外壁塗装の工事はどれくらいかかる?工程の目安

外壁塗装の工事はどれくらいかかる?工程の目安

新築で建てた住まいも10年が経過すると、外回りのメンテナンスが気になりだしますね。特に、外壁が劣化していると、実際の築年数よりも古い印象を与える可能性もありますので、定期的に手を掛けておきたい部分です。

しかし、外壁の塗装工事などは大掛かりになりそうで不安だったり、どんな工事の内容なのか心配だったりします。ここでは、外壁工事にかかる日数の目安や、工事の流れについて紹介していきます。

外壁塗装の工程

外壁の塗装にかかる工事期間は、おおよそ10日から2週間程度を目安にしておきたいところです。もちろんできるだけ早く完了できれば良いのですが、塗装の工程には細かい作業の手順があり、下塗りの後の乾燥待ちなども必要になってきます。もしも工程に抜けがあると、仕上がりに大きく影響してしまいます。

また、外回りの工事全体に言えることですが、天候に左右される作業です。工事期間の10日から2週間の間、一度も雨が降らないケースは少ないため、ある程度は余裕をもって考えておきましょう。

外壁塗装の工程の基本的な手順は、どこもほぼ同じです。しかし、その作業のひとつひとつをどれくらい丁寧にしっかり対応しているかで、仕上がりに大きな差が生まれ、その後の外壁の耐久性にもつながります。

塗装の色の打ち合わせ、決定

実際に塗装したら、外壁の色のイメージが違ったというトラブルは少なくありません。例えば「白」といっても、「白系」の色は多彩です。

グレーがかった白なのか、優しげなアイボリーなのかなど、小さいサンプルでの色の差はわずかかもしれませんが、外壁などの大きな面積に塗装されると、色の差ははっきりと出てきます。一部に試し塗りをする、大き目の見本を作ってもらうなど、しっかりと確認して決定します。

足場の組立

外壁塗装の作業を安全に、短期間で作業するには、かならず足場を建てることになります。普通の大きさの家なら、おおよそ半日から1日程度で足場を組み、その周りを足場シートで囲います。

外壁のまわりをしっかりと囲うことで、次の工程にでてくる洗浄の汚水の飛び散りや、塗料のハネなどを防ぎます。

足場材は金属のため、音がかなり響きやすくなります。また、重さもあり乱暴に扱うと落としたり、何かにぶつけたりすると、簡単にキズがつきますので、取扱いには注意が必要です。

また、強風の時は、足場シートが風であおられて「バタバタ」と音が出るということと、あおられて足場ごと飛ばされる危険性がありますので、強風時は足場シートを畳むというのは業界では常識的な対応となっています。

高圧洗浄

塗装の工事をする前に、外壁の汚れを高圧洗浄できれいに洗い流します。この洗浄作業はきちんと行うと丸1日かかるような作業です。半日で作業が終わるような場合は、取り切れていない汚れがあるかもしれません。

きちんと洗浄すべき部分は、外壁についている苔やカビ、自然の風化の汚れなどです。もしデリケートな素材や、飾り物、網戸などがあれば、事前に外して別に洗浄してもらうなどしてもらいましょう。

洗浄が終わったあとは、必ず自分でも確認して、気になるような部分がないか、または、破損してしまっている部分がないかなど確認しましょう。

養生

洗浄が終わったら、次は大事な養生です。養生は技術があまりいらないのではという印象がありますが、実は仕上がりの美しさに大きく影響してきます。

養生とは、窓まわりや換気扇の外部フード、エアコンなど、塗装をしなくとも良い部分をビニールなどで包み、塗料がかからないようにすることです。

養生する部分と外壁が接する地点に、出来るだけ正確に養生することで、仕上がりもキレイに、あとからの補修も少なく施工することができます。

下地処理

次は下地処理です。通常、外壁と窓回りや換気扇のフードが接する部分は、コーキング材でつないでいます。コーキング材も紫外線や風雨にさらされると固くなり、ヒビ割れて本来の機能を果たさなくなります。外壁の塗装の際には、このコーキングも再度施工しておくと安心です。

施工の方法としては、既存コーキング目地を剥して、その部分を整え、新しいコーキング材を打ちます。自分でコーキングを打ってみるとわかりますが、コーキングの施工は意外と難しく、技術が必要です。経験が浅いと、出し過ぎて均等な太さに仕上げることが出来なかったり、直そうと何度もやり直して他の箇所に液を付けてしまうこともあります。

下塗り

下地の準備が整ったら、最初は「下塗り」です。この下塗りを丁寧に仕上げないと、中塗りや上塗りにも影響がでてしまいます。女性の化粧で例えれば、ファンデーションの仕上げをする前に、化粧下地で肌の色を均等にしたり、デコボコを滑らかにしてからファンデーションで仕上げれば、綺麗な仕上がりになりますね。

下地材は、透明なものや白っぽいものなどの色付きがあります。基本は下塗り材を希釈(薄める)して使います。しっかりと丁寧に塗ることが大切な作業です。広い面はローラーなのでスムーズに施工できますが、スキマなどの狭い部分はハケなどを使うため、まれに対応しない業者もいますので注意が必要です。

中塗り

下塗りのしっかりした下地ができたら、「中塗り」です。まれに、「上塗り2回」と表現する場合もありますが同じ意味です。

中塗りは、仕上げの上塗りと同じものを塗ります。ですので、二度塗りというようなイメージですね。この施工法をする理由は、塗装の厚みをしっかりと保つためです。

例えば、1回だけの薄塗だと、少しキズがついただけで、下塗りの色が出てきてしまいます。でも厚さをしっかりと保った外壁なら、少しキズがついても中も同じ色なので、目立ちません。もちろん塗料の耐久性をしっかりと発揮するという理由もあります。

上塗り

中塗りの塗料がしっかりと乾いたら、「上塗り」に進みます。中塗りと同じ仕上げ用の塗料をつかい仕上げます。

上塗りのポイントは、中塗りをしっかりと乾燥させることです。もし、中途半端な乾き方で上塗りに手をかけると、中塗りの塗料がもろいのでキズがついてしまうことと、よじれる可能性があります。そのため、それぞれの工程では乾燥が大事になります。上塗りも施工後はしっかりと乾かしましょう。

完了前検査

一通り施工が終了したら、足場があるうちに完成前検査をします。高い部分は足場がないと後々では確認できなくなりますので、塗り残しや塗料の付着などしっかりと確認します。

1人では、気が付かないことも、数人で同じように検査をすると発見できる場合がありますので、出来れば複数人での検査をおすすめします。

養生と足場の解体、掃除

完了前検査も終わり、補修対応が終われば、あとは養生と足場の解体になります。養生をとってからも、もしかしたら補修部分が見つかることもありますので、チェックしながら剥していきます。また、窓回りについたゴミなども清掃しながら対応します。

足場の解体は、組んだ時と同じように音が響きます。落下したり、窓にぶつけてガラスを割ったりすることの無いよう、丁寧な対応が必要です。

外壁塗装の工事は、足場を建てたり、シートを貼ったりと、大掛かりなイメージです。しかし、永く愛着をもって暮らしていくための住まいの大事なメンテナンスになりますので、大きな不具合につながらないうちに、検討してみても良いでしょう。その際には、丁寧な施工をしてくれる業者選びも大切ですね。


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