建築条件付きの土地の値段は高いのか?安いのか?

建築条件付きの土地の値段は高いのか?安いのか?

新築での注文住宅建築をめざして土地から探し始める場合、住宅を建てる土地の条件についてはいろいろこだわりたいのではないでしょうか。場所や周辺環境といった立地条件はもちろんですが、その土地そのものの条件についても気になるものです。

そこで今回は、新築住宅を建てるための土地探しにおいて一度は目や耳にしたことがある建築条件付きの土地について、メリットデメリットや購入時の注意点などをまとめてみました。

建築条件付きの土地ってどうなの?

まずは建築条件付きの土地が一般の土地と比べて違う点をつかんでおきましょう。

建築条件付き土地とはどんな土地?

簡単にいうと「一定の期間内に指定された施工業者で住宅を建ててください」という条件が付された土地のことをさします。この条件の内容は土地の販売者が設定します。

一般の土地はいつどんな住宅を建てるかは自由ですが、建築条件付き土地は建築請負契約の時期と住宅の仕様が制限されています。

建築条件付き土地のメリットとは?

建築条件付き土地を購入するメリットとしては次のようなものがあります。

資金計画が立てやすい

建築条件付き土地に住宅を建てる場合、どんな住宅を建てられるのかということがすでに決まっています。ということは住宅の大きさや構造、さまざまな部位の仕様なども決められた条件もしくはその条件の中で選ぶという形になるため、その土地を購入する時点である程度住宅の建築費用も把握できるということになります。

詳細な金額は実際に見積してもらって最終的な確定をするまで分かりませんが、おおよその資金計画は早い段階から立てやすいと言えるでしょう。

建売住宅よりは自由度が高い

土地に建てられる住宅の条件が付いていてある程度仕様がすでに決まっているとはいえ、これから住宅を建てていくのである程度希望を取り入れながら仕様を選択していくことは可能です。

構造や間取り、各部位の仕様を一から決めていくのはとても大変な作業ですが、施工業者から提示された仕様の中から選んでいくという作業が基本になりますから、完成までの打ち合わせはスムーズに進みやすいでしょう。

「注文住宅は欲しいけれど細かいこだわりはあまりない」という人にとってはメリットを感じやすいと言えます。

また指定された仕様よりもグレードを上げたいといった希望が部分的に出てくれば、金額の追加や施工業者の承諾があれば選択できます。より自分の希望に近づけることは不可能ではありません。

住宅の施工中の状態をチェックできる

建売住宅の場合はすでに住宅が完成しているため、基礎や構造部分等の見えない箇所に施工不良があるかどうかはチェックしようがありません。
しかしこの場合は一から住宅を建てるわけですから、施工途中の状態を都度チェックすることが可能です。

完成してしまってからでは見られない基礎や構造部分についても確認できるため安心感が持てるでしょう。

建築条件付き土地のメリットとは?

次に建築条件付き土地を購入するデメリットについて見ていきましょう。

住宅へのこだわりを反映しにくい

建築条件付き土地は施工業者が指定されていますから、たとえば木造建築専門の施工業者が指定されていれば木造住宅しか建てられませんし、鉄筋コンクリート造専門の施工業者が指定されていれば鉄筋コンクリート造住宅しか建てられません。

また水まわりや内外装の仕様もメーカーや商品のグレードが決められているため、基本的にはその中から選んで組み合わせていきます。グレードの変更やオーダー対応といったこともできなくはありませんが、指定期間までに完成できないような内容だと対応してもらえないこともあります。
住宅に対してこまかくこだわって進めていくということは実質的に難しいでしょう。

完成までの期間が短く焦ってしまう

建築条件付き土地のほとんどは、土地購入の契約がなされてから指定された期間内に住宅を建てなければいけません。その期間は土地によって異なりますが、3ヶ月以内に建築請負契約を交わさなければいけないというケースが多いようです。

しかし住宅を建てる上で決めなければならない項目は山のようにあるため、たとえば打ち合わせの時間が週末しかとれないといった場合だとかなり急いで決定していかなければいけません。ある程度仕様が決まっているとはいえ、建主が決める必要がある項目は多いので、時間との戦いという側面が強くなり、細部までこだわっていられないという状況に陥りやすいと言えます。

建築条件付き土地を購入する際の注意点

建築条件付き土地を購入するにはこのようなメリットとデメリットの双方があります。それらを把握した上で、指定された建築条件が納得できるものであれば購入を検討したくなりますね。

では建築条件付き土地を実際に購入する場合はどういった点に注意したらいいのでしょうか。

建築できる住宅の仕様を確認する

土地自体の立地や周辺環境の条件が自分の希望とかなり近い場合、すぐにでも購入契約を結びたいと考えるものです。しかしその土地に建てられる住宅が希望とかけ離れていたら意味がありません。

指定されている業者によって構造はほぼ決まってしまいますから、建てられる住宅の構造の条件に納得できるか、間取りや各部位の仕様が希望とかけ離れていないか、かけ離れている場合はグレード変更などに対応してもらえるのかといった点をよく確認することが重要です。

契約の効力期間や解除に関する内容を確認する

建築条件付き土地は、土地の購入契約を交わした後に建てる住宅の間取りや仕様などを確認して建築請負契約を交わすという流れですが、建築請負契約を交わすまでは土地の購入契約も最終的に完了していません。

また住宅の建築請負契約が完了すると、その後住宅が希望とは違う仕上がりになりそうだということになっても土地の売買契約は白紙には戻せず、手付金も基本的には戻ってきません。

土地の購入契約から住宅の建築請負契約に至るまでの有効期間や、万が一契約解除という事態になった場合はどうなるのか、希望に合わない場合は停止することができるのかなどを土地の販売者である不動産業者にあらかじめきちんと確認しておきましょう。

総予算を確認する

土地の購入金額と住宅の建築金額をある程度事前に把握できるのが建築条件付きの土地のよさでもあります。

仕様も気になるところですが、最終的に総予算がどれくらいになるのかもきちんと確認しておきましょう。

建築条件を外せないか確認する

土地の条件が気に入っているのでどうしても購入したい、けれど建築条件の通りだと思うような住宅が建てられない、そんなケースもあります。その場合は建築条件を外してもらえるかについても確認しましょう。

建築条件を外せないかと言われると、不動産業者は気に入っているのだなと分かるので土地の坪単価を少し上げるなど強気に出てくる可能性はあります。しかし金額が上がったとしても建築条件を外してもらって購入し、思うような住宅を建てる方がメリットが大きいのであれば交渉する意義は大きいでしょう。

注文住宅を建てるということは一生にほぼ一回のとても大きな出来事。できるだけ妥協はしたくないものです。

建築条件付きの土地が結果的に高いか安いかは、より希望に近い条件で住宅を建てられるかという点に尽きます。契約を検討する際はこまかい部分までしっかりチェックしていくことをおすすめします。


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