住宅ローンの選び方

住宅ローンの選び方

住宅ローンというのは、購入後何十年も支払いが続くものです。つまり買って終わりの商品ではありません。金利が低いのも大事ですが、借入れを行う金融機関の対応など、総合的に判断するようにしましょう。

また、住宅ローンはいくら借りれるのか?ではなく、いくらなら無理なく返済していけるか?これが一番重要です。

住宅ローン選びの基本となる3つのポイント

金利が低い!コレだけで住宅ローンを選ぶのは非常にリスクがあります。ただ金利が低いだけであれば、何も苦労することなく、どの金融機関の住宅ローンにすればいいのか簡単に選べますよね?
しかし、多くの人がマンションの物件を決めるのと同じくらい住宅ローン選びは大変だった!というように、住宅ローン選びというのは一筋縄では行きません。

住宅ローンのことを詳しく説明しだせばきりがありませんので、今回は住宅ローン選びの中でも基本となる3つのポイントについて解説していこうと思います。

  • 住宅ローンの種類を選ぶ
  • 住宅ローンの金利を選ぶ
  • 返済総額で試算をする

住宅ローンの種類を選ぶ

住宅ローンというのは大きく分類すると「公的ローン」と「民間ローン」の2つに分けることができ、それくらいは知っている人も多いと思います。そこで今回はさらに細かく解説していこうと思います。

【公的ローン】財形融資のこと。
※住宅金融支援機構が行っているフラット35を公的ローンだと勘違いしている人が多いんですが、フラット35も民間ローンとなります。会社で財形貯蓄などをしている人が対象となるのが公的ローンです。

【民間ローン】住宅ローンを利用する人のほとんどが民間ローンを利用することになると思います。一番の悩みどころは民間の金融機関独自の住宅ローン商品にするか、それともフラット35を利用するのか?という選択だと思います。

【提携ローン】マンションの販売会社などが独自に民間の金融機関と提携して行っている住宅ローン商品のことです。金利面で優遇されていたり、申込み手続面で楽になります。すべてのマンション販売会社に提携ローンがあるわけじゃありませんが、もし提携ローンを扱っているようでしたら必ず内容を確認しておくようにしましょう。

【借換え、買い替えローン】現在も住宅ローンの支払い中の人が新たにマンションを買い直すときなどに検討したいのが借換え、買い替えローンです。基本的には民間ローンの括りなのですが、利用できる金融機関に限りがありますので、新規で住宅ローンを借りるときほど選択肢は多くありません。

住宅ローンの金利を選ぶ

金利選びは住宅ローンの中でも一番の悩みどころですよね。金利が低い「変動型」にするか?長期間安定した支払いが続く「固定型」にするか、自分たちに一番合うスタイルを選ぶようにしましょう。

「金利が低い=お得な住宅ローン」と思われがちですが、そうとは限りません。金利が低くても保証料が高かったり、繰上返済の手数料を毎回取られたりする商品もあります。

よく住宅ローン比較サイトなどで、金利を全面に打ち出しているサイトを見かけますが、これにもカラクリがあります。こういう比較サイトには表面金利と実質金利(※)があり、そのどちらで表示されているのかを知っておくようにしましょう。

【※実質金利】=保証料や団信料などが金利上乗せになっている商品で、それらの上乗せ金利をプラスした金利のことを実質金利といいます。もちろん金利比較サイトであれば、この実質金利で表示しているサイトを参考にしてください。

返済総額で試算する

これは先に解説した実質金利と被る部分があるのですが、決して表面上の金利で返済シュミレーションをしないことです。A銀行の金利が1.0%(30年固定)だったとして、これに保証料0.2%を上乗せすると、実質金利は1.2%となってしまいます。

0.2%金利が違えば4000万の30年固定だと、支払い総額は130万以上違ってきます。
ある雑誌のアンケートでは、金利の低さだけで住宅ローンを決めた!と回答した人が全体の68%強だったという調査結果があります。

表面的な金利の数字だけをみるのではなく、その住宅ローン商品の特徴や、融資を受ける金融機関の仕組みなども考慮するようにしましょう。

正しい住宅ローン選びの4つの鉄則

上記で紹介したのは、あくまでも住宅ローンの基本的な選び方です。
今回紹介するのは、あなたの今の生活状況に応じた正しい住宅ローンの選び方となります。

  • 返済負担率は25%以下が理想
  • 月々の返済額は今の家賃以下が理想
  • 定年前に完済するのが理想
  • 変動金利でないと払えない場合は予算オーバーの傾向が強い

返済負担率は25%以下が理想

実質的な年収に対しての年間返済額割合を「返済負担率」といいます。単純に計算するなら年収600万円の人が年間60万円を住宅ローンとして返済する場合は返済負担率10%となりますよね。年間120万返済するのであれば返済負担率は20%です。

でわ年収500万円の人が毎月15万円を住宅ローン返済に充てた場合の返済負担率は何%になるでしょうか?
答えは27.7%なので、理想の25%をオーバーしていることになります。年収500万円の返済負担率25%は135万円なので、月々の返済額に置き換えると約11万3千円となります。

金融機関では返済負担率35%くらいまで融資可能なんですけど、実際に返済負担率35%は厳しい数字だと思います。車のローンや子供の塾費用など、今後月々の出費が増えていくと住宅ローンの返済が苦しくなって行く可能性があります。出来る限り住宅ローンの返済負担率は25%以下に抑えておくが理想的です。

月々の返済額は今の家賃以下が理想

マイホームを持つと住宅ローンの支払い以外にも「管理費」「修繕積立金」「固定資産税」などの支払いが増えてしまいます。

これまで家賃8万円の賃貸マンションを借りていたので、同じように月々の住宅ローン返済も8万円まで問題ないだろう!と思いがちですが、管理費や積立金の支払いも増えますので、実際に今までの家賃並の出費で抑えたいのであれば、家賃の80%くらいに住宅ローン支払いを抑えるようにしてください。

定年前に完済するのが理想

理想としては定年退職する前に住宅ローンを完済するようにしましょう。なかには定年時の退職金で住宅ローンを完済しようと思っている人もいると思いますが、退職金というのはあくまでも老後の蓄えとして考えたいものです。

40歳で住宅ローンを組むのであれば最長30年、45歳であれば25年での完済で返済計画を立ててみてください。金融機関によって完済年齢の上限は75歳だったり80歳だったりしますが、65歳の定年前までに完済、最悪でも70歳までの完済を目処に住宅ローンを組むことをお薦めします。

変動金利でないと払えない場合は予算オーバーの傾向が強い

2015年11月現在の変動金利は0.6%ほどです。この0.6%の金利で返済計画を試算したら自分たちでもマイホームが買えるんじゃないの?と思う人も多いようです。しかし、コレから先ずっと0.6%のような低金利時代が続く保証は何処にもありません。

将来的な返済に不安があるのでしたら、長期固定金利で返済試算をしてください。固定金利だと返済は厳しいというのでしたら、それはそもそも予算をオーバーしている物件なのではないでしょうか?

物件の見直しや購入時期の見直しを含めて再検討する必要があると思います。


ここで述べたのは、あくまでも編集長個人の考え方です。このように住宅ローンというのは、すごく選ぶのが難しい商品でもあり、何を選択肢の材料とするかは、人それぞれ違ってきます。

ですので、先にも話しように住宅ローン金利の比較サイトを見ただけで決めるのではなく、自分たちの収入や家族構成などに照らし合わせ、将来的な変動を見極めながら選ぶようにしてください。


目次一覧

新築マンション購入までの流れ

新築マンションで特に気をつけたいポイント

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