1年以上マンションが売れない!?中古物件が売れない理由

1年以上マンションが売れない!?中古物件が売れない理由

マンションを売る場合の売却期間は、売り出してから3ヶ月間が勝負です。魅力的な物件の場合、売りに出してからすぐに買い手が見つかることもあります。

ですが、売り出して3~6ヶ月たっても売れない場合は、何かしらの問題を抱えている可能性があります。特に1年以上売れない場合は、かならず問題があるので早急な対応が必要です。

マンションを売れないまま放っておくと、値下げせざるをえなくなったり、市場に残っていることで難ありの物件と思われ、さらに売れにくくなるなどデメリットがたくさんあるので、早めに対処しましょう。

そこで今回は、中古マンションが売れない具体的な原因と、売却するための対策について解説します。

仲介業者の問題と対策

マンションがなかなか売れない理由として一番深刻なのが、物件や売主には問題がなく、売却を依頼している仲介業者に問題があるケースです。

契約を結びたいために、売れるはずもない高値の売却査定額を提示する仲介業者もいますし、売買の経験が少ない賃貸業をメインとしている仲介業者もあります。

また、悪徳不動産によくあるのが「物件の囲い込み」です。これをされてしまうと、買いたいという人が現れても、仲介業者がウソの情報を流し、売却を断ってしまうケースも考えられます。

売れない原因が仲介業者だとわかったら、売却活動について指摘をしたり、業者自体を変更する選択により、すぐに売却できるケースもあるので、まずは現在契約している仲介業者をチェックしてみましょう。

媒介契約の種類

マンションの売却を始めるにあたり、まず不動産業者と媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介」、「専任媒介」、「専属専任媒介」の3つがあり、それぞれ特徴やデメリットなどが異なります。

この業者との媒介契約の形態を見直すことによって、売却できる可能性が高くなるケースもあります。まずは媒介契約の基礎知識を付けておきましょう。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
売却の依頼 同時に複数可 1社のみ 1社のみ
指定流通機関

登録義務

登録の義務はない 媒介契約後

7日以内に登録

媒介契約後

5日以内に登録

業者から売主への

報告義務

報告義務はない 2週間に一度

報告義務あり

1週間に一度

報告義務あり

売主による直接契約 可能 可能 不可
契約期間 期間の制限なし 3ヶ月 3ヶ月

一番売却しやすいといわれるのは「専任媒介」です。一般媒介の場合、他の業者と売買契約を結ぶことができるので、仲介業者は営業や広告費などのコストが無駄になることを避けるため、真剣に動いてくれない場合があります。

媒介契約については、こちらの記事「一般媒介と専任媒介契約どちらがお得?」で詳しく解説していますので、自分にはどの契約形態があっているのか、もう一度よく確認してみましょう。

仲介業者を変更も視野に

もし仲介業者に不信感を抱いているのであれば、早期売却のためにも業者変更を視野に入れましょう。

一般媒介契約であれば、他の業者に売却を依頼しても問題ありませんし、専任媒介や専属専任媒介であっても、仲介業者に落ち度があれば媒介契約期間中でも契約を解除することができます。

業者側の落ち度というのは、「レインズに登録してなかった」、「物件情報を一部の媒体にしか掲載してなかった」、「物件の囲い込みがあった」など、当初聞いてた話と相違点があった場合などを差しています。

業者側に落ち度がなくても、通常の媒介契約は3ヶ月で契約期間が終了するので、そのタイミングで契約更新しないという手段もとれます。

契約の途中解除で違約金等を請求されることはある?

専属専任媒介契約では、契約している業者を通さず個人売買した場合、違約金が発生することがありますが、今回の場合は物件が売れないために媒介契約を解除したいという旨ですので、基本的に違約金等を支払う必要はありません。

ただ、宣伝広告にかかった実費等を請求される可能性はありますので、その点は契約している業者に確認しておきましょう。

大手と地元はどちらが売れやすいのか

東急リバブルや野村の仲介、三井のリハウスなど、テレビCMも出している大手不動産業者なら、問題なく売却できると思うかもしれませんが、大手に依頼したからといって早く売却できるとは限りません。

エリアを限定して運営している中小業者は、独自のネットワークや顧客、長く運営しているからこそ知り得る地域の情報を持っており、大手より高く売却できるケースも多いです。

