将来の売却を考えて「資産になるマンション」を買おう!

将来売ることも考えて「資産になるマンション」を買おう!

大切なわが家、終の棲家として購入したマンションでも、将来ふたたび住み替えるという可能性はゼロではないでしょう。ずっと住み続けるつもりであっても、長い人生にはいろいろあって、手放すこともあるかもしれません。

そんな時、「こんなはずではなかった…」とならないよう、購入する時から売却を見据えたマンション選びをすることが大切です。「資産になるマンション」を買うにはどんなポイントがあるのか、紹介します。

「資産」として価値が下がりにくい物件とは?

「新古」「築浅」は中古マンションを購入しようと考える時に人気ですが、時間がたてば当然、「新古」「築浅」もそうではなくなります。そうした時間の経過に伴って変化するものではなく、時間がたっても変わらず、劣化しにくい条件を持っていることが、資産価値を維持するためには必要不可欠です。

では、資産としての価値が下がりにくいマンションとはどんなマンションなのでしょうか。その5つのポイントを具体的に見ていきましょう。

ポイント1.立地条件

時間がたっても変わらない条件の一つが「立地」です。一説ではマンションの資産価値の8割が立地で決まるといわれるくらい、立地条件は大切です。建物の価値は年々下がっていきますが、「不動産」であるマンションや戸建て住宅はその名の通り動かない財産なので、立地条件は変わりません。

極端な話、建物はそれがたとえ大型マンションであろうとも、建て替えることは不可能ではありません。でも、場所を移動することはできません。

広域の立地条件

広域の立地条件とは都心、または地方なら中核となる都市からの距離のことを指します。

たとえば、千代田区、中央区、文京区、渋谷区、港区、新宿区の東京の都心6区における1997年分譲マンションの10年後の価格維持率は平均93.0ポイント。川崎市幸区で86.0ポイント。千葉市美浜区で80.8ポイントと比較的高い水準を保っています。

価格維持率とは、購入した時から見た現在の価格のことを指します。

参考:http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/55RVshuto-erea.pdf

藤沢市や逗子市、茅ヶ崎市など、全国区でも有名な別荘地や高級住宅街など、例外的にネームバリューのある場所は除きますが、郊外へ行けばいくほど、価格維持率は下がっていきます。

狭域の立地条件

狭域の立地条件とは最寄駅からの距離のことを指します。

2008年5月発行の東京カンテイのデータによると、1997年から2007年の10年間の狭域の立地条件は、駅から徒歩6分までのマンションが価格維持率が80ポイント超となっていますが、徒歩10分を超えると大きく低下します。

参考:http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/55RVshuto-erea.pdf

駅から近すぎても、その喧噪さが住環境としては嫌われるということもありますが、それを踏まえてもやはり、駅から10分以内の利便性がマンションの価値を維持する条件といえるでしょう。

ポイント2.管理体制

「マンションは管理体制を見て買え」という言葉があるくらい、管理体制は大切です。管理の善し悪しで、住み心地や資産価値が変わってくるからです。

たとえば、建物の顔であるエントランスホールやエレベーターの掃除が行き届いていなかったり、駐車場や敷地内の植栽やごみステーションが汚かったりすると、そのマンションの魅力は半減します。

住んでいる人たちも気分が良くないですし、ましてやこんなマンションに住みたくないと思われるようでは、資産価値としては下がる一方です。一般的に、しっかりした管理会社が管理しているマンションが良いように感じます。

同じ管理会社でも担当者によって差があることもありますし、一概にはいえませんが、良い管理会社を見分けるポイントはこちらです。

  • マンション管理適正化法に基づき、国土交通省に登録されている会社であること
  • 経験やノウハウが豊富で、実績のある会社
  • スタッフに社員が多い

このように管理会社を見分けるのも大切なポイントですが、そもそも管理会社はマンションの管理組合に委託されて日々の業務を行っているにすぎません。そしてこの管理組合を運営しているのは、マンションに住む住人一人一人です。

マンションはメンテナンスや管理をしなくて楽!などと、管理に無関心な所有者が増えると、管理会社任せになり、いい加減な管理体制にならないとも限りません。どこの管理会社が請け負っているかを調べることに合わせて、管理組合がうまく機能しているかを、事前にチェックすると良いでしょう。

