同じマンション内に競合相手がいないか要チェック

同じマンション内に競合相手がいないか要チェック
同マンションで他に売り物件がある場合は要注意!

マンションの売却で一番避けたいのが、同マンションの他部屋と売却時期が被ることです。同マンションで他に売り物件が出ていると、余計な価格競争に巻き込まれたり、近隣トラブルに繋がる恐れもあります。

前回の記事でも書きましたが、同マンションで他に売り物件が出ていると競争意識が高くなり、不必要な値下げを繰り返すことで、お互いにダメージを受ける可能性があります。

もし同マンションで他に売り物件が出ている場合は、少し時期をずらしたり、それに見合った戦略を立てるようにしましょう。

一番最初の売り物件が一番高値で売却できる

もしあなたが新築間もない分譲マンションを持っていて、売却を考えているのであれば、迷わずすぐに売却することをおすすめします。

なぜなら分譲マンションのケースでは、新築分譲後、一番最初に売り出した物件がその後の売却価格の指標となるからです。

マンションの売却価格は築年数が大きく関係している

分譲マンションの場合、一番最初に売り出した物件が一番高値で売れる可能性が高いのは間違いありません。時が経てば築年数も古くなっていくのですから、一番最初に売り出した物件よりも高値で売却するのはほぼ不可能だと思ってください。

新築から間もない時期で売却を検討しているのであれば、少しでも早くに売却の決断をしたほうが間違いなく有利に売却することができます。

分譲マンションは売却事例の影響が大きい

新築の分譲マンションであっても、一度売却の事例ができてしまうと売却相場が確立されてしまいます。よほど特別な理由(事故物件や競売など)でない限り、この売却事例の価格が今後の売却相場として市場に根付いてしまうことになります。

これはインターネットの普及により、レインズなど全国どこにいても平等に売り物件の情報を入手できるようになったことが大きく関係しており、それがメリットとなることもあれば、デメリットとなることもあります。

この売却事例は新築マンションに限った話ではありません。例えば築10年ほどの分譲マンションを例に考えてみましょう。

あなたが物件を売りに出す直前に同マンションで売却された物件があったとします。しかし、この物件は訳アリで急遽現金が必要だったとしたらどうでしょう。きっと売り急ぐため、市場相場よりも安値で売却していることも考えられます。

しかし、その事情を知っているのは当人たちと仲介をした不動産業者だけなので、それを知らないほかの不動産業者は、この売却価格を通常の売却だと勘違いしてしまいます。

その結果、あなた方が売りに出そうとしたとき、安く査定されてしまうこともあれば、買主側から値引き交渉の材料にされることもあるということです。

2500万円が相場のマンションでも、少し前に売却した人が2200万円で売却してしまっていたら、その直後に2500万円で売却するのは非常に困難だと思いませんか?

このように分譲マンションというのは、市場相場の影響をもろに受けてしまう恐れがあります。もし近々売却を考えているのであれば、売りに出す前から近隣マンションや同マンションの売り物件は常にチェックしておくことをおすすめします。

適正な売却相場を知る方法

ここまで話をしたようにマンション売却というのは、過去の売却事例の影響を大きく受けてしまう恐れがあります。そこで真っ先にしなければならないのが、適正な査定価格や市場相場を知ることです。

市場相場は半年ほどインターネットで同マンションや近隣マンションの動向をチェックしておけば、素人でもだいたいの相場価格がわかるようになります。しかし、適正な査定に関しては、やはりプロの不動産業者に依頼する他ありません。

ですがマンション査定というのは、過去の売却事例に左右されることが本当に多いです。

とくに地元不動産業者というのは、自分の街の売買物件には常に目を光らせており、どのマンションがいつ、どれくらいの値で売れたかをチェックしています。そうなると、当然そのときの知識や記憶が売却査定にも影響してくるでしょう。

過去の売却事例だけで査定されないように、地元の不動産業者以外にも査定を依頼することを強くおすすめします。インターネットの一括査定サイトなどを利用すれば、地元に支店や営業所などがなくても査定見積りに応じてくれる業者はいくらでもあります。

