新築で人気の照明は?選び方と価格相場、注意点と失敗例

新築で人気の照明は?選び方と価格相場、注意点と失敗例

注文住宅では、それぞれの部屋の使用目的や部屋のイメージに合った照明計画が大切です。部屋のイメージは、光源の色や照明器具よって、また空間のどの面に光を照射するかによっても大きく変わってきます。今回は照明計画の立て方や照明器具の選び方、価格相場、注意点などをご紹介します。

照明計画の立て方

照明計画を立てる際は、各部屋に必要な照度やその部屋に適した照明方法、照明の効果などを考慮して行いましょう。

部屋ごとの必要照度を知る

部屋の使用用途によって必要な照度が違ってきます。照度(lx:ルクス)とは、光源によって照らされる明るさの度合いのことで、各空間の必要照度はJISによって以下のように定められています。

  • リビング=30~75ルクス
  • ダイニングキッチン=50~100ルクス
  • ダイニングのテーブル上=220~500ルクス
  • 子供部屋=75~150ルクス
  • 子供部屋や書斎の机上=500~1000ルクス
  • 寝室=15~30ルクス
  • 廊下5~15ルクス

照明の方法を考える

照明にはシーリングライトのように部屋全体を照らす主照明と、部分的に照らす補助照明があり、補助照明にはキッチンの手元灯や読書灯のように明るさを補うためのものと、ブラケットやスタンドライトのような空間を演出するためのものがあります。

天井の真ん中にシーリングライトだけという照明では、照度は十分でも部屋の印象が平坦なものになってしまい、物足りなさを感じてしまうかもしれません。各所に必要に応じて複数の補助照明を配置することで、雰囲気のある空間づくりができます。

照明の効果を考える

照明は光をどの面に照射するかによって、空間に奥行や広がりを感じさせることができます。例えば、天井に光を照射すると、実際の天井高より高く感じさせます。同様に壁面に照射すると横への広がり感が生まれ、部屋を広く感じさせます。

また、床面に照射すると非日常的なドラマチック空間を演出することができます。部屋ごとにつくりたい雰囲気や、強調したい部分などを考慮して効果的な空間の演出をしましょう。

照明器具に求めるもの

照明器具は、以下のようなポイントに注意して選びましょう。

照明器具のデザイン

照明器具のデザインは部屋のインテリアにマッチしたものを選びましょう。照明器具だけを見て素敵だと思っても部屋の雰囲気に合っていないと、照明器具だけが浮いてしまうこともあります。

また、一つの空間には同じテイストの照明器具を揃えて配置した方がコーディネートしやすくなります。

省エネ・コストパフォーマンス

照明は毎日使用するものですから、省エネ対策は重要です。以前は高価だったLED照明も、近年はかなり安くなりました。とはいえ、やはり普通の電球に比較すると初期費用がかかりますが、ランニングコスト(電気料金や電球の交換頻度など)を考慮してみると、コストパフォーマンスが優れています。

すごしやすい環境・身体への負担

照明は明るければいいというものではありません。明るすぎる照明は決して身体にいいとはいえないからです。夜でも太陽光のような白く強い光に晒されていると、目に負担がかかるだけでなく、睡眠障害を起こすこともあります。リビングや寝室などのくつろぎを演出したいスペースはリラックス効果のある電球色(オレンジ色)の照明を選ぶようにしましょう。

メンテナンスのしやすさ

照明器具はメンテナンスのしやすいものを選びましょう。電球の交換や掃除のしやすさも照明器具を選ぶ際には大切な要素です。

照明器具設置のポイント

照明器具を設置する際は、以下のポイントに注意しましょう。

設置高さやカバーの素材によって明るさが異なる

照明器具は、設置する高さや照明器具のカバーやシェードの材質、内装の材質や色、直接照明か間接照明かによっても部屋の明るさやイメージが異なってきます。

配置と個数

入居前は家具の配置などが決まっていないことも多いため、予め計画していてもいざ家具を置いてみると不具合が出てくる可能性もあります。照明器具を増減できるレールなど使用すると便利です。またペンダント照明を設置予定の場合は、広めに補強用下地を入れておきましょう。

