築10年以上は価値なし?家売却時の相場を調べる方法

築10年以上は価値なし?家売却時の相場を調べる方法

マンションの売却と違い、戸建て住宅を売却する際に難しいのが、売却相場の見極めです。

おおよその売却相場がわからないことには、売却する決断ができない人も多いですし、売却と同時に新居の買い替えを検討している人も計画が立てづらくなります。

また戸建て住宅の場合、建物の築年数問題もあります。築年数が経過した中古住宅は、建物の価値が半減してしまい、なかなか計画しているような価格で売却できない物件も少なくありません。

どのタイミングで売却するのが一番良いのか、築年数が経過している戸建て住宅は本当に建物の価値がないのか、これらについても解説していきます。

築年数が10年以上だと価値なし?

「戸建て住宅を売却するなら、築10年以内の方が高値で売れる!」
「築10年を過ぎた戸建て住宅は建物に値段はつかない。」

このような話しを聞いたことがありませんか。不動産業界で昔から言われている都市伝説のようなものです。

「築10年が過ぎた建物の価値が0円」というのは、正直言いすぎです。しかし、実際に価値が大幅に減少しているのは否定できません。

出典:国土交通省資料
http://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf

このグラフは国土交通省が開示している「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」という資料の一部です。

このグラフをみてもらってもわかるように、木造住宅の価値は10年目で約50%まで減少しています。マンションが10年で約25%減なのと比べると、やはり戸建て住宅の価値はかなり低いことがわかります。

さらに築20年では、戸建ての建物価値は新築時の15%ほどしかないこともわかります。

すごく端的にいうと、新築建築費2,800万円だった家は、10年後に半分の1,400万、20年後にはおよそ400万円ほどでしかないことになります。

これは、木造住宅の「減価償却期間」が関係してます。木造住宅の減価償却年数は22年(マンションは47年)として計算されるので、この22年を目安に建物としての評価価値はほぼ0円になると考えてください。

新耐震基準がポイント

そしてもう1つ、戸建ての建物価値を決める指標があります。それが「旧耐震基準」と、「新耐震基準」のどちらで建てられている家なのかということです。

「耐震基準は建築基準法」という法律によって定められてるのですが、1981年の6月から大幅に改正されることになり、それ以降の建物は「新耐震基準」、それ以前に建てられているものを「旧耐震基準」とされています。2017年現在であれば、築36年が目安になります。

費用対効果を考えるならば、築36年以上が経過している建物は、解体して更地として売り出すか、一般の不動産売買ではなく業者による買取を検討するのもありだと思います。

古い家は買取もおすすめ

旧耐震基準の建物を、現行の新耐震基準に沿うようリフォームして売却することもできるとは思いますが、先ほども言ったように、例え新耐震基準の建物にリフォーム工事をしても、築年数的に建物そのものの価値は限りなくゼロに近いことになります。

その場合、多額の費用をかけてリフォームする意味は少なく、そのままの形で売却できる業者買取という選択肢が現実的でしょう。

業者による買取であれば、一般の売買のように「瑕疵担保責任」を負う必要もありませんので、売却後の心配は皆無です。

瑕疵担保責任とは
まず瑕疵とは、目に見えない部分の不具合という意味で、雨漏りや配管の腐食などを言います。物件の引渡し後であっても、この瑕疵による不具合が発見されたとき、その責任は売主にあり、補修や修繕の義務があります。

ただ一般の不動産売買よりも、買取価格は割安になるというデメリットがあります。

ですので、買取価格が安価になってしまうことと、一般売買での瑕疵担保のリスクやリフォーム工事の費用などを比較検討し、総合的にどちらが賢い選択なのかを見極める必要があります。

