新築分譲マンションの見学術

新築分譲マンションの見学術
実際の部屋を見学できる建築済みマンションがおすすめ

新築マンションのモデルルームを見学に行くときの注意点などを紹介しておきます。販売予定マンションと建築済みマンションでは、見学の仕方やチャックするポイントも違います。

新築マンションの基本的な見学手順やポイントは別記事の「新築マンションの物件見学(モデルルーム)」で紹介していますので、そちらを参照ください。

今回はさらに詳しく販売予定マンションと建築済みマンションなど、実際に物件がある場合やモデルルームだけしか見学できない場合のポイントなどを紹介していきたいと思います。

販売予定マンションの見学術

実際の建物や部屋を見学できないのでイメージするのが難しく、オプション品の豪華な設備に惑わされやすいのが、販売予定マンションの仮設モデルルームです。

モデルルームが全ての部屋に共通するとは限らない

基本的にモデルルームというのは、買主の購買意欲を高めるため豪華に作られているものです。例えば3LDKが2980万円という格安マンションのモデルルームの見学に行ったとして、実際に見学したモデルルームと同じ設備品などが全て備わっていると思うのは間違いです。広告などに「全て標準仕様です」と書いてあれば良いのですが、ほとんどのモデルルームというのは最上級のオプションを使用した作りになっています。

ですので、実際に見学したモデルルームの豪華なキッチンタイプや広いお風呂はすべてオプション仕様というケースも珍しくありません。まずしなければならないのは、今見学しているモデルルームが標準仕様なのか、それともオプションも含む仕様のお部屋なのかを担当者に尋ねることです。

買主が営業マンを選ぶ

これは私が長年住宅販売に携わる仕事をしていたから言えることなのですが、マイホームを購入するときに大事なのは会社選びと担当の営業マン選びです。担当の営業マンというのは、最初に接客対応してくれた人がその後も担当になるのが一般的なので、買主が好きに担当営業マンを選ぶことはできません。

しかし営業マンと言っても、ベテランの人もいれば、数ヶ月前に入社したような新人さんもいますよね。数千万円もする高価な買い物ですから、出来れば経験も知識も豊富なベテランの営業マンに担当になってもらいたいというのが本音だと思います。

そこで買主が営業マンを選ぶ方法をアドバイスしたいと思います。まず初めて訪問したモデルルームでは、あなたの名前や住所などの個人情報を教えないことです。受付でお名前をご記入頂けますか?と勧められると思いますが、「買い物ついでに少し寄ってみてだけですから」などと、適当な理由で回避してください。

名前や住所などが解らなければ、顧客とは見なされませんので、その時点で営業担当は決まりません。そして物件を見学するのと同時に、周りにいる営業マンもチェックしてください。そこで他のお客さんへの接客態度などをみて、目当ての営業マンをみつけます。そしたらその営業マンに一言でいいから何か適当に質問してください。そのときに名前を聞いたり、名刺を頂いてください。そして次に訪問するときにその人を名指しで指名すればいいのです。

モデルルームには常に5人から10人くらいの営業マンが常駐しているので、この方法を使えば目当ての営業マンを自分の担当にすることができます。

賢くメモを残す方法

販売予定マンションのモデルルームでトラブルになりやすいのが、標準仕様やオプションなどの装備を「聞いてない!言った!」という水掛け論です。買主側は聞いてなかったと主張しても、営業マン側は「伝えてました」と主張すれば、もうどうしようもありません。

そういうトラブルをなるべく回避する方法を紹介しておきます。買主側は数軒のモデルルームを見学して廻ることが多いので、他の物件と情報を混同しやすくなります。そうならないためにメモを残しておくのが良いのですが、ただノートにメモを残しても、どの物件の情報だったか解らなくなったりします。

ですので、初めて訪問するモデルルームを訪れるときは、必ず最初に物件の間取りやパンフレットをもらってください。そしてその間取り図やパンフレットに必要な情報を記入するようにしましょう。

間取りや設備品の変更に何処まで対応してもらえるか確認しておく

販売予定マンションのメリットのひとつに、間取りや設備品の変更ができることがあります。これから建設を開始するのですから、多少の間取り変更や設備品の変更には柔軟に応じてくれる物件も少なくありません。ただし構造的な問題などもあり、対応できないケースもありますので、何処まで対応してもらえるのか事前に確認しておかなければなりません。

また対応可能というケースでも、それらの変更にどれほどの追加料金が掛かるのか、おおまかでもいいので金額の確認もしておきましょう。よほど特殊な変更でない限り、営業マンならおおよその価格を把握しています。すぐに回答できないような営業マンなら、新人さんの可能性もあるので要注意です。

実際の建設予定地にも足を運ぶ

販売予定マンションのモデルルームの多くが、実際にマンションが建つ場所とは異なる場所に作られています。ですので、気にある物件に出会えたら合わせて建設予定地も見学に行くようにしてください。実際の建設予定地を自分の目で確認することは絶対に必要ですし、自分の足で周辺の生活環境なども確認するようにしてください。

子供がいる家庭であれば、子供の通学路などを一緒に歩いてみるのも良いでしょう。通学路内に線路があったり、あまりひとけのない公園を発見したりと地図だけでは解らないことが見えてくるはずです。

見学に行く前に資料請求して複数の物件を比較してみる

これは編集長もおすすめしている方法なのですが、販売予定マンションの場合、実際にモデルルームを見学してもあまり参考にならないケースが多くあります。理由は先にも言ったように基本的にオプション品を装備した豪華な作りになっているからです。

ですので、オプションだらけのモデルルームに惑わされないように、見学に行く前の段階で資料請求して冷静な目で複数の物件を比較検討してからモデルルームに見学に行くという方法もあります。