仲介業者選びで重要なのは、「大手か地元」ではなく、大手と地元両方を含めて複数の業者を比較することです。「大手だから」という固定概念を捨て、すべての不動産業者を同格と考え比較することが、早期売却や高値売却につながります。

両手仲介や囲い込みをされている

囲い込みとは、売主と買主の両方から仲介手数料を得ることができる両手仲介において、売出し物件の情報を外部に出さずに囲い込むことをいいます。

物件の囲い込みを表立ってやっている不動産業者はありませんが、両手仲介は大手も含め、多くの不動産業者がやっています。

悪徳不動産の狙いは、根拠のない高い査定額などで媒介契約を取りつけ、物件の囲い込みをしながら自社で両手仲介をすることにあります。

このように、両手仲介による囲い込みは、買ってくれるかもしれない購入希望者を逃すことにもつながるので、細心の注意が必要です。

囲い込みを防ぐ方法

両手仲介による物件の囲い込みを防ぐには、両手仲介を禁止している不動産業者に売却を依頼するのが確実です。

日本国内だと、ソニーグループが運営しているSRE不動産が、両手仲介をしないことを全面的にアピールしています。売却希望のお客さんには「売却専門のエージェント」、購入希望のお客さんには「購入専門のエージェント」が担当する仕組みになっています。

SRE不動産の対応エリアは、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良に限定されいますが、対応するエリアの物件の売却をする方にとっては、確実に囲い込みのリスクを排除することができます。

1年以上マンションが売れない場合はかなりマズイ!?中古物件が売れない理由

その他の囲い込みを防ぐ方法としては、一括査定見積りサイトを利用して、両手仲介をしてない業者を探すことです。

一括査定見積りサイトで紹介されている不動産業者は、サイト運営企業の審査をパスしなければ登録できないので、悪評が多かったり、取引したお客さんからのクレームが多い業者は、登録そのものを抹消されるので、悪徳業者にだまされるという心配はなくなるでしょう。

悪質な業者をどんどん排除していくシステムが確立されていることも、一括査定サイトの利用者が増加している理由の1つとなっています。

全国対応の一括査定サイトはこちら

物件の問題と対策

ここまで仲介業者が原因の場合について解説してきましたが、物件そのものが原因で売れない場合があります。

「人気が低いエリア」、「間取りが悪い」、「部屋の印象が悪い」など、売れない原因として考えられる物件の要素はたくさんあります。

自分の物件をあまり過信せず、一度冷静に何が購入希望者の立場に立って、しっかり分析してみましょう。

では、具体的な理由と対策について見ていきます。

  • 立地が悪い
  • 築年数が古い
  • 和室が多い
  • LDKが狭い
  • 管理費・積立金が高い 
  • 設備が悪い

立地が悪い

最寄駅や学校まで遠い、近くにスーパーなど買い物できる施設がないなど、生活環境が整ってない立地だと人気が低くなります。

しかし、こればかりはどうすることもできませんので、その立地に見合った価格帯まで売却価格を落とすしか方法はありません。

築年数が古い

戸建ての中古住宅に比べ、中古マンションの方が築年数を気にする買主が多いです。耐震的な問題であったり、老朽化による補修工事や、建て替えを気にしなければならないからだと思います。

築年数が古くなればなるほど、毎年のように補修箇所がでてきて、積立金の増額や臨時徴収が行われる物件も多いです。

このような情報はネットですぐに調べることができるので、もし自分が売却しようとしている物件に対して悪い評判がでているようであれば、その情報に見合った対策を講じていくようにしましょう。

和室が多い

分譲マンションでも、築年数が古い物件には和室が多かいことがあります。リビング以外すべての部屋が和室という分譲マンションもあるくらいです。

今の時代、分譲マンションに和室を求めている買主は圧倒的に少ないです。せめて1部屋くらいだと良いのですが、それ以上に和室の部屋が多いと、現代のニーズにはマッチしていません。

対策としては、和室を洋間にリフォームして売りに出す方法もありますが、これはリフォーム費用と売買価格を比較しながら検討しましょう。あまりにもリフォーム費用が高くなるようであれば、その分を値下げして販売するほうが賢い選択かもしれません。

