性能がそれほど高くなかった
今まで、薄い1枚ガラスの窓で冬の冷気が張り込み、結露もひどかったため窓をペアガラスに変えたが、結露は同じく出てしまったという事例があります。
ペアガラスは2枚なので、1枚ガラスよりは性能はUPしますが、その種類が重要になります。ペアガラスが遮熱効果のあるLow-Eガラスを使用していて、空気層の中に、熱を伝えにくいアルゴンガスを充填している窓・サッシの場合なら、性能は格段に変わります。窓・サッシを選ぶ際に性能も確認するようにしましょう。
窓からの日差しの角度を確認しなかった
今までの窓が小さく、もっと大きな窓に交換したいと思いリフォームしたところ、日光がちょうどいつも座る場所に当たってしまったり、寝室でまぶしいという事例もあります。
大きな窓は、光も十分に入り、気持ちの良いものです。しかし、窓をどのくらい大きくしたら、日差しがどのくらいまで、どのくらいの角度で入ってくるかをシミレーションしていなかったために、普段くつろぐ場所に直接日光が当たり、不快な思いをしてしまいます。窓の大きさを変える場合は、使い勝手や日差しの当たり方なども事前に確認するようにしましょう。
断熱性能を高めたり、防犯性を高めたりと、窓・サッシのリフォームは手軽に悩みを解決してくれる効果のあるリフォームです。
1箇所からでも対応できる小規模な工事から、家全体の性能を上げるような大掛かりなリフォームまで、窓・サッシのリフォームには様々な方法があります。予算や目的に合わせて最適なリフォームができるよう計画し、快適な暮らしが出来るようにしたいですね。