モデルルームはいくらでも豪華に作って見学者の目を誤魔化すことができますが、パンフレットはそうは行きません。誤解を招く言い方になるかもしれませんが、証拠として残るパンフレットでは、オーバーな言い回しや誤解を招くような書き方ができないからです。

建築済みマンションの見学術

実際に購入する建物や部屋を見学できるのが棟内モデルルームです。すでに建物が完成しており、実際に購入できる部屋を直接見学できるのが最大にメリットです。またすでに入居者がいる物件も少なくないので、建物と同時に入居者などのチェックも忘れないようにしましょう。

棟内モデルルームのケースもある

建築済みマンションのモデルルームだからといって、購入する部屋を必ずしも見学できるとは限りません。例えば棟内モデルルームなどが良い例です。棟内モデルルームとは、ある程度建物が完成しており、内装工事の段階に入っているのですが、見学用のモデルルームだけを先に完成させている物件のことをいいます。

この場合だと、予約販売マンションのモデルルームと同じで、標準仕様以外にもオプション品などで豪華に見せてある可能性があるので要注意です。実際に購入できる部屋を見学できるのであれば、おおよそ標準仕様になっていると思いますが、棟内モデルルームの場合はそうとは限りません。

間取りだけじゃなく、眺望と音のチェックも忘れない

実際に購入する部屋を見学するのですから、間取りのチェックは怠らないと思います。しかし、間取りだけ必死にチェックするのではダメです。せっかく実際に購入できる部屋を見学できるのですから、眺望や音(防音)のチェックも忘れないようにしましょう。

実際にベランダに出て周りの環境をチェックしてください。高層階であれば実際に地上と比べどれくらいの風の違いがあるのか?洗濯物を干すスペースは十分確保できているか?すぐ隣にマンションが建つような広い空き地がないか?などをチェックします。それと見学時間によって日照具合も全然違いますので、これがもし午前中だったら?とか夕方だったら?と想像しておきましょう。

次に音のチェックです。実際にその部屋で生活することになるのですから、音の問題は相当シビアにチェックしておくことをおすすめします。窓を閉めている時と開けているときで、どれくらい外の騒音がするのか?これは絶対に欠かせません。とくに車通りが多い道路沿いのマンションであれば、車の騒音は深刻な問題です。

それに音の問題は外からの騒音だけではありません。隣の部屋、上下階の部屋からの音もあります。子供が騒ぐ声、ドタバタと走り回る足音などのチェックは不可欠です。実際に隣や上下階の部屋が空室であれば、家族の誰かを隣の部屋や上下階の部屋に行かせて大きな声で話をしたり、ドタバタと走り回って実験してみましょう。

もし隣の部屋や上下階の部屋がすでに入居中という場合は、同じマンション内に隣や上下階が空室の部屋が無いかを営業さんに聞いてみて、空きがあればその部屋で実験させてもらってください。基本的に同じマンション内であれば、構造や防音対策なども同じなので、どの部屋で検証しても同じことです。

部屋の動線をチェックする

実際に購入できる部屋を直接見学できるのであれば、まずは動線のチェックは必ず行っておきましょう。動線が一番気になるのは、家事や炊事をする奥様だと思います。

今の生活リズムを思い出しながら、自分の動線に合う間取りになっているか?使いづらい箇所は無いかなどをチェックして行きます。もちろん動線のチェックは間取り図面でも可能なのですが、間取りの図面だけではキッチンの広さや通路の幅などは想像しにくいので、実際に目で見て確認しなければわかりません。

マンションの動線もチェックする

意外と忘れがちなのが、マンションそのものの動線チェックです。部屋の動線はチェックする人が多いのですが、マンションそのものの動線までチェックする人はそう多くありません。マンションの動線って何?って思われるかもしれませんが、要は駐車場や駐輪場からエレベーターホールまでの動線であったり、ゴミステーションまでの動線などです。

編集長の知人が住むマンションの話ですが、旦那さんが出勤するときにゴミ捨てをするそうなのですが、エレベーターを降りてゴミステーションへゴミを捨てに行き、そこから建物の真反対にある駐車場へ行かなければならないらしく、これが相当面倒だと愚痴ってました。

とくに駐車場の利用頻度は高いので、駐車場からエレベーターホールまでの最短ルートを確保してあるかチェックしておくのは意外と重要だったりします。このように建物じたいの動線を正確にチェックできるのも完成済みマンションの大きなメリットだと思います。

変更可能な箇所を聞いておく

建築済みマンションで難しいのが間取りや設備品の変更希望です。3LDKの部屋を2LDKにして欲しいだったり、お風呂の浴槽をもっと広いタイプに変更して欲しい!と言う要望は出来ないケースが多いと思ってください。ただ物件によっては追加料金は掛かりますけど対応してくれるところもありますので、まずは担当者に確認しておきましょう。

それと間取りの変更や設備品のように大きな変更じゃなくても、自分たちの要望をどこまで聞いてもらえるのかは聞いておかなければなりません。例えば壁紙の模様は自分たちで決めることが出来るのか?だったり、テレビ端子やコンセントの位置や数などもそうです。

このようなコンセントの数ひとつにしても、すべてに追加料金を取られてしまっては相当な出費になってしまいます。どこまでなら無料で対応してもらえるのか?これは建築済みマンションでは欠かせないチェックポイントとなります。


目次一覧

新築マンション購入までの流れ

新築マンションで特に気をつけたいポイント

新築マンションに関するよくある質問

中古マンション購入までの流れ

中古マンションで特に気をつけたいポイント

中古マンションに関するよくある質問

予算、間取りに関するアドバイス

耐震・セキュリティについて

女性のマンション選びアドバイス