照明器具の種類と価格相場

代表的な照明器具の種類と価格相場をご紹介します。

シーリングライト

天井に直付けするタイプの主照明(全体を照らす)となるライトのこと。適用畳数やメーカーによって価格差があり、7,000円~200,000円程度です。

ダウンライト

天井に埋め込む(半埋め込みもある)タイプのライト。全体照明用とスポットライト用・ウォールウォッシャ器具に分類されます。ダウンライトも種類が多く価格もピンキリ。1,000円程度のものから数万円のものまであります。

ブラケット

壁に直接取り付けるライト。部屋のアクセントや装飾用として用いることが多く、壁の奥行感を演出し空間の質が高められます。価格も様々ありますが、5,000円程度~数万円のものまであります。

ペンダント照明・シャンデリア

天井からコードを伸ばし中空で輝いて見せる吊り下げ型照明。ペンダント照明の価格は5,000円程度~100,000円程度。シャンデリアは数万円台~。高級品や輸入品では50万円
以上のものもあります。

スタンドライト

置き型タイプのライト。床に直接置き、部屋全体にアクセントや補助光を与えるフロアスタンドと机などの部分的なスペースを照明するテーブルスタンドがあります。種類やサイズが大変豊富なため、価格も色々。数千円~数万円と幅があります。

フットライト

歩行の安全のために壁の低い位置に取り付けるライト。1,000円程度~数万円まで豊富に市販されています。

間取り別おすすめ照明

間取り別のおすすめ照明方法や注意点をご紹介します。

玄関

玄関は「家の顔」といわれるように、最初に入るスペースなので照明計画は大切です。玄関扉の方から外光が入った場合、来客者の顔が逆光で見えにくいことがあるため、照明器具の位置や配光に注意しましょう。スイッチは玄関側と次の部屋に入る手前との2箇所にあると便利です。

リビング

リビングは家族の団らんや、テレビや音楽を楽しむ、本を読むなど多目的空間です。これらの目的に十分な照明を確保するためには、全般照明と局部照明を取り入れた多灯照明を採用しましょう。

ダイニング

ダイニングは食事をするだけでなく、くつろぎや休息の場でもあります。落ち着いた雰囲気を醸し出す間接照明とテーブルの上を明るく照らすペンダント照明を併用しましょう。

寝室

寝室は、着替えをする際に必要な全般照明と、ベッドサイドにスタンドなどの局部照明を取り入れるといいでしょう。安眠を妨げないように就寝時や目が覚めたときに光が直接目に入らないような照明器具を選びましょう。さらに調光機能付きが便利です。

照明選びの失敗例と注意点

よくある失敗例と注意点をご紹介します。

照度不足に注意

おしゃれな照明器具を重視して選んだら、生活してみると暗すぎたということがよくあります。照明器具から放射される光の広がりや光の強さは様々です。光の広がりや強さは直接目で見ることはできませんが、これを図表化したものが配光曲線図です。メーカーのカタログに掲載されているため、確認してから選ぶようにしましょう。

電球の交換ができない位置に配置してしまった

階段の天井など、脚立を置く事も難しい位置に照明器具を取り付けてしまい、電球の交換が自分ではできないといった例もあります。照明を配置する場合は、必ず高さや脚立を置くことができるかの確認をし、電球の交換が容易な場所に取り付けましょう。

まとめ

街並みや店舗においても、照明は景観や商品を美しく見せるために大変重要な役割を担っていますが、住宅の照明も同じことがいえるでしょう。照明の効果は見た目のイメージを左右するだけでなく、メンタル面にも影響を与え、居心地感を左右します。

照明計画の目的は、快適な視環境をつくることにあります。光の量を求めるとともに、光の質が大切です。視環境を整え、より快適な住まいづくりのために、しっかりと照明計画を立てることをおすすめしします。


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