玄関は、家の第一印象を決める場所です。住んで何年か経つと、雑然としたり壁が汚れたりします。リフォームで、片付けや掃除がしやすい、きれいで素敵な玄関にしませんか?
玄関のリフォームについて
玄関は水廻りや部屋の中と比べると、気軽にリフォーム工事ができる場所です。玄関は通り道で物が少ないため、工事中のストレスが少ないことがその理由です。
リフォームすることで、玄関を明るくする、使いやすくする、安全にする、楽しくすることができます。どんな玄関にしたいか、家族みんなで相談して計画をたてましょう。
玄関リフォーム:成功のポイント
玄関は、広さが狭いためリフォームでは工夫が必要です。また、玄関は家の印象を決める場所なので、デザインに凝ったり、高級感も演出したいものです。玄関リフォームのポイントを内容別にまとめました。
玄関を明るくする
明るい玄関は、気持ちを明るくしてくれます。玄関があまり明るくない家は、玄関に窓がない、床や壁・天井の色が暗い、玄関が狭いなどの理由があります。暗い玄関は、色々な方法で明るくできるか検討しましょう。
- 窓を新たに作る。
- 玄関ドアを光の入るタイプに交換する。
- 壁や天井の色を明るくする。
- 玄関に面する居室のドアを光の入る物に交換する。
- 収納方法を見直して、玄関を広くする。
- 鏡を付けて、明るく広く感じるようにする。
窓を作ることで建物の構造に影響はないのか検討しなければなりません。専門家に相談しましょう。
玄関の収納力をアップする
家族が増えたり、子供が大人になることで、玄関の収納スペースが足りなくなります。収納を見直して、使いやすくすっきり片付いた玄関にしましょう。玄関の収納スペースを増やす場合は、収納する物別にリフォーム方法を検討しましょう。
- 靴の収納を増やしたい場合は、下駄箱を大きいサイズに変更する。
- 玄関にクロークを作りたい場合は、洋服用物入れを新たに設置する。
- ベビーカー・ゴルフバックやレインコートを置く場所を作りたい場合は、土間床にシューズクローク(=下足室)を作れないか検討する。
- 狭い玄関でも収納を増やしたい場合は、下駄箱の形をコの字タイプやトールタイプなどサイズの大きいタイプに変更する。
- 壁内を使ったニッチ収納を作れないか検討する。
- スリッパ置場を新たに作りたい場合は、下駄箱にスペースを作れないか、壁にかけて収納する方法なども検討する。
防犯に強い玄関にする
共働きだったり、近隣で空き巣の被害があったりすると防犯対策が気になります。玄関のリフォームをする時に、防犯のことも一緒に検討しましょう。まず、玄関ドアの防犯強化を検討しましょう。
- 玄関ドアの鍵をピッキング対策されている鍵に交換する。
- 玄関ドアを交換する時にピッキング対策されているタイプ・上下二ヶ所に鍵があるタイプに交換する。
- 玄関ドアから通風したい場合は、鍵をかけたまま通風できるドアに交換する。
玄関ドア以外にも防犯対策に役立つリフォームがあります。
- 家族全員フルネームの表札を出している場合は、高齢者や女性や子供の名前がわからないように姓だけのタイプに交換しましょう。
- ポストを玄関の壁埋め込みタイプにする。郵便物の盗難や雨濡れに対応できます。
- インターホンやチャイムを来訪者がわかるカメラドアホンに交換する。録画機能付きにすると留守宅に訪ねてきた人がわかりさらに安心です。
将来に備えた玄関にする
高齢になると、玄関の昇り降りが大変になります。また、杖や車椅子を使うことがあるもしれません。将来も考えてリフォームしましょう。
- 玄関を昇り降りするときに使う手摺を設置する。
- 靴を脱ぎ履きするときに座るベンチを設置する。
杖・乳母車や車椅子を利用する時に便利なリフォームもあります。
- 玄関土間と床の段差解消をするためには、玄関内にスロープを作る。
- 屋外用の車椅子から室内用の車椅子に移動するために、昇降式ベンチを設ける。
- 杖置場や乳母車置場を作る。
デザイン性や高級感にこだわった玄関にする
玄関は絵や好きな物を飾ったり、内装材にこだわると、デザイン性や高級感が高くなります。また、その家らしさを演出することができます。簡単にできる工事もあります。ぜひ、検討してみましょう。
- 内装材を選ぶ時にデザイン性や質感を重視して選ぶ。
- ガラスブロックや大理石・レンガなど質感や高級感のある素材を組み合わせた内装にする。
- 飾りたいものがある場合は、専用の飾り棚を作る。
- 絵を飾る場所にピクチャーレールを設置する。
- 水槽やクリスマスツリーなどを飾る場所には、電源コンセントを作る。
- 靴を履いて全身をチェックする鏡を設置する。
玄関リフォームでの選び方
玄関のリフォームで必要となるクロス、タイル、ドアの選び方について解説していきます。まずは、クロスの選び方です。
クロスの選び方
玄関は通り道となるため、壁に汚れや傷がつきやすい場所です。耐久性があるクロス(厚めのもの)で傷がついても目立たない柄を選ぶのが基本です。
明るい玄関にしたい場合は、ホワイト系のクロス選びましょう。特に天井を壁よりも濃い色にすると天井が低く感じられ、より狭く、暗い印象になります。天井のクロスは壁より明るい色を選びましょう。
