リフォームをDIYすることは、費用が抑えられ、オリジナリティがある仕上がりになり、住まいに愛着がわく等の多くのメリットがあることから、選択肢として選ばれる方が多くなりました。時間に余裕がある方や、作業を楽しめる方にはリフォームの手段としておすすめです。
しかし、元々リフォームという作業は専門的な知識と技術が必要なものですので、手軽にできるものではないことを念頭においておく必要があります。特にキッチンやトイレは、水や火を使うことへの配慮も必要です。
この記事では、キッチンやトイレのリフォームをDIYする際の注意点を解説しています。DIYのリフォームが完成した後の暮らしが快適で安全になることや、作業中の思わぬ事故や失敗を防ぐためにも必ず確認してください。
トイレのDIYについて
まずはトイレのリフォームをDIYで行う場合に、注意したい点から解説します。
事前準備と計画が大切
トイレのリフォームをDIYで行い、失敗しないためには事前の準備と充分な計画が必要になります。
普段設備の工事を手がけている方の場合は問題ありませんが、特にそう言った作業に慣れていない方がDIYする場合は、決して行き当たりばったりの工程にならないようにしっかりと準備と計画を行い、充分な作業時間を確保した上で作業に取り掛かりましょう。
まずは、準備と計画段階での注意点からお伝えします。
現況の計測を忘れずに
DIYでは、材料の調達も自分で行う必要があります。トイレの壁紙や床の張替えの場合は、何㎡の材料が必要になるのか、必ず実際にトイレにスケールをあてて計測しましょう。
便器の交換も、DIYで不可能ではない工事です。業者に依頼するよりも半額程度の費用で済むことがほとんどですので、チャレンジされる方も多いでしょう。
この場合も排水管の位置、給水管の位置、便器のサイズを最低限計測します。新しい便器を選ぶ場合、そもそも配管の位置が合うものを選ばなければ、便器を取り付けることができません。
また、新しい便器が現況よりも小さくなる場合、古い便器の設置位置には大抵シミや汚れ等の跡が残っていますので、床材を張替える必要性を計画できるようになります。
メーカーによっては、古い便器の図面をダウンロードできるサービスもありますので、現況の便器の品番が分かる場合は図面を入手することもおすすめです。
古い便器の廃棄先を調べておく
便器の交換が無事に済んだ場合、古い便器は当然捨てることになります。この古い便器は、自治体によっては粗大ゴミとして回収してもらえない場合があります。
その場合は、自分で回収業者を探すことや、砕いて少しずつ一般のゴミとして出す手段を取ることになります。
粗大ゴミとして回収してもらえれば面倒はありませんが、後者の場合はとても面倒で、費用もかかり、砕く場合は危険も伴います。事前に古い便器の廃棄について確認した上で、DIYに踏み切りましょう。
作業中のトイレの確保
作業中、当然の事ながらトイレは使うことができなくなります。2箇所以上トイレがあるお住まいであれば問題ありませんが、1箇所のみの場合は、近隣のスーパーやコンビニ、公園のトイレを確認し、家族にも周知しておきましょう。
不慣れな方が便器の交換を行ったとしても、大抵は8時間程度で作業を終わらせることができますが、思わぬトラブルが起きると、1日以上トイレが使えない事態になることも考えられます。これらのリスクを考慮して、しっかりとトイレ環境を確保した上で作業を行いましょう。
規約の確認
マンションなどの集合住宅の場合、リフォーム等で建物に手を加えて良い範囲が決められている場合や、使用材料に制限がある場合があります。
特に賃貸の場合は、引越しの際に復元をして明け渡さなければいけない場合がほとんどです。
トラブル防止のためにも、事前に規約を確認し、不明な場合は管理会社に問い合わせ、違反の無いようにDIYを行いましょう。
使用する材料や取り付け位置に注意
使用する材料選びや、作業中の注意点についてお伝えします。
便器の重さに注意
陶器製の便器を扱う場合、可能であればその重量を事前に確認しておきましょう。
成人男性1人でも持てないことはありませんが、2人以上いると運搬の作業はスムーズになり、腰を痛める心配もありません。
力に自信が無い方が1人でDIYする場合や、運搬に階段を使わなくてはならない場合、新しい便器は軽い樹脂製のものを選ぶと安心です。
耐水性や清掃性に考慮した材料を選ぶ
トイレの床や壁は、思わぬ水跳ね等で水に触れる機会が多い場所です。耐水性や清掃性に優れた素材を選ぶよう心がけると、長く美観を保つことができます。
床は耐水ベニヤを下地材として、CFシートやタイル張りがおすすめです。壁も水跳ねがある部分はビニールクロスやタイルを選んでおくと安心です。
手すりやペーパーフォルダ類は下地処理をしっかり行う
トイレに手すりをつける場合、柱位置に直接取り付けることや、規定の下地材を取付けた上に設置して、使用中の思わぬ事故がないように配慮しましょう。
便器から立ち上がる場合、ペーパーフォルダに体重をかけることも考えられますので、可能であればペーパーフォルダも下地材の上に取り付けると事故の防止になります。
当然のことながら、これらの注意点の他にも基本的な手順をよく理解した上でトイレのDIYの作業を行いましょう。
キッチンのDIYについて
キッチンのリフォームをDIYで行う場合に注意したい点を解説します。
