マイホームへの第一歩!宅地の決め方選び方

マイホームへの第一歩!宅地の決め方選び方

マイナス金利政策による住宅ローンの超低金利や消費増税を考慮し、現在マイホームの計画を具体的に進めている人が増えていますね。

マイホームを建てるのに、絶対に必要なのが資金と建築用地です。相続などで土地を所有しているという人を除いて、マイホームを手に入れるには、まずは土地探しがスタートとなります。

一度買ったら簡単に買い替えられないからこそ、後悔しない土地選びをしたいもの。しかし、宅地との出会いは一期一会です。慎重になりすぎてタイミングを逃してしまう人もいます。土地選びのポイントを押さえて理想のマイホームの舞台を整えましょう。

土地購入の時期は?マイホーム完成までのスケジュール

建築メーカーを決める時にはすでに土地を所有してないといけないの?と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

ここでは、マイホーム着工までの流れから、土地選びのタイミングを考えてみましょう。

1.イメージや資金計画を考える

マイホーム購入後の生活をイメージします。建てたい家のデザインや間取りはもちろん、周辺の環境や立地などもイメージしましょう。

そして、何より重要なのが資金計画です。現金で用意できるお金と無理なく返済できる住宅ローンの借り入れ額、マイホーム購入後の月々の支払額などを計算し、住宅購入資金にいくら出すことができるのかを考えます。

2.情報を集める

イメージが決まったら情報を集めます。住宅メーカー、住宅ローン、各種保険、住みたいエリアの情報を集めましょう。

インターネットを活用しつつ、実際に足を運んで目で見てプロから話を聞くことも大切です。

3.ハウスメーカー・建築用地を決定する

集めた情報や自分の条件、予算などを考慮し、建物を建ててくれるハウスメーカーと住みたい土地を選びます。どちらを先に決めてもOKです。

ハウスメーカーを先に決めた場合

ハウスメーカーが土地選びの相談に乗ってくれるので、建築の観点から条件に合った宅地を考えることができます。

独自の分譲地や土地情報のほか、提携の不動産会社がある場合もあります。予算に関してもトータルで相談できます。

土地を先に決めた場合

不動産屋に足を運んだりして自身で土地探しをした場合、ハウスメーカーより先に土地が決まることが多いです。

その際、中立の立場の不動産屋からハウスメーカー選びのアドバイスを聞けることもあります。

4.間取りやプランを考える

その土地に合った間取りやプランをハウスメーカーと考えます。

土地の形状や周辺環境、日当たりや風通し、眺望などの外的な要素と、家族構成や将来設計、生活パターンなど自分のライフスタイルを考慮しバランスを取りながら家づくりを考えるのが注文住宅の醍醐味です。

5.地盤調査をする

おおまかな間取りが決まり、その敷地の中で建築予定の建物の配置がわかったら地盤の調査をします。安心して暮らせるマイホームのために地盤調査は欠かせません。

その土地の地盤の強さは調査をしてみないとわかりません。調査はドリルで穴を開けるので、購入後でないとできません。

軟弱な地盤に改良せずに建物を建てると、どんなしっかりした家でも後々傾いたりなど不具合が発生する場合があります。そんな事態に陥らないために地中の状態を調査し、その結果によって適切な改良をします。

地盤調査の方法にはいくつかの種類がありますが、住宅建築前の調査として一般的なスウェーデン式サウンディング試験の場合で費用は5~10万円程度です。この費用はあらかじめ資金計画の中に入れておきましょう。

6.図面決定・建築確認申請

最終的な間取りの決定をし、その図面が建築基準規定に適合しているか、審査を受けます。審査は、民間の建築確認検査機関か役所に依頼します。

決められた項目のチェックの審査で、木造2階建て住宅では7日以内、その他構造計算が必要な住宅の場合21日以内で問題がなければ許可が下ります。許可が下りなければ建築はできません。

7.地盤改良をする

調査の結果によって改良が必要になった場合、建築着工前に地盤改良工事を行います。住宅建築のための地盤改良は主に3種類の方法があり、頑丈な地盤までの深さによって決まります。