そのために必要となるのが、売却相場や、売却査定ということです。

売却査定価格に影響する項目

売却査定の額そのままで売れるわけではありませんが、やはり少しでも高値の査定価格をつけて欲しいと思うのが本心だと思います。

ですので査定価格に影響を及ぼすポイントをいくつか紹介します。査定価格を上下するポイントとして知られているものには、以下のようなものがあります。

家の造りや構造

家の構造も査定ポイントとなります。一般的には「RC>鉄骨>木造」という順番で評価されます。

また間取りも大きなポイントです。ちょっと驚かれるかもしれませんが、注文住宅よりも建売住宅の方が建物としての評価が高いです。その理由は、万人受けする間取りの住宅が多いからです。

注文住宅は自由設計のため、建築主の個性が間取りに現れてしまいます。しかし建売住宅というのは万人受けすることように、ごく平凡な間取りで建てられている物件が多く、中古住宅として売りに出したとき、建売住宅の間取りの方が受け入れられやすいのです。

築年数

築年数は当然浅いに越したことはありません。一番高く評価されるのが築5年以内。次に築10年以内です。残念ながら築10年を超えると、建物としての評価は大幅にダウンしてしまいます。

上記でも説明しましたが、木造住宅の場合だと減価償却期間となっている「築22年」を目安に建物としての価値はほぼゼロとなります。

戸建ての場合だと、築30年や築40年という物件も珍しくありませんが、残念ながら建物のとして価値は限りなくゼロと思ってください。この場合の査定ポイントは基本的に土地の価値のみとなります。

建物の状態

仮に築20年の建物であっても、途中で外壁塗装や内装リフォームしている建物の方が、査定価格としては格段に高い評価を受けます。

特に最近高額査定のポイントとなるのが、バリアフリー住宅へのリフォームであったり、断熱性能をアップさせるためのリフォームです。

間取りを変更するようなリフォームよりも、建物の寿命を伸ばすことが目的であったり、高齢者社会に向けたリフォームの方が高い評価を受けやすいと言えます。

地域や立地、周辺環境

建物とは関係ないのですが、立地や周辺環境は査定額にも大きく影響します。

利便性が良い土地であれば、建物が多少古くても需要が高いので高額査定になりやすいです。ですので売却査定を受ける際は、立地や周辺環境をアピールすることも忘れないでください。

仲介業者の良し悪し

依頼する業者によって、査定額は大きく異なることが多々あります。冒頭でも言ったように、中古住宅の場合は、建物の築年数によって大幅に評価が変わってきます。

築20年を過ぎた建物に対して「評価ゼロ」とする業者もいれば、築20年でも30年でもしっかりと評価をつけてくれる業者もあります。

建築当時の10%であっても、建物に対して評価額を出してくれる業者の方が、高値で売却できる可能性が高いです。

そのためには、1社だけに査定依頼するのではなく、可能な限り多くの業者に査定を依頼するほうが、高値査定になることは間違いありません。

ただ、媒介契約欲しさに高値査定を出してくる不動産業者もありますので、しっかりとした根拠や販売戦略を持った上で高値査定を出してくれる業者を選ぶ必要があります。

1社でも多くの業者の話しを聞き、本当に信頼してお願いできる業者をみつけることが、早期売却だけでなく、高値売却の近道だと思います。

といっても、名前も聞いたことがない不動産業者に査定や仲介をお願いするのは不安という人もいるでしょう。そのような場合は、大手仲介会社だけに一括査定依頼ができる「すまいValue」を利用してみてはどうでしょう。

登録してるのは「三井のリハウス」、「住友不動産販売」、「東急リバブル」、「小田急不動産」、「三菱地所ハウスネット」、「野村の仲介」という、まさに不動産業界のビッグネーム6社だけなので、安心してお願いすることができるはずです。

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相場を自分で調べる方法

家の売却をするのであれば、不動産会社に査定をお願いするのは当たり前のことです。しかし、売却を検討している段階なので、まだ査定をお願いするのは気が引けるというという人もいるはずです。