LDKが狭い

こちらも和室の部屋が多いのと同じように、築年数が古い分譲マンションにありがちです。

昔の分譲マンションはリビングがLDKではなく、DKという物件も多くあります。これは家族の時間を大切にしたいと考える人にとっては、一家団欒の場となるリビングが狭いのは致命的です。

しかも、DKをLDKにするスペースがないので、和室を洋間にリフォームするのと同じようにはいきません。

対策としては、LDKにそこまで強く拘らない年齢層(老夫婦)などに絞って宣伝広告を出したり、最終的には3DKを1部屋減らして2LDKにリフォームするという方法もあります。

管理費・積立金が高い

管理費や修繕積立金が、物件に見合わないくらい高額なマンションを良くみかけます。このようなマンションの多くが、管理や補修工事がこれまで計画的に実施されていなかった可能性が高いと考えられます。

物件の規模や、築年数に見合わない管理費や積立金は、これから購入しようと思ってる人たちにとっては死活問題にもなりえます。

これは管理組合の問題なので、基本的には対策のとりようがありません。管理費や積立金が高いことを買主側から指摘されたとき、その理由等をしっかり答えることができるように整理しておくくらいです。

設備が悪い

「オートロックではない」、「エレベーターが付いてない」など、設備的な問題で購入を見送る人も少なくありません。しかし、これも個人でどうにかできる問題ではないので、対策としてはそれに見合った販売価格に下げるしかないでしょう。

事故物件

事故物件には住みたくないと思うのが一般的です。売りに出している部屋だけでなく、マンション内で殺人事件や自殺者がいる場合も、敬遠されてしまいます。

これらの情報は、内覧者に伝えていなくても、最近では事故物件を調べるサイトがあり、インターネットで簡単に情報を得ることができてしまうため、防ぐことは難しいでしょう。

事故物件を売却する場合、購入者にそのことを黙っていたりすると、売買契約後に心理的瑕疵などでトラブルが起こることもあるので、購入者にはかならず伝えるようにしましょう。

もし、どうしても事故物件だということが理由で物件が売却できないのであれば、事故物件を専門としている業者に依頼するか、業者買取なども検討しましょう。

周辺環境が悪い

いくら駅から近くても、線路脇で電車の通る音がうるさい物件は、売却することが難しいです。他にも、夜になると若者がたむろするコンビニがある、近くにスーパーなどがない、消防署や警察署が近くにあって出動する時に大きな音がするなど、周辺環境がマイナスになるポイントは様々です。

買主は、長い間暮らしていく家を探しているのですから、周辺環境はとても重要です。

周辺環境を変えることは難しいので、買主が見つけた悪い点を払拭できる、物件のメリットをアピールすることが大切です。ご自分がその物件に住んで良かったことなども、内覧時に精一杯アピールしましょう。

売り出し価格の問題と対策

売り出しているマンションが売れない理由のひとつとして、根本的に売り出し価格の設定を間違っているケースがあります。

売却査定をしてもらった仲介業者が、2,500万円という査定価格を提示したからといって、必ずしも2,500万円で売れるという保証はありませんし、市場相場とかけ離れている可能性もあります。

別記事の「【必読】マンションを高く売るための査定方法と仲介業者の選び方」でも解説していますが、自社で媒介契約を取りたいがため、相場よりも高い査定額を提示する仲介業者があるのも事実です。

いま一度、物件周辺の適正価格を調べなおし、今の売り出し価格が本当に適正であるかを検討してみましょう。

中古物件の相場をチェック

適正な売り出し価格を設定するには、相場を把握しておくことが大切です。ここでは適正な売却相場を調べる方法を紹介します。

競合物件の相場を調べる

手っ取り早く物件の相場を調べる方法は、同じマンション内で売り出している物件の価格を調べることです。

不動産会社の大手ポータルサイト、スーモ(SUUMO)やホームズ(HOMES)などで、自分のマンションが売りに出されていないか確認してみましょう。

ですが、「売却中のマンション内に競合相手がいないか要チェック」でも解説しているように、同じマンション内での価格競争は絶対に避けましょう。

売却の戦略は、不動産会社や売主によって多種多様です。最初に安めに設定する会社もあれば、高めに設定する業者もいます。

ポータルサイトなどで知った価格は、あくまで参考として考え、この他の方法も使いしっかりと調べて、実際に売れる価格に近い相場を把握していくことが大切です。

自分で相場を調べる方法

自分で相場を調べる方法は、複数の不動産業者に査定依頼を出すことです。この方法が、もっとも適切な売却相場を知る方法です。

例えば、5社に売却査定をした場合、一番高い査定額と一番低い査定額を排除します。そして残った3つの査定額で平均価格を算出します。その金額がこの時点では一番信頼できる売却相場だと思ってください。

