エコキュートの買い替えの際、注意する点

エコキュートの買い替えの際、注意する点

我が家でエコキュートを導入したのは家を新築した2003年でした。オール電化にしたかったので、給湯設備は電気温水器かエコキュートの選択になりました。

エコキュート自体は当時まだ発売されて2年くらいの商品で価格的には電気温水器より高く、動作実績も短いため不安はありました。しかし、空気の熱を利用するヒートポンプ技術のお陰で電気温水器に比べて電気代が3分の1という点に魅力を感じ、導入を決定しました。

エコキュートの仕組み

エコキュートがお湯を作る原理は以下の通りです。

1.室外機を使って、外気の熱を冷媒に取り込みます。これは、エアコンと同様に空気熱交換器(車のラジエーターの様なもの)にファンを使って風を当てて行います。ちなみにエコキュートの冷媒として、CO2が使われています。

2.空気の熱を取り込んだ冷媒をコンプレッサーで圧縮します。圧縮された冷媒は急激に高温になります。冷媒の様な気体を圧縮すると、気体の分子同士が激しくぶつかり合います。その摩擦により温度が上昇します。

3.高温になった冷媒を使い水熱交換機によってお湯を作ります。

4.低温になった冷媒は再度室外機に送られます。

この、外気の熱を取り込み、コンプレッサーで圧縮する仕組みは、ヒーターを使ってお湯を沸かす電気温水器に比べ、3倍の効率でお湯を作ることができると言われています。実際に使ってみて、冬場を除いた電気代の安さにはとても驚きました。

ただ、空気の熱を利用するため、真冬の電気代は思っていたより高い印象でした。また、節水しないとお湯が足りなくなり、予定外の時間に沸き増しをしなくてはいけない事もありました。それでも、年間トータルでの電気代はかなり節約できていたと思います。

エコキュートの故障

2015年6月のある日曜日、何気なくエコキュートのリモコンを見ると、見慣れぬエラー表示を見付けました。慌てて、取扱説明書を開きエラーコードを確認すると、室外機故障のエラーとあり、夜間もお湯が作られていなかった様子でした。とりあえず本体の再起動をしてみる事に。

再起動したら正常に起動してお湯を沸かし始めたのですが、しばらくすると停止し、また同じエラー表示が出てしまいました。

もう自分ではどうすることもできないとあきらめ、メーカーのユーザーサポートに電話し状況を説明したところ、エコキュートの室外機が壊れてしまっており、交換しか無いとの事でした。

設置してから13年経っているので室外機だけの交換は難しく、もし交換ができても何年使えるか分からなということだったので、全てを買い替えるという選択をしました。

そこでメーカーに買い替えの相談をしたのですが、残念ながらこのメーカーでは買い替えられる機種を現在は生産していないとの事で、他メーカーから探す必要がある事が分かりました。

エコキュートの3つのタイプ

エコキュートには、給湯の方法の違いから、3つのタイプがあります。

タイプ別エコキュート

  風呂へのお湯はり 保温 追焚き 風呂の配管
フルオートタイプ 自動 2本
オートタイプ 自動 × × 1本
給湯タイプ 手動 × × なし

新築の際は、まだオートタイプが主流だったので、そちらを選んでいました。値段も10万程度フルオートタイプに比べ安かったですし、実際に使っていても、夫婦二人の家庭では不便を感じる事はありませんでした。

現在では、下記の表のようにフルオートタイプが主流となっており、オートタイプの選択肢が随分少なくなっておりました。やはり、保温、追焚きできるという、今までガスを使っている家庭でも違和感なく使える点で、フルオートタイプが主流になったのではないかと思われます。

エコキュートタイプ別機種数の変遷

  2016年 2015年
フルオートタイプ 23 92 115
オートタイプ 2 4 6
給湯タイプ 4 19 23
29 115 144

(単位:機種)

そこで、リフォームを扱っているホームセンターで買い替えを相談しました。しかし、まずは現地調査が必要なため、実際に作業をできるのは1週間以上後になるとの事で、今度は家を建てた住宅メーカーに相談することにしました。

住宅メーカーであれば、エコキュートのタイプも把握しており、風呂への配管等も把握してもらっているので、事前見積もりが無くても、すぐに作業に入ってもらえると思ったからです。

予想通り住宅メーカーのサービス担当はこちらの状況を理解して素早く動いてくれて、3日後には取り付けができるということでした。その間でも風呂は使えませんでしたが、エコキュートに貯まっているお湯がだんだんぬるくはなるものの、シャワーとして使用可能でした。

以前の停電でも経験しているのですが、エコキュート自体は止まっていても、水道さえ使えれば、エコキュートに貯まったお湯は、水道のお湯の蛇口から使うことができます。

これは、いざという時に本当に助かります。また、断水しても、タンクに貯まった水を非常用水栓から取り出すことができますから、災害時にはとても助かると思います。

取替工事で分かったミス

順調に工事も進んだと思われたのですが、試運転をはじめる段階で大問題が発覚しました。メーカーが選んだ機種がフルオートタイプだったのです。これを取り付ける場合風呂の浴槽には2本の専用配管が必要です。

しかし、私の家に風呂には1本しか専用配管は付いていません。工事の業者が工事の当日の初期段階でその事を見落としていたのでした。現在ほとんどフルオートタイプになっているため、オートタイプである可能性についてあまりに気を使っていなかったのかもしれません。

慌てて工事業者、住宅メーカーのサービス担当と話し合いをして、後日浴槽の配管を増やす工事を住宅メーカーが費用を負担して行い、フルオートタイプのエコキュートに接続することに決まりました。

次の買い替えを考えれば現在主流になっているフルオートタイプが付けられる配管工事が無料でできることはとてもありがたいことです。

結局、オートタイプのエコキュートに交換

しかし数日後、住宅メーカーより2階にある浴槽の配管工事はかなりリスクが高くなるため、フルオートタイプのエコキュートに合わせて工事をするのではなく、エコキュートのほうを現状と同じオートタイプに替えたいという連絡がありました。

室外機はフルオートタイプもオートタイプも共通でしたので、タンク部分のみの交換でした。結果的に費用は43万ほどかかりました(ちなみに最初のフルオートタイプを付けた場合の見積もりが53万でした)。

結局、我が家の新しいエコキュートが稼働し始めたのは壊れて約3週間後でした。

エコキュートを買い替える際、気を付ける事

家も建ててから10年を過ぎると、色々なものが不調になってきます。エコキュートについても、今回壊れて初めて知ったのですが大体10年が耐用年数のようです。

エコキュートの発売開始が2001年ですから、最初の頃に付けた家庭では買い替えも多くなっているのではないでしょうか?まだ初期の頃はフルオートタイプが無かったため、現在買い替えをされる人のほとんどが、オートタイプではないかと思います。

きちんと業者に現地調査をしてもらった状態で機種を選んでいれば、今回のようなどたばたのケースになる事はほとんどないと思います。しかし、我が家のように急に壊れてしまったという場合にはどうしても慌ててしまいますよね。

現状オートタイプを付けている人が買い替えをする場合は、フルオートタイプを選んでいないか業者まかせにせず、必ずチェックするようにしましょう。もしこの機会にフルオートタイプを付けたい場合は、そのための追加工事も必要となります。

エコキュートを取り付けて10年を越えた場合は、いつ壊れてもおかしくないと考え、その場合にどこで工事を頼むか、しっかりとした業者、機種選定を事前に考えておく事も必要だと痛感しました。


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