新築の注文住宅を建てる際に使える減税や控除まとめ

新築をすると、補助金を受け取れたり、減税をしてもらえる制度があります。新築時に受け取れる補助金はたくさんありますが、そのほとんどが知られていません。

これらの制度はこちらから申請しなければ受け取ることができません。知らなければ、数万円から数十万円を受け取るチャンスを逃してしまうことになり、とてももったいないです。

きっちりとあなたが対象になっている補助金があるかどうかを確認する必要があります。さらに、減税制度も活用すれば、さらに数百万円を受け取れることもあります。ここでは様々な減税や控除について解説します。

新築の注文住宅に対する減税・控除一覧

ここから、早速減税と控除をそれぞれ解説します。

どのような控除があるのか予め把握するために、しっかりと確認しておくことをおすすめします。

新築の住宅性能によって対象となるかが決まる

まずは、新築時・住宅取得時における減税制度について一般住宅、低炭素住宅、長期優良住宅にわけ、優遇内容を比較します。

一般住宅

一般住宅とは、下記で挙げる2つの家に該当しない住宅のことを言います。

一般住宅でも控除や減税の対象となりますが、下記2つよりも優遇額が少ない場合もありますので、しっかりと確認しておきましょう。

低炭素住宅

低炭素住宅は、広範囲に渡る低炭素化を実現するエコまち法中の建築物の低炭素かに関する取り組みです。都市部におけるエネルギー消費を削減し、地球温暖化対策を推進することで地球環境保護することが目的です。

低炭素住宅を新築する場合は、低炭素建築物新築等計画を作成し、所管行政庁の認定を申請し建築物が低炭素かを促進するための基準に適合するときは、計画が認定されます。認定を受けた一定の新築住宅については、税制優遇措置の対象となります。

長期優良住宅

長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態を保てるよう講じられた優良住宅のこと。2006年6月に施工された住生活基本法を背景に、2011年6月に施工された制度です。

低炭素住宅の認定制度とは、登場した背景が異なりますが、税制面での優遇ではほぼ同じです。

所得税に対する減税・控除

それでは、ここからは具体的にどのような減税や控除があるのか説明します。まずは所得税に対する減税や控除の制度を解説します。

住宅ローン減税

次は減税制度の中でも有名な住宅ローン減税についてです。

この制度は税金が減ると思っている人が多いですが、そこまで単純な減税制度ではありません。

住宅ローン減税を受けるためには年末に確定申告(修正申告)をして、過払いの税金が返還される仕組みとなっています。

受け取る方法を確認して、しっかりと受け取りましょう。

投資型(自己資金)減税

上記の住宅ローン減税は、住宅ローンを10年以上借り入れることが条件です。よって、自己資金で家を購入する際は対象になりません。

そこで、自己資金のみで住宅を購入する方を対象とした減税制度もあります。条件として、耐久性やエネルギー性に優れた住宅の購入にはなりますが、これを投資型減税といいます。控除対象となる住宅は、消費税が8%となっている現在では、長期優良住宅と、低炭素住宅の認定を受けた住宅となっています。

控除の対象となるのは、性能の強化に必要な費用のうちの10%です。最大控除対象額は650万円で、その10%の65万円が最大控除額となります。

この性能の強化に必要な追加費用は、どの構造でも一律43,800円/㎡と定められています。

登録免許税に対する減税・控除

こちらはこれまでの減税と違い、特別になにか手続きをする必要なく、軽減される減税制度です。

新築で家を立てた場合、建物や土地の所有権がその新築した家主であることを公的に証明するために、司法書士にお願いするなどして、法務局で所有権移転登記と所有権保存登記ををする必要があります。さらに住宅ローンを借りる場合、新築した建物とその土地を担保に借り入れることになるので、「担保にいれる」という意思表示のために、抵当権も設定しなければなりません。

この制度では、司法書士などを介した法務局での登録手続きの際に発生する登録免許税を軽減することができます。、平成29年3月31日までに取得した住宅については軽減するというものです。