軟弱地盤の深さ20坪の費用の目安
表層改良工法2メートルくらいまで30万~50万 
柱状改良工法8メートルくらいまで70万~100万
鋼管杭工法30メートルくらいまで110万~140万 

8.着工

基礎工事から土台、そして上棟と工事が進んでいきます。工法によって工期に差がありますが、だいたい着工から数えて4か月から半年ほどで完成します。

宅地を探す方法

最近では、不動産情報サイトが充実していてインターネットでたくさんの土地情報を見ることができます。また、チラシや不動産情報誌などの媒体から探す人も多いでしょう。

しかし、より良い条件の宅地を手に入れるためには別の方法をおすすめします。土地探しに関しては、地元の不動産会社に足を運ぶことが一番です。地元ならではの情報がある可能性が高いのが最大のメリットです。また、地主さんとの関係が密な場合、交渉に応じてもらえることもあります。

本当に条件のいい土地情報は、流通する前に決まってしまうことが多いため、インターネットや各種媒体に掲載されている土地情報は比較的鮮度が落ちたものがほとんどです。

また、地主さんの事情で広告に載らない物件は実はたくさんあります。良い宅地と出会うには、誰よりも早く情報を手に入れることが大切です。そのために一社でも多くの不動産会社を回りましょう。

また、ハウスメーカーにも土地情報があります。建築条件付きがほとんどではありますが、その分、価格も通常よりお値打ちな場合があります。

希望条件をまとめよう

不動産を探す際の条件、あなたなら何を優先しますか?不動産会社に行くと、まずヒアリングシートを記入することが多いです。その際に希望条件の欄があります。

スムーズに相談するために、あらかじめ希望条件をまとめてから行くことをおすすめします。

エリア

あまり限定せず、許容できるなるべく広い範囲で探したほうが良いでしょう。そのエリアを希望する理由も明確なほうが相談しやすいです。

駅までの距離

駅またはバス停など、公共交通機関までの便の良さによって地価は大きく変わります。生活パターンや将来設計などを考慮し、必要な交通手段を考えましょう。

学区

お子さんがいる家庭では、学区についても様々な考え方があります。すでに就学している場合、転校の必要も視野に入れましょう。

周辺環境

その場所で生活をしていくうえで、避けたい施設や店舗などあるかと思います。家族で話し合っておきましょう。

広さ

地域や家族構成によって、希望する土地の広さには差があります。都市部では狭小住宅の需要も増えていますし、地方ではやはり戸建てなら広い庭が欲しいと考える人が多いですね。

予算

住宅購入資金の総予算は「建築費+土地代+諸経費」です。諸経費とは土地建物以外にかかる費用で、一般的には物件価格の5%から10%を現金で用意しなくてはなりません。

また、建売住宅やマンションと異なり、土地と建物の両方を住宅ローンで購入する際にはつなぎ融資が発生します。

以上の事もふまえ、現金でいくら用意できて、住宅ローンはいくら借り入れるのかを計算しましょう。

理想の物件に出会えることはほぼありません

理想の土地と出会って購入した人よりも、どこかで妥協して決めたけれども満足して生活している人の方が圧倒的に多いです。

では、後悔しない妥協点を見つけた人の探し方の特徴を教えます。

範囲を広く

あらかじめ、○○町内や○○駅まで徒歩何分以内と限定してしまう人は、なかなか決まりません。例えば、通勤に○分以内という条件に変更して探せば、別の通勤方法や町内という選択肢が増えるので対象の物件数が増えます。

また、駅までの移動手段も、徒歩10分以内より自転車で10分以内に広げると圧倒的に対象が広くなります。公共の交通機関が重要な地域ほど、駅までの距離によって坪単価が上がるので、徒歩圏内よりも自転車などを使うことが可能であればおすすめします。

お子さんのいる家庭では学校のレベルも気になるところです。しかし、公立の学校は、必ずしも評判通りとは限りません。先生も生徒も毎年変わりますので、人気の学区だからと、周辺よりも割高な土地を選ぶ場合、本当にメリットがあるのかよく考えましょう。

