建て替えができない土地や再建築不可物件に注意しよう

建て替えができない土地や再建築不可物件に注意しよう

「気に入って購入を考えている土地に建つ住宅が住みにくそうだから」「親から実家を譲り受ける予定だが自分のライフスタイルに合わないので」といった理由で建て替えを考える人は多いかと思います。しかし法規制などの理由で建て替えできないケースが実は少なくありません。

そこで今回は、どんな土地や物件が建て替えできないのか、法的なチェックポイントと建て替え以外の方法についてご紹介します。

建て替えのさまざまな法規制

住宅の建て替えを検討する時は、話がかなり進んでから頓挫するといったことがないようにまず関連の法律に引っかかっていないかどうかを事前にチェックしておく必要があります。ここでは最低限知っておきたい内容をまとめてみました。

都市計画法のチェックポイント

国内の大都市部は都市計画法によって市街化区域と市街化調整区域に分かれています。建て替えを検討する土地や住宅がある土地はどちらの区域なのかをまずチェックしましょう。

市街化区域の場合

市街化区域とは建築物を建てられる土地をさします。ただし用途地域によって建築物の高さや大きさ、前面にある道路の幅、隣に接している土地との距離などに制限があります。建て替えは可能ですが、この区域では建ぺい率60%以内、容積率200%と指定されています。建ぺい率とは土地の広さに対して建てられる建物の広さ、容積率とはその土地に建てられる建築物の床面積の合計のことです。

市街化調整区域の場合

建築物を建てて市街化をめざすための土地である市街化区域に対して、逆に市街化を抑えるための土地を市街化調整区域と呼びます。この区域には基本的には一般住宅は建築できません。ただし市街化調整区域に指定される前から建っている住宅などはそのまま住み続けることは可能です。ただし古くなったから建て替えたいと思っても建て替えはできません。

災害危険区域の場合

かなり急な傾斜地で崩壊する危険性がある、高潮や津波などの自然災害にあう危険性が高いといった理由で建築制限をかけられている地域を災害危険区域と呼びます。各都道府県の条例によって人命や財産の安全を守るために指定されるもので、原則として建て替えは許可されていません。

建築基準法のチェックポイント

住宅を建てる際の法律といえば建築基準法。この法律でも建て替えできるかどうかの判断をするにあたってチェックしておきたいポイントがいくつかあります。

接道義務

建築物を建てる場合、その土地は建築基準法で定められた幅4m、地域によっては6m以上の道路に2m以上接していなければいけません。これを接道義務と言います。なぜこのような規制があるかというと、火災や地震といった災害が起きた時に避難経路を確保するためです。また消防車や救急車が進入しやすい広さを確保するためでもあります。

たとえば住宅地で住宅が密集しており自分の土地が道路に面していない、道路から路地状に土地があり路地状の幅が2m以下しかないといった場合は、その土地にある住宅の建て替えはできません。前述した接道義務がクリアできるよう土地を買い足すなどする必要があります。

敷地のセットバック

とはいえ昔からこうした土地に実際に建てられずっと住んでいる住宅もたくさんあります。こうした住宅は「敷地のセットバック」という方法をとります。敷地のセットバックとは、土地に接している前面道路の幅が4m未満の場合にその道路の中心線から2mまで後退した部分を空けておけばいいという方法です。もし将来的に道路を拡張する場合、セットバックをしておけば幅4mの道路にすることができるからです。

注意したいのは、セットバックした部分はみなし道路となるため建築物が建てられないということです。つまり自分の土地で建て替えもできるものの、住宅や塀がつくれない部分があるので利用できる土地の広さが減少するということです。建てられる住宅の大きさも縮小されるということを覚えておきましょう。

斜線制限

接道義務が土地に関する規制とすると、斜線制限は建築物の高さの規制と考えると分かりやすいです。

まずは絶対高さの制限です。
用途地域における第1種低層住宅専用地域と第2種低層住居専用地域になっている土地に建てる建築物は、10mもしくは12mのうち都市計画で定められたほうの高さに制限されます。階数でいうと3階建てまでです。

次は道路斜線制限です。
住宅系地域の場合は、前面道路の反対側の境界線から規定値の勾配でとった斜線から突き出して建築物を建てることはできません。前面道路の反対側の境界線からの適用距離は20~35mの範囲なので、これを超える部分は制限対象となりません。実際には敷地の条件によって適用される斜線が複雑になる場合もあります。

そして北側斜線制限というのもあります。
用途地域における第1種。第2種低層住宅専用地域と第1種・第2種中高層住居専用地域に適用される制限で、一定の立ち上がりと勾配の組み合わせによって決まります。自分の土地の北側にある隣地の採光や日照や通風を確保するために行う制限です。

再建築不可物件とは?

これまでは土地に対する制限を見てきましたが、建物に対する制限もチェックしておく必要があります。ここでは再建築不可物件についてまとめました。

既存不適格物件

建築物を建てた後に法改正があったために「その法律に適していない」と見なされた建設物をさします。用途地域の変更や高さ制限、耐震基準などの法改正を満たしていない建築物と考えると分かりやすいでしょう。

あくまでも現行の法律に適していないということであって、建設した当時は法的にはクリアしているので、現在の状態で建っていて生活する分には特に問題ありません。ただし建て替えたいとなった時は現行の法律の基準を満たさなければいけません。実質それが難しく建て替えられない場合がほとんどです。

接道義務を満たしていない土地にある物件

「都市計画法のチェックポイント」で触れた接道義務を満たしていない土地に建てられている建築物も原則建て替えはできません。ただし土地やその周辺状況によっては接道義務を満たしているとみなされる場合がありますから、都度確認が必要です。

建て替えではなくリフォームやリノベーションを検討しよう

購入を検討している土地や物件が建て替えできない条件であった場合は、現存の建物を活用してリフォームやリノベーションによって住みやすい住宅にできないかを考えてみるのがおすすめです。なぜなら建て替えだと義務になる役所への建築確認申請の提出が不要だからです。

屋根や柱などの構造体があまり傷んでいないのであればスケルトン状態、つまり構造体だけ残して間取り全体を変更するなどのリノベーション工事を行うか、傷みが目立つ内装や住宅設備機器を交換するリフォーム工事を行うことで、建て替えなくても使い勝手はずいぶんよくなります。

最近は古い建築物ならではの独特な雰囲気を好む人も多く、リフォームやリノベーションによって建て替えでは出せないあたたかみを味わえます。たとえば実家なら思い入れのある床柱や欄間を残すといったこともできますから、検討する意味は大きいでしょう。

建て替えできないと聞くとデメリットの面にどうしても注目してしまいがちです。しかしまずは対象の土地や物件について法的な部分をしっかり確認する、建て替えだけでなくリフォームやリノベーションも検討してみる、こうしたアプローチもぜひ試してみてくださいね。


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