指紋認証キーを選ぶ時の3つのポイント

指紋認証キーを選ぶ時の3つのポイント

我が家では、約12年指紋認証キーを玄関の鍵として使っています。鍵を持ち歩かなくても良い生活はとても快適なのですが、我が家以外で目にしたことはなく、ずっと付き合いのある住宅メーカーの担当者も「他の家での設置した例を知らない」と言っています。

とても便利な反面、ちょっとハードルの高そうな指紋認証キーについて、私の経験を踏まえながら解説していくので、今後設置を検討されている方の参考になればと思います。

指紋認証キーを付けた経緯

「指紋認証キーを付けたい」と言い出したのは、出産を終えたばかりの家内でした。「子供を抱っこした状態で鍵を出さなくても済むのは楽そう」というのが理由です。

元々新しモノ好きの私はこれ幸いに、住宅メーカーのアフター担当に連絡をとりました。10年前は、今にもまして指紋認証キーを付ける家は稀で、担当者にとっても初めての相談だったそうです。

メーカー経由で鍵の専門店から提案を受けた見積もりは、韓国製の指紋とパスワードで解錠できるモノで(指紋認証キーは当時も今もほとんどが韓国製)、取り付け工事費も含め約10万。思ったより高くないという印象でした。値段的にも性能的にも問題ないという事で、付けてもらうことにしました。

工事にかかる時間は約2時間で、ドアに4センチ位の穴が空けられる事には少し抵抗はありましたが、本体が付いてしまえば全く気になりません。本体は電池駆動のため、大掛かりな電源工事もなく、見栄えもすっきりしていました。

指紋認証キーの良かったこと・困ったこと

指紋認証キーを使ってみて、良かったことや悪かったことを紹介します。

良かったこと

  • 鍵をカバンやポケットから出し入れする事無く施錠(オートロック)や解錠ができるのはこの上なく便利
  • 鍵を落とす心配が無い
  • 鍵穴が無いため、ピッキングの被害に遭う事も無く、オートロックも設定でき、防犯面で安心

困ったこと

  • 湿気の多い日や、寒くて乾燥した日はうまく読み取ってくれない事がある
  • 子供や高齢者の指が苦手
  • 電池がなくなると、鍵が開けられなくなるので注意が必要(指紋認証センサーの近くに角形電池(積層電池)をつなぐ為の端子があり、そこから電源をとる事で、電池切れに対応できます)
  • 電池切れ以外の故障で動かなくなると、鍵を開ける手段がなくなり、窓を割る等のかなり荒っぽい事をしないと家に入れなくなる(幸いにも我が家では経験せず)

基本的に指紋をちゃんと読み取ってくれれば、全くストレスフリーですが、指が濡れていたり、または乾燥しすぎたりしている時には、指を拭いたり、逆に息を吹きかけて指紋を読み取りやすいようにする必要があります。

また、同居している母親との相性は最悪だったようで、開けるまでにかなり時間がかかり、パスワードで解錠するようになってしまいました。パスワードは、他人に知られてしまうと全く鍵として機能しなくなる為、極力避けたかったのですが、このような事情で、指紋だけの運用はなかなか難しかったです。

指紋認証キーの交換

相性が悪かった母親を除けば、とても便利だった指紋認証キーでしたが、8年間の経年劣化でパスワード入力キーの反応が悪くなってしまったため、子供や母親が使いやすい鍵の付け替えの検討を始めました。

指紋認証キーはいわゆる「電子補助錠」と言われるカテゴリーに属していて、

  • パスワード
  • 生体認識(指紋/手の甲の静脈)
  • ICタグ/ICカード
  • おサイフ携帯
  • リモコン
  • スマホ

など、指紋以外を使って解錠するものも多くあります。

多くの商品は、「パスワードと指紋」や「ICタグとおサイフ携帯、パスワード」など、複数を組み合わせることもできます。我が家でも、家族全員が「出来るだけパスワードを使わないでも解錠できる製品」を見つけたいと、住宅メーカーに問い合わせたり、ネットで検索したり、検討しました。

鍵専門店の見積もり価格が以前の倍に!