事前準備と計画が大切
キッチンのリフォームをDIYで行い、失敗しないためには、トイレのDIYと同様に事前の準備と充分な計画が必要になります。まずは、準備と計画段階での注意点からお伝えします。
現況状況把握を忘れずに
キッチンのリフォームをどこまで行うかにもよりますが、キッチン本体の交換や、収納の改善をする場合には、キッチンに現在ある食器や、調理器具、家電のサイズを把握しておきましょう。
リフォーム後に必要なものが収まらないと、リフォーム前よりも使いにくいキッチンになってしまう恐れがあります。
プランニングの注意点
キッチンの本体を交換することや、配置を変更する大掛かりなリフォームを行う場合、しっかりとプランニングを行った上でDIYを行う必要があります。
プランニングを失敗しない方法はとてもシンプルです。まずは現在のキッチンの不満な点、改善したい点を書き出し、それを解決するためのプランを行うことです。
キッチン本体は通常15~20年が寿命とされていますので、その間の家族構成の変化や、生活環境もイメージすることも大切です。
現況の計測を忘れずに
DIYでは、材料の調達も自分で行う必要があります。何㎡の材料が必要になるのか、必ずキッチン周辺にスケールをあてて計測しましょう。
内装材を張り替える場合、どの範囲まで張り替えるのか、見切り材の計画なども忘れずに行いましょう。
また、キッチンの高さを確認しておくことも大切です。料理のしやすさに影響しますので、現在のキッチンの高さが使いやすいのか、使いにくいのかを把握した上で新しいキッチンを選ぶようにしましょう。
キッチンとは長い付き合いになりますので、ショールームに足を運び、使用感を確認することも大切です。
DIYしたくても、キッチンの撤去や設備工事は専門業者に依頼を
キッチンの本体を取り替える場合は、既存のキッチンの撤去や水道、電気、ガス配管の取り出しは専門業者に依頼しましょう。
特に設備機器に触れる作業は専門的な技術資格が必要で、大変危険が伴う作業です。無理して自分で行わないようにしましょう。
規約の確認
マンションなどの集合住宅の場合、リフォーム等で建物に手を加えて良い範囲が決められている場合や、使用材料に制限がある場合があります。
特に賃貸の場合は、引越しの際に復元をして明け渡さなければいけない場合がほとんどです。
トラブル防止のためにも、事前に規約を確認し、不明な場合は管理会社に問い合わせ、違反の無いようにDIYを行いましょう。
使用する材料に注意
キッチンでは、水や火を扱うことになります。ですから、使用する材料は耐火性、耐水性に配慮したものを使いましょう。
コンロ周りは木材や紙製の材料を使うと、引火の恐れがありますので、特に注意が必要です。
壁材にはキッチンパネルや、タイル、ステンレス板等の安全な材料を使い、しっかりと固定しましょう。
床材についても、油や水、食材などがよく付着する部分ですので、清掃性の良いものを選ぶことでより長く美観を保つことができます。
材料の取り付け方法に注意
使用材料に注意して選んだ上で、材料の取り付け方にも注意が必要です。
特に現況回復がしやすく、手軽なDIYの方法としてマスキングテープを接着に使う場合がありますが、キッチンでマスキングテープを使うことはおすすめできません。
それには以下の理由が挙げられます。
- 水分が付着することや、熱が加わることで、粘着部分が変質し、剥がすことが困難になる恐れがある
- 粘着力が弱いため、料理中に取り付けた部材が落下する恐れがあり危険
- しっかりと接着できないため、隙間に食べ物のカスや汚れが入り込み不衛生になる
マスキングテープを使う場合は、落下しても作業に支障が出ない場所や、不衛生にならない場所を選ぶようにしましょう。
また、シンク周りなどにタイルを貼るDIYも流行していますが、下地処理を丁寧に行い、水や汚れの進入経路を経った上で施工をしなければ、カビや下地材が腐る原因になります。
水は、想像よりも簡単に浸入します。水の浸入を絶つ作業はプロでも難しいことなので、DIYの場合は特に注意して丁寧に行いましょう。
キッチンを自分で組み立てる場合の注意点
キッチン本体の取替えをDIYで行う場合、安全のためにも作業の範囲は必ず電気や水道やガスのような法的に有資格者のみが触れることを許されている設備以外の部分に留めてください。
その上で、キッチンを自分で組み立てる場合、以下のことに特に注意しましょう。
- 開封前に商品の品番を送り状の内容と照合し、間違いが無いか確認する
- 開封後、商品やパーツの数量を確認する
- 開封後すぐにキズや汚れ、へこみがないかを確認する
- 図面通りに給排水管、電気配線、ガス配管が出ているか確認する(接続は専門業者に依頼)
- 必要な下地材、補強材の取り付けを怠らない
- 水平、垂直のレベルを正確に出す
この他にも、必ずキッチンのDIYの手順を正しく理解した上で作業を行いましょう。
まとめ
キッチンやトイレのリフォームをDIYする場合の注意点についてお伝えしました。
DIYはリフォーム費用の節約になりますし、楽しく作業できればとてもおすすめの手段ですが、水道や電気、ガス配管に関する作業は、必ず有資格者に依頼して安全にDIYができるようにしましょう。
自分でできる範囲を正しく把握して、無理なくDIYすることが、リフォーム成功の鍵です。