試しに地元不動産業者と、地元に支店や営業所が無い大手不動産業者に査定を依頼してみてください。その結果、地元の不動産業者はどこも似たような査定価格を提示するのに対し、ネットの一括査定サイトを通して依頼した業者は、これまでと違った金額が提示されることが多くあります。

結果として、地元不動産業者と大手不動産業者が出した査定のどちらが正しいというのは、この場ではわかりません。ただ、自分の選択肢を広げるという意味では非常に意味があることだと思います。

同マンション同士での値下げ競争は避けるべき

同マンションで同時期に売り物件があると価格の値下げ競争になる懸念がありますし、買主側にも足元をみられ無理な値引きを迫られる可能性があります。

このような不本意な値引きを避けるためにも、なるべく同マンションで同時期に売り出すことは避けるようにしましょう。

同マンションで売り物件がある場合の価格設定

同マンションで同じ時期に売り物件がある場合、どうしてもその物件より売値を低く設定しようとする人がいますが、そんなことをする必要はありません。

その理由は、先に売り出されているマンションが訳アリ物件や売り急いでいる可能性があるからです。もし転勤や離婚をすることが売却の理由になっているのであれば、その人たちは少しでも早く売却して現金化したいと考えているはずです。

そのような人たちに自分たちが価格を合わせる必要はありませんし、訳アリで安く売り出しているのであれば、早々に買手が決まるはずなので少しだけ売り出すタイミングをずらせば無駄な値引きをする必要はなくなります。

もちろん現金化を急いでいる人ばかりとも限りません。もしかすると物件内部の損傷が激しかったり、何か欠陥やトラブルを抱えている物件という可能性だってあります。そうなると、早期の売却は難しくなりますが、こちらが欠陥物件に売値をあわせる必要もありません。

買主側に値引きを迫られた場合の対処法

買主側に「他の物件と値段をあわせて欲しい」と交渉された場合の対処法を考えてみましょう。この場合、きっと買主側はあなたと他の物件双方とも内覧をしているはずです。その上であなたの物件に値引きの交渉を申し込んでくるのですから、それだけあなたの物件が魅力的だったということです。

ここで「1円たりとも値引きはしません!」という強固な姿勢を取ってしまうと、印象があまりよくないので、多少の値引きには応じつつも、他の物件に無理に合わせる必要はありません。

値引きの金額としては、30万円から50万円くらいで十分だと思います。値引きの相談には応じるけど、これ以下の額では売却できませんというハッキリとした意思表示が大事になります。

同じ不動産業者と別の業者どっちが良いの?

もし同時期に同じマンションで売り物件が出ている場合、その物件を仲介している不動産業者に自分たちも依頼した方が良いのか?それとも全然関係のない、別の不動産業者に依頼した方が良いのか?これって非常に難しい問題ですよね。

同じ不動産業者に依頼をすれば、先に売りに出している物件の内情を知れる可能性があります。

例えば、「既に売り出している302号室は、ちょっと訳アリで相場よりも安くしています」という情報が不動産業者から聞ければ、今後の展開も組み立てやすくなりますし、買主側からの値引き交渉にも対応できます。

しかし、先に売り出している物件を早々に売却したいと思うでしょうから、あなたの物件を当て馬に使われる可能性だってあります。

そこで編集長がおすすめいしたい方法が、とりあえず最初のうちは一般媒介契約で様子を見る作戦です。一般媒介契約であれば、同時に数社へ売却依頼をすることができます。

1社は既に売りに出ている物件を仲介している不動産業者、それとは別に自分が信頼できると思った不動産業者1社から2社に売却の相談をしてみるのがベストだと思います。

一般媒介契約には、契約期間の定めはありませんので、自分のタイミングで契約解除することもできるからです。


同じマンションや近隣にある同タイプのマンションが既に売りに出ている場合について話をしてきましたが、このように同マンションや近隣マンションなど、競合相手が多い場合、まず情報の収集がとても重要になります。

大規模マンションになればなるほど、時期被りの売り物件も増えてくることが予想されますし、最悪のケースでは同時期に同マンションで5部屋が売りに出ているなんてこともあります。

もちろん競合相手は少ないに越したことはありません。同時期に同じマンションから多くの物件が売り出されている場合、少し時期をずらすのも作戦のひとつです。


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