絶対にNGなのが、1社の仲介業者だけに売却査定を依頼することです。不動産査定にもいくつかの方法があり、業者によって解釈が違うため、内訳が異なる場合があるからです。

査定価格が本当に正しいのか調べる方法もありますので、以下で簡単に紹介します。

不動産取引価格情報検索

こちらのサイトは、国土交通省が公表している過去の不動産取引事例を、誰でも簡単に閲覧することができます。

不動産取引価格情報検索
国道交通省 不動産取引価格情報検索:
http://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet

上記のページで「中古マンション」を選び、その下に調べたい地域を選択して検索ボタンを押すだけです。
すると下図のように、過去1年ほどの売買取引履歴が表示されますので、自分の物件に近い売買価格を参考にすることができます。

不動産取引価格情報検索_検索結果1

レインズマーケットインフォメーション

こちらのサイトは、日本全国の不動産業者から収集した、過去の不動産売買事例を閲覧することができます。

レインズマーケットインフォメーション:
http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

上記で紹介したサイトより物件数は多いのですが、売買価格がピンポイントで表示されるわけでなく、平米あたりの単価として表示されるので、一般の方には少し判りづらいかもしれません。

1年以上マンションが売れない場合はかなりマズイ!?中古物件が売れない理由

売り出し価格設定のポイント

相場が把握できたら、最後に一番大事な売り出し価格の設定があります。どのような売却戦略で売っていくかによって、売り出し価格も違い、売れるまでの期間にも影響します。

早く売りたいのか、ゆっくりでもいいから高く売却したいのか、まずは自分の希望と目標を設定して、売り出し価格を決めましょう。

詳しくは「マンションの売却価格を決める時のポイントと値下げ時の注意点」で解説していますので、売り出し価格の決め方がいまいちわからないという方は参照して下さい。

内覧時の問題と対策

内覧には来てくれるが、なかなか買い手が決まらないというケースの場合、内覧時の対応や印象に問題がある可能性が高いです。

内覧に来てくれるということは、マンションの立地や間取り、売り出し価格にも納得してくれているはずです。それでいて最終的に購入を見送られてしまうというのは、内覧時に何か購入に至らなかった原因を発覚したと考えるのが自然です。

内覧数が多いのに、買い手が決まらない物件の多くは、「想像していたよりも物件の状態が悪かった」、「売主や仲介業者の対応に問題があった」、この2つのどちらかの問題を抱えているケースが多いです。

物件の状態が悪かった

極端な例かもしれませんが、内覧にいった物件がゴミ屋敷のように散らかっていたら買いたいと思いますか?

管理人の経験だと、あまりに生活感が残っている状態の物件はなかなか売れにくい傾向にありました。

  • 壁紙がタバコのヤニで黄ばんでいる
  • お風呂は水垢がこびりついている
  • ペット臭が部屋全体に充満している
  • 押入れやクローゼットに物が散乱している
  • ガスコンロ廻りが油汚れでビッシリ

どんなに良い条件の物件でも、これでは買主の気持ちも冷めてしまいます。少しでも高く、早く売りたい気持ちがあるのでしたら、内覧に備えて部屋の掃除や片付けはしっかりとしておきましょう。

内覧時の掃除のコツ

内覧のたびに大掃除をして、ピカピカの状態保たなければいけないとまでは言いません。しかし、せめてここだけは掃除や片付けをしておくべきだという箇所があります。

  • 玄関
  • リビング
  • 主寝室
  • 水廻り
  • ベランダ

玄関

買い主に玄関に入った瞬間にその家のイメージが決まると言われています。玄関が狭いと感じれば、その時点で内覧者の気持ちはダウンしてしまいます。

玄関を少しでも広く見せるため、靴は全て下駄箱に収納しておき、内覧者が来る前から玄関の電気はつけておくようにしましょう。明るくて広い玄関というイメージを与えることが大事です。