必要な坪数

「○坪以上で」と限定してしまうよりも、「○坪の家と○台分の駐車場」など具体的な計画をもとに相談しましょう。イメージの広さと実際に必要な広さには差があることがあり、選び方にとっては土地代の節約につながりますよ。

また、接道条件によって、必要な坪数は変わってきます。例えば、車を所有していて、間口が狭いなどの理由で駐車しにくい場合は車を回転させるスペースが必要になります。逆に、間口が広かったり角地である場合など、スムーズに駐車できる立地であれば最小限の広さでも可能です。

いわゆる「旗竿地」と呼ばれる土地は、道路から家までを私有地でつなぐ形になり、その通路部分のため坪数は、多めになります。

他にも、近隣の環境によっても変わります。例えば、建物の密集地と隣地が更地の場合、同じ坪数でも圧迫感、解放感など感じ方は違いますね。

不人気の区画は安い

同じ分譲地での坪単価の違いは、道路付きによります。例えば角地などは2面道路に接している分、解放感があり建ぺい率の緩和もあるため人気ですし、日当たりの良い南側道路の土地の方が北側よりも割高です。

また、間口が狭かったり、前面道路と高低差があったり、前面道路の幅員が狭かったり、変形地だったり、などの物件は価格が低めになります。つまり、条件によってはお買い得な掘り出し物の可能性があります。

考え方をちょこっと変えるだけで、デメリットとメリットは変わります。

日当たりの良くない土地

家族の生活パターンによって、日中、留守にすることが多い家庭ならば、日当たり抜群の土地を選ぶメリットはあまりないかもしれません。また、日当たり抜群の家は、夏は日差しがきつく暑いですよ。

間口の狭い土地

車を所有していなければ、間口の広さは生活に影響がありません。

形の良くない土地

正方形や長方形の綺麗な形ではない変形地でも、住宅は建てられます。デッドスペースの使い方や建物の形を工夫すればデメリットに感じない場合もあります。

高低差のある土地

デザインとしての活用や水害対策として有効かもしれません。

セットバックが必要な土地

前面道路の幅員が4メートル以下の場合、中心から2メートルの位置まで敷地境界線を後退しなければなりません。それをセットバックといいます。セットバックが必要な土地は坪単価が低めです。

前面道路が狭いということは、車が通りにくいということです。子供のいる家庭では、前面道路の車通りが少ないほうが安心ですよね。プライバシーを重視する人にもおすすめです。

告知事項あり

いわゆる「事故物件」です。以前に不幸があった不動産は避けられる傾向にあるので値段が下がります。気にする人もいれば、全く気にならないという人もいます。

価格が安くなっている理由が本当に自分にとってのデメリットなのか、柔軟に考えることが土地選びで成功する人の最大の特徴です。

よく目にする「市街化調整区域」ってなに?

土地には「用途地域」による建築の制限があります。都市計画法や建築基準法などによって決められていて、それにより建てられるものが違ったり、住環境が変わったりします。

土地探しをしていて、「お!これだけすごく安い?」と目に留まる物件が出てくることがあります。その物件が告知事項ありでない限り、「市街化調整区域」でしょう。

市街化調整区域とは、「市街化をを抑制する区域」であるので原則的には一般の人は住宅を建てることはできません。しかし、いくつかの条件をクリアした場合、建築の許可が下りることがあります。

以前は「既存宅地」という市街化調整区域の法律が適用される前から建物が建っていた宅地に限っては建築できるという制度がありましたが、現在は廃止されています。ですが、その制度に代わる措置を設けている自治体が多いです。

また、「要資格者」ならば建築が可能です。この資格の内容については行政区によって異なりますが、基本的には市街化調整区域決定前からその区域に居住していることが前提になります。

プロに相談しよう

宅地にはいろんな法律や決まりがあり、素人ではわからないことだらけです。また、一般的な条件の良い土地が自分にとって都合がよい土地とは限りません。

ハウスメーカーや不動産会社のプロに相談してわからないことは教えてもらいましょう。そのためにも、客観的な目線で親身になって相談に乗ってくれるよきアドバイザーと出会えるよう、たくさんの人と話をすることが大切です。


目次一覧

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