そんな場合は、無理に業者に査定を依頼しなくても、自分でおおよその売却相場を調べることができますので、売却するかどうかの判断材料にすることができます。

ここでは、とりあえずどれくらいで売却できるのか、だいたいの相場が知りたいという人のために、自分で簡単に売却相場を調べる方法を紹介します。

レインズマーケットインフォメーション

まず最初に紹介したい相場の調査方法は、「レインズマーケットインフォメーション」というサイトを使用した方法です。

レインズというのは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しており、日本全国の不動産会社が利用している情報データベースのことです。

ただし、このサイトは不動産業者しか利用することは出来ないのですが、そのかわりレインズに登録されている、売買情報や過去の売買履歴の一部を一般公開しているのが、この「レインズマーケットインフォメーション」というサイトです。

本家のレインズほどの細かなデータをみることはできませんが、おおよその売却相場を調べることはできます。

使い方は簡単で、トップページで「マンション」と「戸建」の情報が選べるようになっています。

戸建ての情報を知りたいのであれば、戸建の方の都道府県と地域をプルダウンメニューで選択し、検索ボタンをクリックするだけです。

たったこれだけで過去の取引情報を調べることができますし、さらに細かく地域や取引時期、取引価格などを指定することもできます。

レインズマーケットインフォメーションはこちら

土地総合情報システム

もう1つ過去の取引事例を調べることができるサイトを紹介します。

「土地総合情報システム」というサイトなのですが、土地だけでなく中古住宅や中古マンションの取引事例を調べることもできます。

個人それぞれ好みはあると思いますが、管理人としてはレインズマーケットインフォメーションより、こちらのサイトの方がおすすめです。

国土交通省が実際の不動産取引を元にデータベース化しているサイトなので、安心して利用できるサイトです。

トップページは初心者でも使いやすいように、大きな日本地図があり、都道府県をクリックするだけでも簡単に調べることができるサイトになっています。

さらに細かく調べる地域や条件を指定したいときは、左側に配置されているメニューを選択していくだけなので簡単です。

検索手順
  1. 取引時期を選択します。
    ※とくに指定がなければ初期設定のままでOKです
  2. 種類を選びます。
    ※今回は中古住宅なので、「土地と建物」を選択しました
  3. 地域を選びます
    ※都道府県、市区町村、地区の3つを選ぶことができるので、より調べたい地域を特定することができます
  4. 最後に「この条件で検索」をクリックするだけです。

この手順で進めていくと、該当する物件が一覧で出てきますので、さらに詳しく知りたい物件の番号をクリックすると、より詳しい売買履歴をみることができます。

不動産取引価格情報検索はこちら

不動産ポータルサイトを利用する

上の2つは、過去の取引履歴をもとに売却相場を調べる方法でしたが、単純に今現在売りに出されている近隣物件の販売価格を参考にして、自分の家の売却相場を調べるという方法もあります。

これが一番ポピュラーでわかりやすい方法でもあるのですが、中古マンションと違い、戸建て住宅は近隣に売り物件が少ないのと、土地の広さや間取りによっても価格が違ってくるので、判断する基準が少ないのがネックでもあります。ですので、ここで調べる価格はあくまでも参考程度にしましょう。

調べ方も簡単で、SUUMO(スーモ)やHOMES(ホームズ)などの、大手不動産ポータルサイトを利用すれば簡単に調べることができます。

この場合は、普通に中古住宅を買うつもりで、中古住宅を探してみてください。近隣に売りに出されている中古住宅などから、築年数や土地の坪数が似てる物件を探せばだいたいの売却相場が見えてくるはずです。

一物四価(五価)で調べる

一物四価(五価)で調べる方法は、これまで紹介してきた方法と比べると、初心者には少しハードルが高くなってしまうかもしれませんが、実際にプロの不動産会社が売却査定に利用してる方法になります。