リビング

リビングはまさにその家の顔です。リビングを狭いと感じてしまったら、ほぼその契約はまとまりません。玄関同様、広くて明るいというイメージを持ってもらえるような対策が必要です。

必要以上にリビングに物を置かない。必ず電気をつけ、カーテンは全開にしておきましょう。

主寝室

主寝室は広いとか明るいというイメージよりも、落ち着ける雰囲気を出すことに注力してください。

間接照明で雰囲気をだし、アロマやお香を焚いておくのも作戦の1つです。それと主寝室は高い確率でクローゼットを開けられてしまいますので、しっかりと整理整頓しておくようにしましょう。

水廻り

トイレ・バスルーム・キッチン。女性はまずこの3つを見ます。新築のモデルハウスでも同じですが、バスルームの浴槽には実際に入って広さを確認したいという人が多いので、内覧の日は浴槽の水は貯めておかず、浴槽内に入れる状態にしておきましょう。

トイレ掃除はもちろん、臭いにも気を使ってください。キッチンに関しては使いやすさをアピールするのが一番効果的です。

システムキッチンの扉を開くと、ゴキブリ退治の商品が置いてあったりするのですが、これは安易に「ゴキブリが出ます」と言ってるようなものです。なるべくなら見えないように片付けておきましょう。

ベランダ

ベランダは以外と見られないと思っている人が多く、部屋の荷物などを一時的にベランダに出している人が多いのですが、マンションの場合は高い確率でベランダまでチェックされるので、荷物の一時避難所にするのはNGです。

今回は住みながら売却する場合の注意点を書きましたが、空室の状態で売却することもあると思います。空室の場合は、費用をケチらず、退去時と売買契約後の2度ハウスクリーニングの業者を入れることをおすすめします。

多少費用はかかってしまいますが、退去時に業者を入れて綺麗に清掃しておくことで、売却成約率も違ってきます。

ハウスクリーニング業者の料金相場

今回はマンション売却についてなので、マンションのハウスクリーニングの相場を紹介します。基本的に部屋の広さによって料金が決められているので、間取りの広さに比例して料金も高額になります。

間取り 料金相場
ワンルーム、1K 25,000円~35,000円
1DK、1LDK 35,000円~55,000円
2DK、2LDK 50,000円~70,000円
3DK、3LDK 70,000円~100,000円
4DK、4LDK 75,000円~120,000円

※参考価格となります

ハウスクリーニングを依頼する場合、居住中と空家の状態では料金に差があります。上記はあくまでも空家時の参考価格であり、居住中となれば2割~3割増しの料金になるケースが多いので覚えておきましょう。

リフォームやリノベーションは有効?

売却するマンションの部屋がキレイであれば、それは購入希望者が増えることは間違いありません。ですが、そのためにリフォームやリノベーションをする必要があるのかと言われれば、個人的にはあまりおすすめしません。

確かに、老朽化によってあまりにボロボロな状態であれば、リフォームやリノベーションが有効な場合もありますが、それほど室内が傷んでいないのなら、かかる費用分を値下げしてあげる方が、買主にとってはうれしいはずです。

壁紙や床材などは、個人的な趣向が全面的に出る部分でもあり、売主がせっかくお金をかけてリフォームをしても、入居後に買主が張り替えてしまうケースもあります。これはキッチンやトイレなどの設備も同様です。

リフォームをする場合の相場は、キッチン100万、リビング100万、洗面所やトイレで100万。ざっと300万円ほどかかってしまいます。

ですので、売り出す戦略の1つとして、リフォームする予定だった費用を上乗せした売り出し価格に設定し、内覧時に「リフォームする予定だったので300万円値引きます」と、目の前で値引きをアピールするのもいいかもしれません。

単純に、売り出し価格をリフォーム費用分下げるという方法もアリだと思います。どうしたら嬉しいか、お得だと思うか、買主の立場に立って考えてみることがポイントです。

内覧希望者への対応に注意

不動産会社の営業マンだったころ、内覧案内することが多々あったのですが、上から目線で話をする売主が多かったのにびっくりしました。内覧希望者に対して、「売ってやってもいいぞ」という態度なのです。