壁が靴の泥ハネや手垢で汚れやすい場合は、汚れ防止クロスや掃除がしやすい柄のクロスを選びましょう。玄関に窓がなくペットや靴の匂いが気になる場合は、消臭機能があるクロスを選びましょう。玄関入口正面や絵を飾る場所などは印象的な場所になります。(フォーカルポイント)クロスの色や柄を変えて演出をしましょう。
タイルの選び方
玄関の床材は、タイルや大理石・クッションフロアなどの素材があります。滑りにくく掃除しやすい物を選びましょう。
タイルは、タイルのサイズや貼り方を工夫するとおしゃれになります。タイルのサイズは150㎜・300㎜が主流です。300㎜の方が豪華に見えます。貼り方は、斜めに貼る(四半貼)、市松模様に貼る、ラインを入れる、ポイント柄を入れるなどデザインを楽しむことができます。
タイルは一列ずつ貼っていきますので、段差がある所だけ色を変えて貼り、段差があることをわかりやすくすることもできます。(転倒防止対策)
大理石の床材はとても高級感があります。しかし、本磨き仕上げ(鏡面仕上げ)の場合、滑りますので、濡れるところには使用しないようにしましょう。濡れる場所に大理石を使用したい場合は、バーナー仕上げがおすすめです。
しかし、大理石特有の光沢がなくなりますので、サンプルで仕上げ状態を確認してから使いましょう。
クッションフロアは、リーズナブルでデザインが豊富で掃除がしやすい素材です。タイルや大理石と比較すると高級感はありません。サンプルで素材を確認してから使いましょう。
タイルは壁に貼ることもできます。タイルには、除湿・消臭機能がある商品(INAX:エコカラット)があります。サイズもデザインも豊富です。玄関が湿気る・臭いが気になる場合は、壁にデザインポイントとして使用してみてはいかがでしょうか。
玄関ドアの選び方
玄関ドアは外観のデザインとマッチするデザインのものを選びましょう。ただし、使用できる玄関ドアのサイズは、専門家に確認しましょう。構造や施工方法によりサイズが変わります。また、サイズが変更できる玄関ドアもあります。専門家に使いたい玄関ドアを見てもらいながら相談しましょう。
玄関ドアから通風が必要かどうかも検討しましょう。必要な場合は、鍵をかけたまま通風できるタイプを選びましょう。玄関を明るくしたい場合は、玄関ドアのガラス面積が広いものを選びましょう。
マンションの玄関ドアには防火戸指定と共用部指定がある場合があります。設計者や工事会社・管理組合に玄関ドアの取替えが可能かどうか事前に確認しましょう。
リフォームの費用相場
玄関リフォームの費用は、玄関の広さや現在の状況により変わります。費用相場を参考にリフォーム場所を確認してもらいながら、見積もりを取りましょう。
壁と天井のクロスを貼り替える場合
壁と天井のクロスを貼り替える場合、玄関だけでなく、玄関とつながっているホールや廊下も全て貼りかえることになります。広さにより金額は変わります。既存クロスを剥がす費用・処分・下地処理含み、3坪ぐらいの広さで¥100,000~です。
床材の貼り替える場合
床材の貼り替える場合は、既存の床を剥がす費用、処分費用、下地処理費用などがかります。タイルも大理石も種類が豊富で価格も様々です。選んだ商品により価格が変わります。
- 床タイルを新たなタイルに貼り替える場合(広さ1坪)、\100,000~
- 床タイルを大理石に貼り替える場合(広さ1坪)、\180,000~
下駄箱のサイズを大きいものに取り買える場合
下駄箱のサイズを大きいものに取り買える場合、大きさや種類により価格が変わります。
- コの字タイプに取り替える場合、既製品の下駄箱で\80,000~
- 大型のトールタイプに取り替える場合、既製品の下駄箱で\100,000~
クローク用の物入れを新設する場合
クローク用の物入れ(幅900奥行600)を新設する場合、大工施工費・扉や棚・パイプ・内装下地の材料費・室内の内装の補修などで\120,000~
設置する場所の状況によりさらに費用がかかる場合もあります。
シューズクローク2帖を新たに作る場合
シューズクローク2帖を新たに作る場合、広い範囲を工事することになります。また、他の部屋への影響もあります。新設部分は、床タイル・大工施工費・扉や棚・内装下地材料費・室内の内装の補修などで\250,000~かかります。
手摺やベンチを付ける場合
- 手摺を付ける場合は、60㎝の物で\15,000~
- ベンチを付ける場合は、幅900奥行450で\35,000~
玄関建具を交換する場合
- 玄関建具を交換する場合は、撤去・本体価格・取付費用で\200,000~\350,000(玄関建具の種類によります)
- 鍵をピッキング対策した鍵に交換する場合、\30,000~(1ヶ所/ディンプルキー)
埋込みポストを取付ける場合
- 埋込みポストを取付ける場合、ポストの種類にもよりますが\30,000~
- 表札を交換する場合、\10,000~
- インターホンをカメラドアホンに交換する場合、¥15,000~¥25,000(配線工事別)
玄関を明るく・快適にリフォームすると、家全体の印象が良くなります。また、外出する時のストレスや段差で転ぶなどの怪我も少なくなり、出掛けやすくなります。玄関のリフォームを計画する時には、現在の不便・不満な点を解消するだけでなく、防犯や将来のことを考えると満足度の高いリフォームになります。