管理規約、管理費の内訳、修繕履歴、修繕積立金残額、管理費滞納状況などは不動産仲介業者から購入前に説明を受けることができます。修繕積立金が少なめだったり、管理費が滞納されていたりするようであれば、管理組合がしっかり機能していない可能性もあるので、要注意です。

ポイント3.ある程度規模が大きい

大規模マンションは人気が高いといわれます。しかし、インターネットのサイトなどで「新築大規模マンション販売」などのサイトを検索すると、100戸以上、200戸以上、それ以上など、規模はさまざまで、定義はないようです。一般的には、ざっくりと100戸以上といわれています。

では、大規模マンションの何が資産価値として良いのでしょうか。バブル期に建てられた億ションなど一部のマンションは豪華な造りの物もありますが、一般的には大規模であれ小規模であれ、住居の中身はそれほど変わりません。

規模の大小で差が出るのは、共用スペースの広さとその造りです。例えば、エントランスホールが吹き抜けでホテルのロビー並みにゴージャスであるほか、住民専用のフィットネスルームがあったり、ゲストルームがあったりと、中小規模のマンションにはないプラスアルファの共用施設のあるマンションがあります。

敷地にゆとりがあるため、中庭や憩いのスペースがあったり、遊歩道が設置されているマンションもあります。そのようなスペースやサービスがあればあるほど、マンションのクオリティーも高くなるでしょう。

管理にかかるコストは住人みんなで負担するため、同じ額の出費をしたとしても、規模が大きくなればそれだけ集まる金額も増えます。管理人の人数が増えたり、24時間管理になったりすることも考えられます。そうなると管理も行き届き、管理体制のしっかりしたマンションにもつながっていきます。

ですから、中、小規模よりは大規模マンションを選んだ方が、資産の価値としては落ちにくくなります。

ポイント4.人気エリアを選ぶ

立地条件にもつながるポイントですが、住環境にはブランドの街、人気のエリアがあります。新築分譲時の価格を100としたときの築10年の中古マンションの価格維持率を表す数値を「リセールバリュー」といいます。

2002年11月~2003年10月に新築されたマンションの10年後、2012年11月~2013年10月に流通した中古価格を基に算出された、東京カンテイのリセールバリューデータを見てみましょう。

ここで1位なのが144.1%の広尾。2位が白金高輪で124.8%。3位が人形町で122.5%と、まるでバブル期のような動き方をしています。そのほか、4位以下の新宿、秋葉原、武蔵小山、押上なども軒並み100%を超えています。

参考:http://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/machi/m0mss254/

大手マンションデベロッパー7社が発信している情報サイト、メジャー7の行った住んでみたい街ランキングには、このようなリセールバリューの高い場所がランキング上位にランクインしています。このように価値の落ちにくい物件がある場所と、住んでみたい人気の街はリンクしていると考えられます。

当然購入価格帯も高額になってくるので誰でも手軽に購入できるわけではないですが、このようなデータも資産価値のあるマンションを探すのに参考になります。

参考:http://www.major7.net/contents/trendlabo/research/vol001/

ポイント5.ブランドで選ぶ

最近はマンションのブランド名を意識した購入者も多く、いわゆる大手デベロッパーが開発したブランドマンションの人気が高まっています。

参考:http://toyokeizai.net/articles/-/94516

必ずしもブランドマンションが良いとはいえませんが、横浜の傾きマンションの件で施工会社なども注目されているので、今後のマンション選びの参考にもなると思います。また、大手デベロッパーの取り扱う物件であれば、もしもの時に建て替えなどを含む補償がスムーズに進みます。後々売却しやすくなることも十分に考えられるので、資産としての価値は高くなると考えられます。

以上の5つのポイントを参考にしながら、後悔しないような「資産になるマンション」を手にいれましょう。「売却条件」はもちろん、自分なりの「付加価値」を見つけるのも大切です。


目次一覧

新築マンション購入までの流れ

新築マンションで特に気をつけたいポイント

新築マンションに関するよくある質問

中古マンション購入までの流れ

中古マンションで特に気をつけたいポイント

中古マンションに関するよくある質問

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耐震・セキュリティについて

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