キッチンは、毎日の食事を作る場所です。使いやすいキッチンは、食事作りが楽しくなります。最近は、女性だけでなく男性も子供もお料理するようになりました。家族みんなが使いやすいキッチンにリフォームしてみませんか?
キッチンリフォームについて
キッチンの悩みは人それぞれです。使いにくいキッチンは、毎日毎食ストレスを感じて使用しなければならないため、精神的にも負担が大きくなります。
- お掃除してもきれいにならない
- 換気扇のおそうじが面倒
- 後片付けが大変
- 食器洗い機がほしい
- キッチンが狭い
- ガスが怖くなってきた
- 家電製品を置く場所がない
このような悩みは、リフォームをすることで解決できるかもしれませんよ。
価格相場
キッチンには、いろいろなリフォーム方法があります。主なリフォームの費用を見てみましょう。
リフォーム箇所 | 相場価格 |
---|---|
システムキッチンを交換する | 標準工事費込=「約20万円」(Ⅰ型2m55cmサイズ) 食洗機なし 40万~、食洗機あり 50万円~ |
キッチン全体のレイアウト変更&キッチンの交換 | 100万円~ |
掃除がしやすい換気扇に交換 | 15万円~ |
ガス機器からIH機器に交換 | 20万円~(ガス止め・電気工事含む) |
食器棚を造り付けにする | 20万円~(セパレート型1m65cmサイズ) |
壁と天井のクロスを貼り替える | 5万円~ |
キッチンのリフォームは、キッチンを交換する以外に大工工事・水道工事・電気工事・タイル工事・内装工事など多岐にわたる場合があります。キッチンだけを交換する場合はあまり費用がかかりませんが、それは確認してみないとわかりません。
キッチンリフォームの見積もりは、できれば数社とり内容を見比べてみると良いでしょう。複数社から一括で見積もりが取れるサービスを利用するのもおすすめです。
工事期間の目安
キッチンをリフォーム工事は、工事の規模と内容により期間が違います。工事期間中は、キッチンが使えなくなります。キッチンが使えなくなる期間が長くなる場合は、その間の食事のことを考えておきましょう。
リフォーム箇所 | 期間 |
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システムキッチンを取り替える | 約3日(配管変更なし) |
キッチン全体のレイアウトを変更する | 約7日(広さ5帖) |
換気扇の交換 | 1日 |
調理機器をガス機器からIH機器に交換 | 半日~1日 |
床素材のリフォーム | 3~5日(使用する材料による) |
食器棚を造り付けにする | 1~2日 |
壁と天井の内装を変更する場合 | 4~5日 |
レイアウト変更&キッチン全体のリフォーム | 7~10日 |
キッチンリフォームの工事期間は、工事する内容、範囲、キッチン全体のレイアウト変更、給排水や電気の変更・追加などにより変わります。工事に入る前に工事会社と相談しましょう。
システムキッチンを選ぶ際の基準
システムキッチンは、設備の種類が多く、収納方法や掃除のしやすさなど選ぶ際に検討したいことがたくさんあります。リフォームする時にまず考えたいのは、今困っていることを解決すること。それを基準にシステムキッチンを選ぶことが大切です。
ここからは、システムキッチンの設備・収納・掃除のしやすさ・デザイン性で見るべきポイントについて解説します。メーカーのショールームでひとつひとつ説明を受けながら確認しましょう。
システムキッチンの設備
システムキッチンで、最近特に人気がある設備は「食器洗い機」です。
共働き家庭が増えたこと、食器洗い機の性能があがりご飯粒もきれいに洗えるようになったこと、省エネになったこと、価格もリーズナブルになったことで取り入れる方が増えています。家事の負担が軽くなり、節約できた時間でキッチンのお掃除や他の家事ができるようになります。
「IH調理機器」も人気があります。お掃除が簡単、ガスを使うより安全なことが理由です。また、機能も各メーカーいろいろあり、グリルの多機能化や湯沸し・タイマーなど多彩です。
「浄水器付水栓」は、カートリッジの交換が簡単なタイプが人気です。キッチン水栓は、「省エネ水栓」になっています。水栓の構造で水圧をあげることにより、水の量が少なくてもしっかり食器洗いができるようになっています。
