バルコニーとベランダは、リフォームすると使い勝手がよくなり、有効に使えるスペースになります。また、ベランダやバルコニー・屋根は、防水性能が大事で定期的な点検・メンテナンスが必要な場所です。
今回は、ベランダとバルコニーをリフォームする際のポイントと費用相場、定期的に行うメンテナンス方法についてまとめました。
ベランダやバルコニーのリフォームについて
ベランダやバルコニーのリフォームは、洗濯物や布団を干したり家事を快適にするリフォームと、セカンドリビング・アウトドアリビングとして快適に使えるようにするリフォームが人気です。
定期的な防水メンテナンスは、防水の種類により耐用年数や費用が違います。それぞれのリフォームとメンテナンスのポイントを見てみましょう。
家事を快適にするリフォームのポイント
ベランダやバルコニーを干し場として利用する場合は、干している物が良く乾き、少々の雨なら濡れない工夫と安全に効率よく干せるようにリフォームします。
最も多いリフォームは、屋根をつけることです。屋根をつける時は、隣接している部屋が暗くならないような素材、強風に耐えられる素材を選びましょう。また、布団を干す時に布団が破れることがないフェンスの素材にしましょう。
物干し金物をつける場合は、高さと位置に注意です。高すぎて干しづらいことはないか、洗濯物が十分干せる空間はあるのか確認してください。
物干し金物の位置が低かったり、外壁やフェンスに近かったりすると、せっかく洗った洗濯物が汚れてしまう場合があります。シーツを干す場合は、特に注意が必要です。ある程度の高さと外壁からの距離が必要だからです。
安全にベランダ・バルコニーに出られるように、部屋との床段差を少なくするリフォームも人気があります。ベランダ・バルコニー側に専用の脱着式タイルやスノコを敷いて、段差を解消します。
第二のリビングにリフォームするポイント
セカンドリビング・アウトドアリビングとして使う場合には、周囲からの視線が気にならないようにしたり、より快適にすごせるように日射しを遮るリフォームします。
周囲からの視線を遮るためには、ある程度高さのあるフェンスをつけます。高さは140~180cmです。高さは、方位や隣地の状況を考えて決めましょう。フェンスは風通しが良いものを選び、通風は確保しましょう。材質は、木製や木調の物を選ぶとリビングとして癒される空間を作ることができます。
ベランダ・バルコニーは、日射しが強いと使いにくい場所になります。日射しが強いと、まぶしかったり床が熱くなるからです。日射しを遮るオーニング(可動式の布製の屋根)や屋根をつけたり、裸足で出られるように床を木製にすると快適になります。
床のリフォームの注意点
バルコニー・ベランダの床をリフォームする場合の注意点は3つあります。一つ目は、雨に濡れても滑りにくい床材にすること。二つ目は、床の掃除・点検・メンテナンスをしやすくするため、着脱がしやすい施工にすること。三つ目は、バルコニー・ベランダの手摺の高さに注意すること。
床のリフォームで床が高くなる場合、手摺の高さは低くなります。建築基準法では、手摺の高さは110cm以上と決まっているため、高さ110cm以下となる場合は、専門家に相談しましょう。
防水メンテナンスのポイント
防水の耐用年数は短いもので10年、長いもので15年ぐらいです。しかし、台風や強風の後は必ず問題がないか、必ず自分の目で確認してください。
雨漏りが起こると、室内や建物の構造にも大きな被害が及びます。必ず点検をしてください。また、手摺に錆がないかも確認しておきましょう。手摺の錆は徐々に進行していきます。早いうちにメンテナンスするのが安全で費用もかかりません。
リフォームの費用相場
ここではベランダやバルコニーをリフォームする場合の費用相場を紹介します。あくまで相場の価格となりますので、詳細は業者に問い合わせてみましょう。
アクリルの屋根をつける (幅270cm・奥行120cm) |
約15万円~ |
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物干し金物をつける | 約3万~ |
床に木製スノコを敷く(面積2坪) | 約10万~ |
床にタイルを敷く(面積2坪) | 約8万~ |
目隠しフェンス(木製) | 約1万~/m |
目隠しフェンス(木調) | 約2万~/m |
オーニング(幅270cm・奥行120cm) | 約5万~ |
防水工事の再施工(面積2坪)FRP防水 | 約10万~ |
防水工事の再施工(面積2坪)ウレタン防水 | 約8万~ |
手摺塗装(面積2坪) | 約8万~ |
ベランダとバルコニーの違いは?
