家の建て替えとリフォームはどちらが得か?

一戸建てで築30年を超えると、建て替えかリフォームで住み続けるか悩む人が多いでしょう。

そこで、最近はどんな家があるのだろうかと思い、展示場へ足を運び様々な最新技術や間取り、設備を搭載したモデルハウスを目の当たりにして、我が家もリフォームすべきか、建て替えて一新しようか、と考える方もいるでしょう。そこで検討する必要があるのは、リフォームと建て替えどちらで我が家を新しくするべきか、という点です。

建て替えかリフォームかを決断するためには、築年数や現在の家屋の状況や家族の将来設計など、様々な要素を検討する必要があります。そこで、建て替えかリフォームを判断するためにその違いや抑えておきたいポイントを解説します。

家の建て替えとリフォームはどちらが得か?
  1. 家の建て替えとリフォームの違い
    1. 家の建て替えとは
    2. リフォームとは
  2. どちらか迷う場合の判断基準
    1. 性能や設備の劣化
    2. 築年数
    3. 住環境の改善
    4. 法律上の問題

家の建て替えとリフォームの違い

それではここからは建て替えとリフォームについて説明し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

家の建て替えとは

建て替えとは、その土地に建っている家を解体して更地にして、再び新しい家を建て直すことを言います。それでは建て替えのメリットとデメリットを解説します。

メリット

  • 現状抱えている間取りや設備の不満を解決
  • 行政から検査済証が発行され、安全性を保証
  • 比較的簡単に地盤改良などの地震対策が可能

デメリット

  • 相対的に費用が割高
  • 廃棄物が多く高い処分費用が必要
  • 仮住まい探しや引っ越し費用が必要
  • 長期間の工事が必要
  • 不動産取得税、都市計画税などの税金負担が大きい
  • 法律によって建て替え不可能な場合がある

リフォームとは

まず、建て替えに近いリフォームを全面リフォームといいます。全面リフォームとはスケルトンリフォームとも同義です。

スケルトンリフォームは、壊れたところを修理したり、単に住宅設備機器を入れ替えたりするだけではなく、家を一度スケルトンの状態、柱や基礎などの家の基盤のみの骨組みの状態にしてから、住宅設備機器・新たな間取り・内装などを取り替えて進めていきます。

このリフォームは、家の老朽化が進んで大規模な修理が必要になったり、ライフスタイル・家族構成の変化によって今の間取りが使いにくくなったりしたことで選ばれるケースが多いです。また、全面リフォームと近い意味合いで使われる言葉として「リノベーション」という言葉をよく聞くようになってきました。

リノベーションとは、住まいをライフスタイルや家族構成の変化に合わせて造りかえることで、もともとの性能より高め、快適な住環境へ変化させることを言います。

全面リフォームは構造が見える部分までを解体(スケルトンの状態に)して、新たにすべてを作り直すため、リノベーションとは大きく異なります。

全面リフォームは新築同様に造り変えることができますが、そのぶん費用や期間が一般的なリフォームと比較して多くかかります。信頼できるリフォーム会社を選び、なるべく無駄なく工事をしてもらうことで費用を抑えることができます。

 

メリット

  • 相対的に費用が割安
  • 思い出の住まいを手放す必要がない
  • 廃棄物が少なく処分費用が割安
  • 不動産取得税、都市計画税などの税金負担が小さい

デメリット

  • 大きな構造の変更は困難
  • 建て替えに比べ自由度が少ない
  • 建物の老朽化、劣化加減、住宅に欠陥があった場合は費用が高くなる
  • 追加費用が必要となる場合もある

どちらか迷う場合の判断基準

建て替えかリフォームかで悩む人はたくさんいます。それでは、なぜ建て替えかリフォームかで悩むのかというところから考えてみます。多くの人たちは、「こんな古い家に費用をあまりかけるのは無駄ではないか」という疑問と、「立て替えなくてもまだ住み続けられる」という思いのはざまで悩んでいます。そんな方々が決断をするために、ここからはその判断基準を紹介します。

性能や設備の劣化

性能や設備の劣化の場合、部分的な工事を行えば改善されます。そのため、部分リフォームという形が適しています。建て替えの場合、解体費や破棄日、建て替え期間の仮住まい費用など様々な費用がかかってくるからです。

築年数

築年数が経っている家の場合、構造部に大掛かりな補修が必要になります。その場合、リフォームに多額の費用が掛かってしまうことがあります。目安としては、部分リフォーム(特に水回りや屋根・外壁)は築10~20年、大規模リフォームは築20~30年が目安となります。

30年以上となった場合には、建て替えのほうがメリットが大きいことが一般的です。これはあくまでも目安ですので、それぞれ検討は必要となりますので、気を付けましょう。

住環境の改善

例えば、多湿や結露による構造部の腐食や、シロアリの被害が進んでいると、大掛かりな工事をする必要があり費用がかさみます。他にも、地盤の影響で基礎が沈んでいる、基礎などに大きなクラック(ひび割れ)がある、家が傾いているなどの症状が出ている場合は、家や土地そのものに問題が起きていることが多く、修繕するためには多額の費用がかかります。

上記のような状況でリフォームをしても、費用対効果も悪く改善しないケースもあるため、結果的に「建て替えればよかった」と後悔してしまうケースも見かけますので、将来的に考えて、「どのくらいその家に住み続けたいか」によって、リフォームと建て替えを検討する必要があります。

法律上の問題

住んでいる土地によっては、建築基準法や条例の改正により、建て替えが不可能になった土地や建築当時とは建ぺい率や容積率が変わってしまい、建て替えると今の家よりも小さな家しか建てられない土地もあります。

そもそも建て替えが不可能な土地もあるので、その場合にはリフォーム名義で進めるしかありません。詳しくは別記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。

建て替え、リフォームいずれにしても多額の費用がかかる工事となります。そのため、より自分の目的に合った方法を選択することで無駄のない家づくりを進めることができます。

数年後に後悔することがないように、しっかりと検討をして、家族みんなが幸せに過ごせる空間を、最小限のお金で実現するために今回の記事を参考にしてもらえればと思います。


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