システムキッチンの収納
キッチンの収納は、システムキッチンのキャビネットとウォールキャビネット・食器棚で考えます。
システムキッチンのキャビネットには、「開き扉タイプ」と「引出タイプ」があります。引出タイプは奥のものも楽に取り出せて、常時使える場所になるため人気があります。開き扉タイプは奥の物が取出しにくいため不便ですが、引出しタイプと比べるとリーズナブルです。
ウォールキャビネットは収納力がありますが、高いところでは物が取出しにくく圧迫感があるため、最近ではウォールキャビネットを付けない方も増えています。キッチン用品の量とキッチン全体の収納量を検討して選びましょう。
キッチンのリフォームをする時に、食器棚を造り付けに変更する方が増えてきています。収納力を確保するため、地震の時に倒れず安全という理由からです。家電製品の置場を考えながら、食器棚や冷蔵庫のレイアウトを相談しましょう。
キッチンの内部にパントリーといわれる食品庫を設置する方が増えています。保存食品・ビールやお米・ホットプレートや卓上コンロなどの収納に役立ちます。
システムキッチンのお掃除
最近のシステムキッチンで重視されているのが「きれいを保つ」「お掃除が簡単」という機能です。
「換気扇」は、汚れにくくお掃除の回数が少なくて済むようになっています。また、部品の取り外しが簡単になっていて、気軽にお掃除できるようにもなっています。
「シンク」は、排水口にむかって水の流れるような構造になり、水滴が残りにくくなっています。そのため、水垢がつきにくくなりました。「排水口」は、深さが浅く掃除しやすくなっています。
「IH調理機器」は、表面がフラットで素材がガラスでできているため、調理後に雑巾で拭くだけで掃除が終わります。「ガス調理機器」は、部品の凹凸が減り、表面に汚れがつきにくいコーティングがされ、お掃除が簡単になるように配慮されています。
魚焼きに使う「グリル」は、水なし機能で汚れのこびりつきをなくし、部品は簡単に取り外しができ洗いやすくできています。
内装は、掃除しやすい素材を選びましょう。床は、キッチン専用フロアーやクッションフロアなどが良いでしょう。壁と天井は汚れにくいビニールクロスを選びましょう。水や油汚れを拭くだけで取れるものは、きれいなキッチンを保ちやすくしてくれます。
システムキッチンの周りは、タイル貼かキッチンパネルが多く使われています。調理機器の周りは、「耐火材料」を使用しなくてはなりません。(建築基準法)タイル貼はデザインが豊富ですが、お掃除が大変というデメリットがあります。
タイル貼を選ぶ場合、キッチン用のお掃除のしやすいタイルもありますので検討してみましょう。キッチンパネルは、お掃除のしやすくシンプルなデザインが人気です。
システムキッチンのデザイン性
最近のキッチンでは、オープンスタイルのシステムキッチンが増えてきています。夫も子供もキッチンを一緒に使う、親戚や友人たちとLDKでよく集まって食事をするなどのライフスタイルが増えているからです。そのため、デザイン性の高いキッチンが人気です。
ワークトップは、人造大理石や高級感のあるステンレスが人気です。シンクも人造大理石一体型のカラフルな物があり、オープンキッチンスタイルで人気です。
扉の色は、各メーカー豊富なバリエーションをそろえています。床の色や食器棚にあわせて選ぶと統一した印象になります。システムキッチンの扉の色でキッチン全体の印象が変わります。お料理のテンションがあがる楽しいキッチンになる扉の色を選んでみるのも良いでしょう。
キッチンの上の流し元の灯りを工夫して、おしゃれなキッチンはいかがですか。ショールームでもいろいろ工夫がされています。ペンダントタイプやスポットタイプなどあり、特にオープンスタイルのキッチンでは、インテリアのポイントになります。
使いやすいキッチンにするには
使いやすいキッチンは、調理作業の流れがスムーズで体の負担がない(腰が痛い・目が疲れる・足がだるいなど)キッチンです。そのために注意したいポイントが3つあります。
ワークトップの高さ・ウォールキャビネットの高さ・キッチン全体のレイアウトです。
ワークトップの高さ