不動産取得税に対する減税・控除

売買や贈与で不動産を取得する、または新築や増築をすると、その不動産や建物に対して都道府県から徴収される税金を不動産取得税といいます。金額は都道府県によって異なりますが、軽減措置を取らない場合、数十万円になることもあります。

この軽減措置を受けると、普通であれば数十万円かかる不動産取得税がゼロから数万円程度になります。

この減税・控除制度も特別な申告などは必要としませんが、対象となる条件がありますので確認しておきましょう。控除を受けるための要件は、床面積が50㎡から240㎡以下の自己居住用の住宅であることです。

土地の控除に関しても、控除対象の住宅となる建物が乗っている土地であることが条件になりますので、床面積の条件さえ満たしていれば、建物と土地、両方の控除を受けることができます。この不動産取得税が控除されるのは平成30年3月31日までです。

固定資産税に対する減税・控除

固定資産税とは、個人、または法人の持つ固定資産に対し、市町村が課税する地方税となります。

一般的には、免震住宅・バリアフリー住宅、長期優良住宅などの固定資産税が対象となります。減免の対象や、減税や控除される金額は、各市町村によって異なりますので、事前に建築会社に確認しておきましょう。

ちなみに、固定資産税が市町村から適正な金額で徴収されているかどうか確認することができます。毎年徴収される固定資産税に対して、想定していた金額と違うなと感じた場合、一度自治体から送られてくる課税明細書を必ず確認しましょう。確認する項目は、土地の面積・建物の面積・土地の地目となります。

個人住民税に対する減税・控除

住宅ローン控除前の所得税額が住宅ローン控除より少ない場合は、所得税から住宅ローン控除額が引ききれません。このようなときは、住宅ローン控除額のうち所得税から控除できなかった部分を住民税から控除します。

ただし、住民税から控除する額には1年毎に上限があります。上限額は住宅を購入(新築)したときに課税された消費税の税率により異なりますが、長期優良住宅や低炭素住宅に対する優遇はありません。

その他の税制特例について

その他にも、税制により住宅を建てる際に得するものがあります。

あまりメジャーなものではありませんが、2世帯住宅を建てる方など必ず確認をしておく必要があります。

それでは、解説します。

贈与税に対する非課税措置

住宅取得用に贈与されたお金は、条件を満たすことで非課税となります。

父母、祖父母からもらったお金で、家を新築(取得、増築)してその家に住めば、もらったお金の一定金額まで贈与税がかからないという制度です。

対象となる条件は下記の通りです。

【条件】
  • 贈与者が日本に住所を持っていること
  • 贈与を受けたときに直系卑属(子や孫)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得が2,000万円以下であること

非課税措置を受けるためには、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、計算明細書、戸籍謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に手続きをする必要もあります。

譲渡損失が生じた場合の特例

マイホームを買い替える際に、前の家を売ったとき、元の価格より減ることが一般的ですので、損失が発生してしまいます。

その場合、「譲渡損失」として所得税や住民税が軽減される制度があります。

これを「買い替え時の譲渡損失の繰越控除(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例)」といいます。

譲渡益が生じた場合の特例

先ほどの例とは逆の場合、つまり売却益が購入費用より大きくなった場合、課税対象となります。

ただし、特例があり、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます。これを、特定の居住用財産の買換えの特例といいます。

例えば、1,000万円で購入したマイホームを、5,000万円で売却し、7,000万円のマイホームに買い換えた場合には、通常の場合、4,000万円の譲渡益が課税対象となりますが、特例の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられます。

まとめ

住宅に関する税制については、家を建てる時にしか確認しないことがほとんどです。その時々によって制度も変わり、優遇を受けられる条件や内容が変わります。本記事などで様々な情報を得つつも、しっかりと役所などで確認を取っておくことをおすすめします。

自治体によっても優遇の有無や内容が変わりますので要注意です。損をしないマイホームづくりを進めていきましょう。

※本記事で紹介した制度は執筆時点での内容ですので、ご覧になった時点では異なっている場合があります。


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