「ベランダ」と「バルコニー」は家の2階についている外に張り出している部分です。屋根のあるタイプ・ないタイプ・広いタイプなど形状はいろいろです。
「バルコニー」は、屋根がないタイプ、面積の広いタイプに使われます。バルコニーの中で下階に部屋があるものを「ルーフバルコニー」と呼びます。「ベランダ」は軒や庇などの屋根があるタイプです。
マンションのバルコニーのリフォームは要注意
マンションのバルコニーのリフォームは戸建て住宅と違い注意が必要です。マンションのバルコニーは共用部です。管理契約に規定があり、簡単にリフォームすることはできません。
特に注意が必要なのが、床の避難口と隣家バルコニーとの間にある仕切り板です。避難口と仕切り板は災害時の避難経路です。常に避難できる状態にしておかなければなりません。
床の避難口をタイルで覆ったり、エアコンの室外機を置いたり、仕切り板に飾りのフェンスをつけたりすることはできません。リフォームの内容に不安がある場合は、管理規約を見直し、専門家に相談しましょう。
屋根のリフォームについて
屋根のリフォームは、屋根を軽くするリフォームと雨漏りを事前に防ぐリフォームがあります。リフォームのポイントと費用相場を見てみましょう。
リフォームのポイント
屋根のリフォーム方法は、屋根の素材により違います。瓦屋根とスレート屋根、それぞれのポイントについて解説します。
瓦屋根の場合
瓦屋根の点検は、瓦に割れやずれがないか、棟番線にきれはないか、谷部に穴はあいていないか、棟瓦(最上部)下部や鬼瓦周囲の漆喰のはがれがないか確認をします。
また、屋根の点検は屋根にのぼり目視で確認します。そのため、樋も一緒に点検します。はずれ、割れ、つまりはないか点検します。
瓦の割れやずれは、定期的な点検以外に、台風や地震などの災害があった時には確認が必要です。漆喰は15年ぐらいではがれる症状が出てくる場合があります。
スレート屋根の場合
スレート屋根の点検は、割れがないか、屋根材の塗装に剥がれはないか、棟包みの釘に抜けているところはないかなど、確認をします。
また、塗装は、だいたい10~15年に一度の割合で塗装をします。スレート屋根の劣化が激しい場合は、今の屋根の上に屋根を葺くカバー工法や葺き替えをします。
屋根リフォームの費用相場
屋根リフォームの費用は、屋根の状態と面積によって大きく変わります。それぞれの素材で費用相場をみてみましょう。(足場代別途)
瓦屋根の差替え ※屋根面積約30坪 |
約 3万円~ |
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瓦屋根(漆喰塗り) ※屋根面積約30坪 |
約30万円~ |
スレート屋根(棟包み鈑金の取替え) | 約3万~ |
スレート屋根(塗装) | 約30万~ |
スレート屋根(カバー工法) | 約50万~ |
雨樋の修理 | 約3万円~ |
屋根の点検、リフォームの注意点
屋根の点検とリフォームは、点検商法による訪問販売に注意が必要です。すべてのリフォーム業者に技術がないわけではありませんが、不安をあおって契約を短期間にせまる営業手法があります。
『おたくの屋根瓦ずれていますよ。』、『今、直さないと雨漏りがひどくなりますよ。』と屋根に上がらず、目で確認しないですすめてくる業者には注意しましょう。
屋根のリフォームは、遠くかれ見て全てがわかる工事ではありません。点検のために、屋根上にのぼって目で見て確認するものです。台風や地震などの災害のあとには、特にこのような営業に注意が必要です。そんな営業が家に来たら、信頼できる業者に改めて相談しましょう。
バルコニーやベランダ、屋根は、風雨にさらされ、日常の点検がしづらい場所です。定期的に点検を行い、長持ちするようにしましょう。バルコニー・ベランダは使いやすくリフォームすることで、家での生活に自然や外での楽しみを取り入れることができます。家にいながら、外として過ごせるスペースはおすすめです。