「買ったときは○○万円もした」、「この前内覧にきた人は態度が良くなかったので自分から断った」など、まさに武勇伝を語るかのように話す人もいました。このような態度を取っていた人は、50代~60代の男性に多かったです。

購入希望の内覧者が30代くらいの方であれば、自分の部下に接しているような気持ちになっているのかもしれませんが、どんなに条件が良い物件であっても、「売ってやる」という高圧的な態度では、売れるものも売れません。

自分たちよりひとまわり以上年下の方であっても、その人たちは売主にとって大事なお客様です。「売ってやる」ではなく、「買って頂く」ということを肝に命じて対応しましょう。

値下げ交渉時の対応も考えておく

内覧時に、購入検討者から値引き交渉があるケースがあります。この場合、あらかじめどこまで価格を下げていいのか、最低ラインを決めておきましょう。

最低ラインを決めておかないと、思ったより低い価格を伝えてしまったり、少し値下げをしたが話が流れ、その後、再計算してみたらもう少し値下げできたとなると、売却できた機会を逃してしまうことにもなります。

仲介業者や親戚などに、売却を委任(代理)している場合も同様です。「いくらまでなら値下げしていい」と伝えておけば、売却できる機会を逃しません。

内覧の数や売却期間、早く売りたい高く売りたいなど売主の希望、売却活動全体を見て、ブレない最低ラインを決めておくことをおすすめします。

その他の売れない場合の対策と注意点

ここまでマンションが売れない理由として、業者や物件など基本的な原因と対策について解説してきました。

やはり最も重要なのは、どの業者と契約するかです。良い業者と契約することができたのなら、自分に知識がなくても色々と教えてくれたり、状況に応じて様々な提案をしてくれるはずです。

ここからは、物件や業者以外の理由で売れない場合の理由や対策、売れ残った場合にはどうなるのかなども解説します。

買い手のつかないマンションは業者買取も検討しよう

今回取り上げたような問題で、マンションの買い手が見つからないのであれば、すぐ結果に結びつくような対策をとることは難しいです。リフォーム工事で対応できる問題もありますが、それでも結局はリフォームのための費用や時間が発生してしまいます。

ですので、建物そのものや内装に問題があるのでしたら、思い切って買取業者に売却することも検討してみるのもひとつの手段です。

買取業者に売却する場合、通常の売却よりも価格は低くなりますが、リフォームにお金をかけるよりもトータル的に買取業者に売却する方が良いケースもあります。

業者買取を検討しているのであれば、仲介で売却した場合と業者買取の価格を比較できる、「マンション.navi」を使ってみましょう。

業者買取でどのくらいの価格が付くのか知れることで、売却価格からリフォーム費用をマイナスして、どれくらい売却金額に差がでるのかも知ることができるので、この「マンション.navi」で得れる情報は、今後の売却活動においてとてもいい判断材料になると思います。

仲介&買取の両方の価格がわかる「マンション.navi」

売れないから貸すのはあり?

売却を検討している方の中で、特に売却に固執している訳ではなく、賃貸として貸すことはできるのかと考えている方もいると思います。

確かに賃貸経営は、とても魅力的な土地活用(不動産投資)のひとつです。毎月、権利収入という不労所得を得ることができます。

「じゃあ貸したほうがお得」と思ってしまいますが、賃貸経営はそんな甘いものではありません。管理が大変ですし、年間通しての利回りの計算、空室率改善のための対策、クレームが出た場合の対応など、たくさんやらなければいけないことがあります。

売るか貸すかで迷っている方は、「マンションを貸すのは難しい?売却か賃貸かで迷った時の注意点」で詳しく解説しています。こちら記事を参考にして、自分にとって最良な選択をしましょう。

不動産業界の動向をチェック

不動産や物件には「売り時」というものがあります。不動産業界の動向や金利、地価の変動など、購入検討者が増加する要因がどれだけ多くあるかによって買い時が決まり、伴ってそれが売り時となります。

2017年現在は超低金利時代とも呼ばれ、住宅ローンの金利が低いことが理由で、中古マンションは「今が売り時」という専門家の意見もあります。

しかし、この低金利時代も2020年までだろうとされており、その後は売れづらくなっていくとも予想されています。売却を予定している方は、早めに売るための行動や対策をした方が良いでしょう。

アメリカの金融政策などによっても、住宅ローンの金利に影響を及ぼします。不動産業界の動向だけではなく、海外の動きもチェックしておくといいかもしれません。

ずっと売れない場合はどうなる?

