売却理由の伝え方に注意しよう

更新日：2023年12月12日、[PR]

売却の理由というのは、必ず買主側から質問される項目のひとつです。ここで変に隠したり、言葉を濁すような態度を取ってしまうと買主側の不安を増幅させるだけで、マイナス要素となる可能性があります。

前向きな理由、後ろ向きな理由

どのような売却理由が「前向き」だったり「後ろ向き」になるのか、具体的な理由をいくつか挙げておきます。

前向きな売却理由

• 転勤など、仕事上の問題での売却
• 親の介護など、家族と同居するための売却
• 住み替え、買い替えのための売却
• 相続した物件の売却
• 離婚に伴う売却
• 住宅ローン問題による売却

上記に挙げているような理由での売却であれば、買主側は何ら気ならないでしょう。離婚や住宅ローン返済苦などの理由だと、売却理由を隠そうとする人が多いのですが、それだと余計に買主側の不安を煽ることになるので、正直に話して問題ありません。

離婚や借金苦というのは、本人にとっては知られたくない事由でしょうが、買主側にしてみればさほど気になる事由ではありません。

後ろめたい売却理由

• 自殺などがあった物件
• 火災、事故、事件などがあった物件
• 建物に欠陥がある物件
• 騒音や近隣住民とのトラブルなどが原因の売却
• 生活環境が悪いための売却

このような理由での売却の場合だと、どこまで本当の売却理由を伝えるか悩んでしまいますよね。

自殺や事件、欠陥住宅などの物件に関しては絶対正直に売却理由を話さなければダメなのですが、難しいのが騒音や近隣トラブルなどのケースです。近隣トラブルや騒音問題というのは、捉え方が人それぞれですし、必ずしも告知義務がある事案ではありません。

このように判断が難しい売却理由の場合は、自分だけでどうするか決めずに、売却依頼をしている不動産業者の担当者と相談しながら決めるようにしましょう。

買主にとっては問題になることもある

これは私が不動産業者で働いていたときの実体験なのですが、実家で一人暮らしてをしていた母親が他界したので、実家を売却したいという相談を息子さんから受けました。

当初は家財道具など、売却が決定した後に撤去する予定だったのですが、家具が残っている誰も住んでない家というのは結構怖いものです。それは私だけでなく、内覧を案内したご夫婦も同じことを言われていました。どうしても家具が残っていることで、誰かがいるような気配を感じてしまったようです。

結局この家は家具が残った状態で内覧案内をした数組では成約に至ることはなく、家財道具を撤去した後すぐに売却が決まりました。このように売主側としては大きな問題でもないことが、買主側の気持ちになれば大きな問題となることも充分考えられます。

これは売却の理由にしても同じことが言えると思いますので、なるべくなら売却の理由などは自分だけの考えで決めるのではなく、担当者など第三者の意見を伺うことをおすすめします。

ウソの売却理由を伝えるとどうなるの？

離婚が原因の売却なのに「転勤が理由の売却です」とウソの売却理由を伝えてしまった場合どうなると思いますか？

売却理由が離婚であるのに、それを転勤や親と同居するからという理由に置き換えるのは、正直どちらの売却理由でも買主側への影響はほぼ無いでしょう。ですが、やはり本当の理由を話しておくのが一番安心だと思います。

ただし自殺や事件、欠陥住宅などの売却理由をウソを言ったり隠したりすると大きな問題となります。自殺や事件、欠陥住宅などは必ず買主に伝えなければならない事項に該当します。

それらの事実を隠して売却してしまうと、契約の解除をされる恐れもありますし、最悪のケースでは損害賠償を払うことにもなりかねません。

～まとめポイント～

近年増えている離婚に伴うマイホームの売却ですが、離婚を理由にするのが恥ずかしいのか売却理由を伏せて欲しいと言われる売主が多くなったように思います。

たしかに離婚や住宅ローン返済苦などが問題の売却というのは、売主にしてみればあまり話したくないことでしょうが、自分が購入する側の立場だったら売却の理由はどうしても知りたい項目だと思います。

それでも話づらいといのであれば、「家庭の事情で・・・」という感じで話しておき、後から不動産業者から伝えてもらうようにするのもアリだと思います。

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