システムキッチンのワークトップの高さは、作業のしやすさに直結します。高すぎるとかかとをあげながら作業することになります。低すぎると、腰が痛くなります。ワークトップの高さは、身長の高さから考えます。
一般的な計算方法は、(身長)/2+2.5cmが基準高さと言われています。
キッチンの使いやすい高さは、人によって違います。今までと同じ高さが良い人もいます。これを目安にキッチンのショールームや今のキッチンの前に立って、何センチが良いか確認しましょう。ショールームで確かめる時は、スリッパに履き替えて高さを確かめましょう。
メーカーのシステムキッチンの高さは「80cm・85cm・90cm」が一般的です。家族みんながキッチンを使う場合は、主にキッチンを使う人の身長に合わせて選びましょう。
ウォールキャビネットの高さ
ウォールキャビネットの高さは、「50cm・70cm・90cm」があります。どの高さのウォールキャビネットをつけるか、床からどのぐらいの高さにつけるか悩むところです。キッチン全体の天井の高さや使う人の身長・キッチンのスタイルによって、高さは変わります。
ウォールキャビネットの高さは、50cmか70cmが一般的です。キッチン全体の天井高さが2m40cmの場合、50cmウォールキャビネットでは、ほとんどの人が脚立を使わないと物が取れない高さになります。70cmの場合は、一番下が脚立なしで手が届く高さになります。
また、それぞれのウォールキャビネットは、キッチンからの解放感が違います。70cmのウォールキャビネットより50cmのウォールキャビネットの方が開放感があり、キッチン全体が明るくなります。最近の傾向は、開放感のあるキッチンが人気で、ウォールキャビネットを付けない方が増えています。
キッチンのサイズの測り方
キッチンのサイズは、今のキッチンのサイズを測ることからはじめましょう。先ず、全体の幅を測ります。そして、シンクの大きさ・調理スペースの広さを確認しましょう。今のキッチンで広いのか狭いのか、使いやすくするにはあとどのぐらい広さがほしいか考えておきましょう。
次に、シンクと冷蔵庫・シンクと調理機器・調理機器と冷蔵庫の距離を測りましょう。これは「動線」といい、キッチンの場合、この3つを結んだ三角形をワークトライアングルと呼びます。作業効率や動きやすさの目安としています。
それぞれ以下の距離(動線)が理想とされています。測って確認しておきましょう。
- シンクと冷蔵庫は120~210cm以内
- シンクと調理機器は120~180cm以内
- 調理機器と冷蔵庫は120~270cm以内
キッチンの型とレイアウトを考える
システムキッチンの型は、キッチンの広さと形から選びます。システムキッチンは、レイアウトの型と設置スタイルで使い勝手が変わります。キッチンのリフォームでは、レイアウトを変更することも可能です。家族みんなの理想のキッチンを考えましょう。
レイアウトの型
Ⅰ型は、もっともポピュラーでキッチン全体を効率よく使えるタイプです。L型は、作業スペースが広くとれ、動線のワークトライアングルが効率よくなり作業しやすいタイプです。U型は、一番少ない形です。調理コックピットといわれ調理作業があまり動かずできるタイプです。
設置スタイル
設置スタイルは、キッチンだけでなくダイニングやリビングとの関係性を考えて選びましょう。壁付け型は、ダイニングから調理するところが見えないスタイルで料理に集中できます。
対面キッチンは、キッチンで作業しながらダイニングやリビングの様子が見えるスタイルです。子供の様子を見守れたり、家族の様子がわかり孤独感がありません。
アイランド型は、キッチンとダイニング・リビングが一体となったスタイルです。家族みんなで料理する、ホームパーティをする方に向いています。
多く使われているシステムキッチンは、Ⅰ型のレイアウトでサイズ2m55cmのものです。システムキッチンの8割がこのタイプで、設置方法は、壁付け型又は対面キッチン型です。そのため、他の型やサイズと比較すると、リーズナブルで種類も多くあります。
キッチンの設置方法は、どんな風に調理や片付けをしたいか、家族もキッチンで作業するのか、ダイニングやリビングとはオープンなスタイルにするのかなど考えて決めましょう。キッチンのショールームで体感してみると良いでしょう。
メーカー別システムキッチンの特徴
システムキッチンの主なメーカーは以下の6社です。それぞれ独自の機能を持っています。
