売買契約書は基本的に仲介してくれる業者が作成してくれますが、契約書の内容にはしっかり目を通すようにしましょう。また、売買契約から物件引渡しまで1ヶ月程度掛かるので、その間に売主が準備しておく項目についても確認しておきましょう。
ここでは売買契約書のチェックポイントと物件引渡しまでにやっておく内容などを簡単に説明していきます。契約書はこまごまと難しい言葉が並んでいるので、全てを理解するのは難しいと思いますが、要点部分だけでも押さえておくようにしましょう。
売買契約書のチェックポイント
契約書にサイン捺印してしまうと、簡単に解除・解約はできません。そのため自分に不利な内容で契約しないためにも、チェックしておくべきポイントの確認を怠らないようにしましょう。
契約書をチェックするときの3つのポイント
大きく分類するとチェックしておくべきポイントは以下の3つです。
- 自分の要望が記載されているか?
- 買主側の要望を確認する
- 内容がわからない要望・項目がないか?
基本的には、この3つに注意しながら契約書をチェックしていけば問題ありません。
とくに大事になるのが、買主側からの要望に関してです。当然これまでの話し合いによって売買条件などは決めてこられたと思うので、売主側との話し合いに無かった項目や条件が追加されていないか、しっかりとチェックしてください。
具体的なチェック項目
ここでは、その他のチェック項目をより細かく紹介していきたいと思います。
- 売買価格は間違いないか?
- 物件の所在地
- 手付金の受取日と金額、その支払い方法
- 残代金の決済日と支払い方法
- 物件の引渡し予定日
- 土地の測量に関する項目(日程・金額の負担・面積に増減がある場合の金額など)
- 手付け解除の時期と金額
- 瑕疵担保責任の内容と期限
- 付帯設備の取り扱いについて
- 住宅ローン特約の内容と期限
- 危険負担の内容に関して
他にも確認する項目は数多くありますが、最低でも上記の内容だけはしっかりと確認しておくようにしましょう。戸建ての売買であれば、上記のチェック項目はほぼ全て記載されていると思います。
売買契約までに準備する物と諸費用
売買契約書は仲介業者が作成してくれますし、ほとんどの必要書類も業者が揃えてくれます。売買契約時に売主側が特別用意するような書類は基本的にありません。
厳密にいうと以下のような書類の提出を求められますが、一般的には売買契約前に提出しているので、契約時に改めて用意する必要はありません。
戸建て売買で準備しておく書類一覧
- 登記簿謄本(土地・建物)
- 購入&建築時の各種契約書(重要事項説明書含む)
- 家の仕様書と建築図面
- 土地の測量図
当初はこれだけの書類が準備できれば問題ありません。後は話が進んでいくにつれ仲介業者から必要な書類を請求されますので、その都度準備して行けば大丈夫です。
その他、準備しておく書類一覧
- 実印&印鑑証明
- 登記済権利証
- 固定資産税評価証&納付書
- 境界確定測量図
- 本人確定ができる身分証明書
- 手付金の領収書
戸建て売買にかかる諸経費一覧
- 仲介手数料(物件価格の3%+6万円に消費税)
- 印紙税15000円(物件価格が1000万~5000万以内)
- 登記抹消費用15000円~50000円程度(司法書士への報酬含む)
- 住宅ローン返済の事務手数料5000円程度
売買契約時に必要になる諸経費は仲介手数料を除けば、5万円~10万円ほどで収まる金額だと思います。ただし、境界測量などを行う場合は、別途費用が発生しますし、確定測量となれば30万から50万ほどの費用が掛かります。
売買契約から引渡しまでの流れ
売買契約が終わると、残金の決済を待つばかりです。一般的には残金の決済と同時に物件の引き渡しも行われるので、それまでに引越しなどを済ませておくようにしましょう。
残金の決算はいつごろ?
買主側の住宅ローン状況が大きく絡んでくるので、一概に何日後という決まりはありませんが、一般的には売買契約から1ヵ月後くらいになるケースが多いようです。
買主側が住宅ローンを利用せず、現金支払いでの購入を希望するのであれば、売買契約と同時に引渡しまで終わらせるケースもあります。
残金の決算は買主側が利用する、住宅ローン融資先の金融機関などで行われることになります。手順としては最初に残金の決済を行い、所有権の移転登記を行います。それらの作業が無事終了してから物件の引渡しという流れになります。
全ての契約内容が無事に終了したら、仲介業者へ仲介手数料を支払うことになります。売買契約時に仲介手数料を請求してくる業者もいますが、絶対にすべての業務が完了してから支払うようにしましょう。
決済・引渡しまでに済ませておくこと
売買契約から引渡しまでに1ヶ月ほどの猶予がありますが、その間に引越しを済ませることは当然なのですが、それ以外にもやらなければならないことが多くあります。
所有権移転登記に必要な書類などの準備
基本的には依頼する司法書士のほうで必要な書類等は準備をしてくれますが、登記証などを紛失してしまい、所在がわからない場合は早めに相談するようにしてください。
抵当権抹消に必要な書類の準備
住宅ローンが残っている場合はもちろん、すでに住宅ローンを全額返済終わっている場合でも抵当権抹消を済ませていない人は珍しくありません。融資を受けている金融機関に確認しておくようにしましょう。
土地の境界確定と測量
確定測量を過去に済ませていれば大きな問題はありませんが、境界などが不明確な場合は隣地所有者が立会いのもと測量を行うことになるので、隣地所有者とのスケジュール確認などをしっかりとやっておきましょう。
付帯設備の最終確認
売買契約までに撤去するもの、残しておくものなどの付帯確認は終わっていると思いますが、引渡しの前に再度、引越しが終わった段階で付帯設備確認書と照らし合わせながら買主と仲介業者立会いで行ってください。
新居への引越し
転勤シーズンなどになれば引越し業者を抑えるのにも一苦労します。なるべく早い段階で引越しスケジュールを作り、業者の手配をしておきましょう。
~まとめポイント
売買契約は、スケジュールの中でも一番重要なポイントになります。通常は仲介業者が契約書の内容を読み上げて終わるケースが多いのですが、それが後々のトラブルの原因になりやすいのです。
自分が契約書のどの部分に注目するべきなのかを理解していれば、トラブル防止にもなります。また、戸建て売却では、境界トラブルも多く発生します。まずは境界が明確になっているのかを最初に調べるところから始めることをおすすめします。