地元の不動産屋さんにマンション売却をお願いしていますが、一向に売れる気配がありません。親からは不動産会社が悪いのでは?と言われたりもしますが、内覧希望の人は毎月5組ほど連れてきてくれるので、私はそれだけが原因だとは思えません。
何が原因で契約にまで至らないのでしょうか?
内覧者の数だけ多くて、全然売れる気配がない物件と言うのはどの地域にも存在します。これには考えられる理由がいくつかあります。まず最初に疑いたいのが不動産業者に釣り物件として利用されている可能性です。
釣り物件とは?
釣り物件とは、他のマンションとの比較に使われている「引き立て役の物件」のことをいいます。よくテレビなどでも不動産業者の販売テクなどを特集していることがありますが、多くの不動産業者にはマニュアルがあります。
わかりやすく言うなら、とても買えないような物件だったり、ひどく汚い物件などを最初に見せておき、2軒目や3軒目で良い物件を見せ、内覧者の購買意欲を高める作戦です
もし釣り物件として利用されているのであれば、不動産業者も最初から売る気がないので、内覧者ばかり増えてしまい、なかなか売れないのは当然の結果です。
ちなみに編集長が以前働いていた不動産業者のマニュアルでは、1軒目に予算以上の豪華なマンションを見せ、2軒目に予算以下の汚いマンションを見せ、3軒目で本当に買わせたいマンションを見せるようにしていました。
同じマンションで他に売りに出ている物件があるとします、そのとき同じ不動産業者が仲介をしているのであれば、値段の高いほうを釣り物件にし、もうひとつの物件がお得な掘り出し物件のようにみせたりするのも営業テクのひとつです。
他の物件との差別化は出来ていますか?
もちろん釣り物件だけが売れない原因ではないでしょう。ただ単純に他の物件との差別化ができておらず、そっちの物件に購入希望者を取られている可能性だってあります。
例えば同じマンションに同金額で売りに出ている物件があったとして、そっちの物件のほうが住宅性能評価を受けていたり、耐震性能診断を受けていたりすると、どちらが安心して住める物件なのか一目瞭然ですよね。
差別化はお金を掛けることだけではありません。売主の態度でも差別化することはできます。売主のなかには、内覧時に横柄な対応をする人も実は珍しくありません。きっと「売ってあげるのだから」という気持ちが内心どこかにあるのでしょう。
このような意識を変えるだけで、なかなか売れなかった物件が、すぐに買い手がみつかることは良くあります。