- TOTO
- クリナップ
- リクシル
- トクラス
- タカラスタンダード
- パナソニック
TOTO
TOTOは水のことを得意とするメーカーで、システムキッチンはシンクと水栓に独自の技術があります。また、平均的にどの設備にもバランスのとれた機能を持っています。
「水ほうき水栓」は、放射線状に広がる水が汚れを落としやすく、節水をしてくれます。「すべり台シンク」は排水口までの水の流れをスムーズにしてシンクの汚れを防いでいます。「換気扇」は部品の取り外しを楽にし、遠心力により油を落とすシステムを採用したタイプが人気です。
ワークトップは、「クリスタルカウンター」と「銀河エンボス仕上げステンレスカウンター」に特徴があり、デザイン性が高くて人気です。TOTOは、デザイン性と基本機能が充実したメーカーです。
※参考:TOTOのキッチン
クリナップ
クリナップは、ステンレス素材の使ったシステムキッチンが得意なメーカーです。「18-8ステンレス」という表面に自ら膜を作り、傷がついても再生する特性がある素材を使った「S・Sシリーズ」。キャビネットにもステンレスを採用した「クリンレディ」が中心商品です。リフォームで人気があるシリーズに木製素材の「ラクエラ」があります。
※参考:クリナップのキッチン
リクシル
キッチンメーカーのサンウェーブ工業がリクシルに統合され、システムキッチンがさらに魅力的になりました。リクシルのシステムキッチンは、特に収納と汚れにくい・掃除のしやすい機能が充実しています。
収納は収納がしやすい「らくパッ収納」、小物が収納できる「パタパタくん」が特徴的です。排水口のごみが集約される「くるりん排水口」やファンのお掃除がいらない「よごれんフード」、「きれいシンク」は、キッチンのお掃除を楽にしてくれます。多彩な機能が充実しているメーカーです。
※参考:リクシルのキッチン
トクラス
トクラスは、カウンターの人造大理石を自社で開発したキッチンが特徴です。シンクとカウンターに継ぎ目のないスタイルを確立し、きれいな7色の人口大理石がリーズナブルな価格で手に入ります。また、31色の扉カラーで自分だけのシステムキッチンが作れます。
トクラスの前身は、家具や生活スタイルを提案する「ヤマハリビングテック」です。システムキッチンのデザイン性やLDKの生活スタイルを提案するバリエーションが豊富です。
※参考:トクラスのキッチン
タカラスタンダード
タカラスタンダードのシステムキッチンの魅力は、素材の高品位ホーローにあります。扉やキャビネットの本体にも使用されています。耐久性が高く、汚れがおちやすく掃除のしやすい素材です。また、熱や湿気に強いため、料理の時に気づかいの必要がないためストレスフリーです。
キッチンパネルもホーロー製で磁石をつけて小物を整理できるシステムが人気です。ホーロー素材のシステムキッチンのトップメーカーです。
※参考:タカラスタンダードのキッチン
パナソニック
パナソニックは、家電で培った技術をシステムキッチンに取り入れた使いやすいキッチンが魅力です。「トリプルワイド」はパナソニック独自の調理機器で、横並びの3口コンロは調理のしやすさで人気です。
「ムシスルーキャビネット」は虫が苦手に人に人気です。他のメーカーにはない機能です。家電製品でおなじみの「ECONAVI」もシステムキッチンに取り入れられています。
※参考:パナソニックのキッチン
リフォーム業者に提案してもらおう
システムキッチンは、30年ほど前と比較するとデザイン・種類・機能が豊富になりました。また、価格のバリエーションも予算に合わせて選べます。システムキッチンを選ぶ時は、機能・デザイン・価格を比較して検討することが大事です。
自身の理想としているキッチンを思い描き、何が必要なのか、どんなキッチンにしたいのかを考えて、リフォーム業者に相談してみるのもいいかもしれません。予想もつかなかった理想的なキッチンの提案をしてくれるかもしれません。
キッチンのリフォームを検討しているなら、まずは一括資料請求サービスなどを利用して、リフォーム業者がどんな提案をしてくれるのかチェックしておくのもいいかもしれませんね。
このようなサービスも有効活用して、この記事で書いたポイントを参考に満足のいくキッチンを手に入れましょう!