注文住宅でのシロアリ対策の費用相場とダニやカビ対策

注文住宅でのシロアリ対策の費用相場とダニやカビ対策

大切な資産である注文住宅を新築するのはいいけれど、気になるのがシロアリ等の害虫やカビ・ダニの発生です。新築時からしっかり対策をとってできるかぎり被害を出さないようにしたいものです。

そこで今回は、さまざまな害虫やカビ・ダニの発生を抑える対策のポイント、対策費用の相場について解説します。

シロアリが発生する原因と対策

新築注文住宅の中でもっとも建築数が多い木造住宅。しかし構造体が木材である以上シロアリが発生する可能性はゼロではありません。新築時にとれる対策としてどのようなものがあるのでしょうか。

シロアリが発生する原因

シロアリが大好きなのは自らの餌となる湿った木材や段ボールです。水はけの悪い土地で床下換気口が適切な大きさを確保できていないと床下に湿気がたまりやすくなり、シロアリが好んで集まり繁殖しやすくなる環境ができます。

また施工不良などで外壁にすき間があると水分が入りやすく湿気やすいため、やはりシロアリが侵入して壁や柱に住み着くことになります。

こうした環境を作り出すのは住宅外部だけでなく、住宅内部からの可能性もあります。浴室や洗面室などはお湯を長時間使うことが多いため空気が湿りやすく、内装材にすき間があるとそこから湿気が構造体に入り込んでシロアリが集まり、大量に増えていってしまいます。

発生させないための対策と対策費用の相場

近年増えてきているのはベイト工法という薬剤を散布しない対策法です。基礎の端や配管まわりなどシロアリが侵入してきやすいすき間をベイト剤という薬剤を塗布した木材で埋め、薬剤を食べたシロアリが巣に持ち帰ってシロアリを巣ごと退治します。

住宅に住む人への健康を脅かす心配はありませんが、効果が出るまで数ヶ月かかります。費用は建物の外周1mにつきあたり4,000~8,000円です。

シロアリを寄せ付けない薬剤を床下や床の構造材である木材に散布するバリア工法は、即効性がありますがシックハウスや独特のにおいなど別の問題が出ることがあります。費用は1坪あたり6,000~10,000円です。

ダニが発生する原因と対策

多くの種類に分類されるダニは、かゆみや湿疹などを引き起こしたりアレルギー疾患の原因になるやっかいな害虫です。

目視できる大きさではないため存在自体を自覚しづらいですが、人にとっては健康被害を与える存在。特に小さな子どもがいる場合は呼吸器系疾患につながる場合もありますから、できる限り発生を予防したいですね。

ダニが発生する原因

ダニが発生し繁殖しやすい環境は、室温が22~28、湿度が60~85%という条件がそろった時です。この状況が長く続くと爆発的に繁殖します。

以前は梅雨時がもっとも繁殖しやすいとされていましたが、気密性の高い住宅が増えたこと、夏季や冬季でもエアコン等の空調設備によって温度や湿度を管理しているケースが多いことから、発生のリスクは年中あると言えそうです。

就寝中の汗を吸った布団のある寝室、小さな子どもがいる場合食べかすなどが床に散らばりがちなダイニングやラグを敷きっぱなしにしているリビング、」天然素材の畳を敷きこんでいる和室などは、特にダニが発生しやすい箇所です。

発生させないための対策

入居前の新築住宅の場合は、竣工してから引っ越しまでの間に室内の換気をしないままにして湿気がこもっていると発生する可能性が高まります。短時間でもいいのでできるだけこまめに換気を行っておくといいでしょう。

入居後はとにかく掃除を徹底すること、窓を開けて換気することを意識しましょう。寝具に繁殖する確率が高いため布団用の掃除機ノズルを使って毎日きれいにするのがおすすめです。

ダニはダニそのものももちろんですが死骸もアレルギーを引き起こす原因になりますから、拭き掃除+掃除機がもっとも確実に発生を抑えられます。

カビが発生する原因と対策

ダニと同様に発生や繁殖が心配なのがカビですね。築年数が浅くてもカビは発生する可能性があります。

カビが発生する原因

カビが発生する原因としてもっとも可能性が高いのは結露です。冬季にぐっと下がった外気が触れる窓部分で、暖房によりあたためられた室内の空気が冷やされて水分となる現象が結露です。放置しているとサッシのコーディング部分やカーテンの裏地、サッシ枠などにカビが発生します。

そのほか、空気の流れが停滞しやすい場所も発生しやすいと言えます。家具の背面部分の壁やエアコン内部、浴室のタイル目地などはその代表的な箇所。湿気が高く汚れがたまりやすいとカビが発生しやすくなります。

発生させないための対策

新築時、間取りプランを検討する際は窓の配置をチェックしましょう。居室においては対角線上に2ヶ所窓があると室内全体に風が回りやすくなります。また窓の位置に高低差があると風圧で風が通りやすいので、対角線の配置が難しければ高低差をつけてもいいでしょう。

入居後は換気をしっかりすること、汚れをためない、この2点を意識して住宅のケアをしましょう。天気のいい日は窓を開けてしっかり換気するかエアコンの除湿機能を使う、家具は壁にぴったりつけず少しすき間を開けて置くといった工夫が必要です。

エアコンはオフシーズン前に内部をしっかり洗浄しカバーをかけておく、浴室は入浴後に軽く水気をふきとって換気扇を回したままにするなどを心掛けると、カビの発生はかなり抑えることができます。

シロアリ以外の害虫が発生する原因と対策は?

新築住宅であっても、生活環境をダウンさせる害虫が発生することはあります。住宅内であればゴキブリ、外部であればハチなど代表的な害虫です。これらの発生原因を知って対策をしておくことも、快適な生活を送る上では欠かせません。

ゴキブリが発生しやすい環境と対策

ゴキブリは温かく、湿った環境を好みます。また食べ物のカスや飲み物のこぼし跡などをエサとします。ゴキブリの姿を見るのは夏が多いですが、実際には外気温が下がる冬季に過ごしやすい環境を求めて住宅内に入ってきます。

住宅は換気扇や水まわりの配管部分など外から侵入できるすき間がたくさんあります。できるかぎりこのすき間をふさぐこと、室内を清潔に保つこと、が大切です。特に残飯のにおいは外にいるゴキブリを引き寄せてしまいますから注意しましょう。

ゴキブリ用駆除剤やホウ酸団子を定期的に交換しながら置くのも効果的です。意外としられていないのが庭の植物。土や植物はゴキブリのエサのひとつなので、屋外用の駆除剤を使用するといいでしょう。

ハチが巣をつくりやすい住宅と対策

ハチが住宅に巣をつくる場所は雨をしのげて出入りが簡単な所です。軒下や屋根裏、雨戸シャッターの収納部分や生垣といった場所が多いと言われています。

構造上ハチが巣をつくりにくくするというよりは、入居後にハチが近づかないような対策をとる方が有効です。ハチが巣作りをする時期が近づいてきたら軒下に殺虫剤を吹き付けておく、屋根と屋根裏などのすき間に金属製のメッシュをかけて侵入を防ぐ、庭の植栽を短めに刈っておくといった点を心がけておくといいでしょう。

せっかく手に入れた注文住宅が害虫やカビによって予定よりも早く劣化したり、住みにくくなったりするのはできるだけ避けたいですね。住宅のメンテナンスのひとつとして、上記の項目を定期的にチェックし実践していくことをおすすめします。


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