マンションの管理費と修繕積立金を理解しておこう!

買う前に理解しなきゃダメ!マンションの管理費と修繕積立金

マンションを購入する時、物件の値段や家具、税金のことは気にしていても、10年後または老後の物件に関わるランニングコストを気にしている人は少ないでしょう。しかし、マンションも劣化します。長く住めばメンテナンス代が必要になります。

高齢化社会となった今、マンションの管理費修繕積み立て未納問題が出て来ているのも自然なことなのかもしれません。そこで、マンションを購入するスタート時から未来の自分のために、管理費と修繕積立金について「理解」しましょう。

どこが占有でどこが共有?

マンションには、住戸と共有部が存在します。契約書に出てくる名称を使うと、「区分所有」「専有部分」「共用部分」です。マンションでは、建物のなかの専有部分と共用部分や敷地をどうやって維持していくのかを扱うのが、「管理」です。

マンション内のルールや建物の維持管理を司る「管理」を知る事は、購入したいマンションでの住環境を見渡す事と同じ効果があります。

参考までに、分譲マンションの専有部分と共用部分を一覧にしてみてみましょう。

建物 専有部分と共用部分がある。
専有部分には、制約がある。
立て替えには5分の4以上の賛成が必要とされている。
土地 購入者の共有物
土地のみ処分する事はできない。
維持・管理 管理組合をつくり、建物の共用部や敷地の管理をする。
管理費や修繕積立金を徴収する。

簡単な一覧にしただけでも、共有部と占有部が珠玉混在していることがわかります。

例えば駐車場やトランクルームなどは、一見専有としたほうが使い勝手がいいと思うかもしれませんが、敷地や建物についての権利関係が多岐にわたり複雑化すると、必ずトラブルを招きます。

専有が多いとメンテしづらい?

これまで述べた通り、マンションには、専有部と共有部があります。多くのマンションでは、管理組合の運営は、多数決で行われます。

「区分所有法」では、多数決が基本とされているため、区分所有者数と専用部の面積に応じた議決権がベースとなります。専有部分も共有部分もメンテナンスが必要ですし、いずれ何らかの変更を余儀なくされるものです。

そこで、専有部が多すぎるマンションは、全体としての合意を形成しづらいのです。専有部分が多い=権利関係が複雑化する前兆とみて、注意しましょう。

管理費と修繕積立金ってなに?

マンションに関わるお金は、大きく2種類に分けられます。1つ目は、「管理費」です。フロントやお掃除、日々の細々とした業務に仕様したり、毎月支払いの必要が生じるものです。

2つ目は、補修にまつわる費用です。これは、主に修繕工事費用として数年~10年おきに発生する費用で、金額も大きくなります。このように大きな出費に備えるためのお金を修繕積立金と言います。

修繕費は、建物を長く使うために必要不可欠なものですが、資材や人件費等実際にかかる費用にたいして積立金が不足することも多々あります。そこで、積立金にたいして物価の水準にあわせて引き上げる予定になっていたり、当初から将来まとまったお金を支払う決まりになっていたりします。

新築分譲の場合は、これらの説明が必ずなされますが、10年単位で先のことでは記憶に残らない事も多いでしょう。ある日びっくり、困ったという事態に陥らないためにも修繕費の動向は、事前に把握しておきましょう。

管理会社の違いは?

最後に、マンションには、絶対必要なパートナー=管理組合について整理します。

マンションの管理を専門に扱う会社が日本には、約2,400社あります。「マンション管理適正化法」が、2001年に施行されたにより国交省に登録が義務づけられているので、マンション管理会社の質には一定の基準ができていると考えてよいです。

マンションの管理は、建物の寿命に大きな影響があります。マンションを購入するときには、どんな管理体制になっているのかを見定める事がとても大切なのです。

では、どのように見分ければよいのでしょうか?たくさんの管理会社がありますが、これらの管理会社は、4つのカテゴリーに分類する事が可能です。それぞれの特徴を把握して、自分の大切な不動産を健康に保つためのパートナーを見極めましょう。

ビルメンテナンス系管理会社

もともとオフィスビルのメンテナンスから発展し、マンション管理会社になっています。専門スタッフが豊富で、ビルや設備に関するノウハウが豊富という特徴があります。管理組合の運営サポート力については、会社により大きな差があります。

デベロッパー系管理会社

マンションを分譲している不動産会社の管理部門から発生しているため、デベロッパーが親会社であることが多いです。必然的に、親会社の分譲物件を管理することがおおく、管理が安定していることから信頼が高い会社が多い特徴があります。

設計、建設を関連会社がてがけていることから、必要に応じて設備や建設に関する情報にアクセスしやすく大手が多いです。親会社の影響をうけやすいため、管理組合の利益よりも親会社の利益を優先しないようチェックが必要です。

独立系管理会社

中小企業に多く、低価格を売りにしているところが多いです。他の管理会社から変更するようなリプレイスを積極的にしかけており、大手のマーケットに食い込んでいます。ただし、低価格であることと業務の質は、しっかり見定めなければなりません。

ゼネコン系管理会社

マンション建設を多く手がけている建設会社が設立していることから、建築元が親であることから、建物、設備に詳しく管理受注も安定しています。親会社の利益を優先するなど、マイナスの影響を受けていないかチェックが必要です。


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