一物四価とは、1つの物に対して4つの価値(価格)があるという意味です。わかりやすく言うと、1つの土地に対して4つの価格があるという意味です。

その4つの価格というのが以下になります。

  • 『実勢価格』…実際に売買取引されている価格
  • 『基準地価公示価格』…国土交通省が毎年公開している、その土地の評価価格
  • 『路線価格』…国税庁が毎年公開している相続税や贈与税を算出するための参考価格
  • 『固定資産税価格』…市区町村が固定資産税を算出するための参考価格

これら4つの中だと、「実勢価格」が実際に不動産取引されている価格のことなので、それ以外だと「基準地価公示価格」が一番実勢価格に近く、信憑性が高いとされています。

基準地価公示価格の調べ方ですが、この価格は簡単に調べることができます。使用するサイトは、さきほど紹介した「土地総合情報システム」です。

調べ方が少し違ってくるのですが、こちらの方がより簡単かもしれませんので、図で解説します。

「土地総合情報システム」のトップページから、日本地図で調べたい都道府県をクリックします。今回は千葉県とします。

するとこのような地図が開きますので、地図上にあるオレンジ・ピンク・水色の「◯」を探してください。この「◯」がある部分が、地価公示価格の調査ポイントです。

先ほどの地図を拡大したものです。「◯」の色が違うのは用途地域の違いです。

調べたい地域の「◯」をクリックすると、このように小窓が現れますので、「詳細表示」をクリックすることで、詳細画面が開きます。

この中で注目するポイントは「価格」の欄です。この図だと「価格=59,700円(㎡)」となっているので、1㎡あたり土地の価格相場は59,700円となります。

これを1坪に換算すると、1坪は3.30579㎡なので、「59,700円×3.3」で計算すれば、1坪あたりの価格は約197,000円であることがわかります。

つまり50坪の土地だと、「197,000円×50坪」となるので、売却相場は土地代だけでおよそ985万円ほどになる、といった計算方法です。

最終的には仲介業者の力量次第

売却価格の相場の調べ方について解説しましたが、やはり実際に売却するとなれば、不動産会社などプロの目線でしっかりと売却査定をしてもらわなければなりません。

プロの不動産会社でも、実は、コレと決まった査定方法があるわけじではありません。

A不動産は実勢価格に基づく査定額を提示してくれるかもしれませんし、B不動産は公示価格から売却査定額を算出しているかも知れません。

どの計算方法で算出された査定額なのかを知ることで、売却をお願いする不動産業者選びのポイントにもできます。

このように多くの査定方法があることを理解しておけば、一括査定サイトで売却査定を依頼したとき、信頼できる業者とそうでない業者の選定が楽になるはずです。

一括査定を依頼する人が増えている昨今において、これは非常に大きなメリットだと思います。

まとめ

戸建て住宅の売却で一番難しいのが、建物の価値を正確に見極めることだと思います。

不動産業者によっては、「建物は築10年を過ぎると価値が0円になります」という場合もあれば、「思い出がたくさん詰まった家ですから、築年数が古くてもしっかり査定額をつけておきました」と言ってくれる業者もあります。

売却査定はあくまでも、ただの査定にしか過ぎませんが、やはり心情的に少しでも高値をつけてくれる業者に売却の仲介をお願いしたと思うはずです。

また、売却するかどうか迷っている人も多いはずです。そのような状況で業者に査定は出せないという方は、こちらの記事で紹介した方法を使って、自分で調べてみるのもいいかもしれません。

正確な価格でなくても、おおよその売却相場がわかれば、売却するのか、しばらく様子をみるのかの判断材料にもなります。

もし自分で売却相場を調べて、売却すると決めたのなら、一括査定サイトなどを利用して業者選びを始めましょう。

業者選びでも、信頼して任せることができる業者を選ぶことが、家売却成功のカギです。自分の中に相場観をしっかりと持って、悪い業者に引っかからないように売却活動を進めていきましょう。


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目次一覧

家を売却するまでの流れ

高く売るために重要なポイント

売却理由別の注意点

特に気をつけたいポイント

よくある質問