製品は現行と同じモデルだし、取り付け工事も既にドアに穴があいているため、安く簡単に工事できるはずが、見積もりが前回の倍の20万になっていました!!

理由を確認すると、「指紋認証キーは動作異常を起こすと、窓を割る等の大掛かりな事になってしまい、結果的にクレームになってしまうため、値段を高くして出来るだけ受けないようにしている」とのことでした。ちなみに後日、ネットオークションで同じ製品が2万程度で手に入る事を知って驚きました。

「手の甲の静脈」の生体認証キーは高すぎ

メーカーから定期的にくる雜誌に掲載されていた「手の甲の静脈」の生体認証キーは、指紋と違って、センサーが非接触式のため、年齢や環境に左右されにくく、ICカード等にも対応、しかも鍵も使えるという、理想的な商品だでした。しかし取り付けには40万近くかかり、さすがに高すぎるという事であきらめました。

電子補助錠専門店の製品に決定

ネットで検索して、いくつかの電子補助錠について紹介されているサイトを見つけ、中でも最も電子補助錠に対する情熱が高く感じられたサイトに相談してみました。そのサイトでは、DIYでの取り付けも積極的に勧めており、金額も安くできるという期待もありました。

実際に相談したところ、熱心に対応してくれて、今あるドアの穴をそのまま使って自分でも取り付けが出来る商品を紹介してもらいました。

指紋、パスワードのタイプで、子供や高齢者に対しても使いやすい商品で、価格も5万ほど。本当は、さらにICカードか鍵に対応していれば理想的でしたが、価格と性能のバランスを考慮して、この製品にする事に決めました。

DIYでの鍵取り付けは簡単!

実際の取り付けは、思った以上に簡単で、素人の私でも2時間かかりませんでした。家族全員の指紋を登録し、無事運用開始し、今に至っています。性能は上がったとはいえ、残念ながら高齢者の母の指の反応は引続き不安定で、パスワードとの併用でなんとか使ってもらっています。

指紋認証キーを選ぶ時の3つのポイント

指紋認証キーを選ぶとき大切な3つのポイントを紹介します。どういったものを選べばよいのか迷っている人・どんなところに注意すればよいかわからない人は、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:家族と相談する

指紋認証キーは子供や高齢者とは相性が悪いです。また機器だけでなく、高齢者側も、指紋認証キーなどの新しい機器には抵抗感があります。家族全員の理解と協力がないと、安全な運用は難しいので、トラブル時の対応も含め、利用する家族全員で十分に話し合って必要な機能を持った鍵を見つけましょう。

ポイント2:認証タイプについて

上で紹介した通り、「指紋認証」以外にも様々な電子補助キーがあるので、実際に導入する際には本当に必要な機能を持った商品を探しましょう。

故障した時の事を考えると、物理的な鍵の付いたものが安心です。指紋、ICカード等、パスワード、鍵これらが全て付いたものが理想です。電子機器である以上、耐用年数もあるため、10年後位には付け替える事も考慮に入れ商品選びをすることをおすすめします。

ポイント3:業者選び

電子補助キーについての幅広い知識を持った業者は、まだ本当に少ないと思います。ネットで探す際は、出来るだけ施行例まで紹介してあり知識や経験の高そうなサイトを検討し、地元で探す場合は多くの業者と実際に話をする事で、良い業者と出会えるのではないかと思います。

電子補助錠を使った、キーレス生活は一度経験すると、もう元には戻れないくらい快適です。特にちょっとゴミ捨て等で家を離れる時も鍵を気にせずに家を空けられ、外出時に鍵をかけたかどうか心配する事もなく、子供が鍵をなくすといった心配もありません。

多少面倒なところもありますが、うまくつきあっていければ本当に便利です。もっともっと普及して、様々なニーズに併せた商品が出ることを期待します。


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