不動産業者とも相談し、色々な対策を講じたがずっと売れず、住んでいない部屋を持ち続けている方もいるはずです。

ここでは、ずっと売却できないマンションを持ち続けた場合どうなるのか、放棄できるのかについて解説します。

固定資産税や管理費を払い続ける

いくら手放す予定だと言っても、物件を持ち続けている限り、固定資産税や管理費がかかります。

これらを支払わないと、最悪の場合、差し押さえや遅延損害金などを請求されてしまうこともありますので、「少しでも早く売却する」ということが一番の対策となります。

どんどん売れにくくなる

マンションを含む住宅の築年数は、かなり価格を左右します。築年数が浅いほど価値は高まり、古ければ価値は低くなります。

特に、築10年・築15年など、キリのいい築年数付近の物件は要注意です。スーモやHOMESなどの不動産ポータルサイトでは、築年数を選択して検索できるシステムになっています。

例えば、10年以下で物件を調べた場合、築11年の物件は除外されてしまいます。こういった点も注意して、売却活動を進めていきましょう。

売れないマンションは放棄できる?

最後に、「どうしても売れない場合は物件を放棄できるのか」ですが、所有権を放棄することは、簡単にはできません。

相続した場合の物件に関しては、相続放棄をすることで固定資産税は支払わなくてすみますが、所有権は放棄できず、管理責任は所有者のままとなります。

この管理責任を放棄する方法としては、国の所有物件とすることで正式に放棄ができるのですが、そのためには裁判所などで手続きを行わなければならず、かなり面倒です。

ですので、どうしても売れないという場合は、売り出し価格をガクッと安く設定するか、業者買取などを利用して、どうにかして売却するという形に持っていった方がいいでしょう。

まとめ

売れないマンションの多くは、今回解説した原因のどれかに該当しているはずです。その原因を突き止めて改善していくことで、買主が見つかる可能性は高くなるはずです。

しかし、一般の人が原因を見極めて売却を進めていくとなると、判断が難しい部分もあると思います。そのような状況で活用してほしいのが一括査定サイトです。

一括査定サイトを利用することで、より多くの不動産業者と接する機会が増え、いろいろな方面から物件が売れない理由を指摘してくれます。そうした中で物件に問題があることがわかったり、価格設定そのものが間違っていることがわかってきます。

何が原因だったか理由がわかれば、あとは信頼できる仲介業者をみつけ、早期売却するための相談をするだけです。

なるべく希望の価格で売却できるよう、利用できるサービスを上手に使って売却活動を進めていきましょう。


おすすめの一括査定サイト一覧

おうちクラベル

「おうちクラベル」は首都圏や関西圏など都心部のマンションを売却したい人におすすめです。

運営はソニーグループのSERホールディングスが行っているので安心感があり、大手、フランチャイズ、地元密着と言ったさまざまな業者の査定額を比較することができます。

提携業者の中には、売主にとって有利な片手仲介を行うSRE不動産が含まれます。対象エリア内でマンションを高く売りたい人は、ぜひ利用したいサイトです。

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マンション.navi

「マンション.navi」は、マンションの売却に特化した一括査定サイトです。大手不動産会社から地域密着型業者まで、たくさんの業者が登録されています。

地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。

また、売却以外にも「賃貸として貸す」「業者に直接買取してもらう」場合の査定もできるので、売却以外の選択肢を考えている人にもおすすめです。

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HOME4U

「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産一括査定サイトです。大手不動産会社から地域密着型業者まで、たくさんの業者が登録されています。

地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。

大手企業が運営していてしっかりとした実績もあり、熟練されたスタッフが在籍しているので、信頼度が高く安心して利用することができます。

公式サイトはこちら


目次一覧

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不動産一括査定サイト

マンション売却の流れ

高く売るために重要なポイント

売却理由別の注意点

特に気をつけたいポイント

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