不動産投資を始める際の相談は誰にすればいいのか?

不動産投資を始める際の相談は誰にすればいいのか?

超低金利の今がチャンスとばかりに、近年は過去にないほどの不動産投資ブームが到来しています。サラリーマン投資家と呼ばれる不動産投資を専門とする人以外の投資家が増えてきたことも、この不動産投資ブームを盛り上げる一つの原因と言えるでしょう。

しかし、専門家でないことが故の知識力の低さが影響して、収益を見込んで始めた不動産投資が残念な結果となるケースも少なくありません。投資家の不動産投資への知識がなかったことが原因で失敗し、ローン返済が困難となって自己破産をしている人も多く見られます。

そこで今回は失敗しないための不動産投資とするためにも、事前に相談すべき相手は誰が適任なのかについて解説していきます。

不動産投資の専門家について

近年、かぼちゃの馬車をはじめとする不動産投資が失敗したというニュースをよく耳にしますが、その際に常に言われるのは騙された側にも責任があるという一説です。通常では考えられないような30年間保証などという言葉を信じること自体が信じられない、サービス提供会社自体が営業破たんししまうという顛末は予測できたことだと言う専門家は少なくありません。

投資で失敗する人の特徴としてよく見られるのが、「保証があるから」「確実に儲かるから」といった宝くじ的な発想に取りつかれている点です。

近年の超低金利の影響で資金力を持つ投資家以外の人も不動産投資ができるようになりましたが、不動産投資は「えい、やあ!」で成功するような簡単なビジネスではありません。不動産投資を成功させるには、高い専門知識をもつ相談相手が必要になってきます。

専門知識を持つ人の指示を仰ぐことができれば、確実に不動産投資で失敗するリスクを減らすことができるからです。

それでは早速、その相談相手について紹介していきます。今回解説するのは下記の4者にはそれぞれに特徴があり、メリット・デメリットも違ってくるので、自分に合う相談相手が誰に当たるのかを考えながら見ていくようにしましょう。

不動産投資会社

不動産投資の相談相手として真っ先にまた間に浮かぶのが、不動産投資会社ではないでしょうか。ネット上でも無料相談を謳っているところが多く見られるので、利用してみようと考える人は多いことでしょう。

しかも不動産投資のプロとも言える人員が揃っているので、的確なアドバイスがもらえるというメリットがあります。

しかし、不動産投資会社への相談をする際には、よく理解してほしいことがあります。それは不動産投資会社の収益構造です。不動産投資会社は相談者に物件仲介したり、自社物件を販売することで収益を上げています。

相談する側に不動産投資の知識がなく、不動産投資に対する明確なプランを持ち合わせていない場合、業者主導で話が進められる危険性があります。不動産投資会社への相談は営業をかけられることを前提とした行為であることを理解しておく必要があるでしょう。

相談すれば必ずその業者から物件購入しなければならないというわけではありませんが、購入意思のある顧客を営業が簡単に手放すとは考えられません。しかも、相談に乗ってもらっていることから遠慮が生まれ、押し切られることにもなりかねません。

不動産投資会社のすすめる物件が悪いというわけではありませんが、確実に良質物件を手に入れるための選択肢は狭まってしまいます。しかも、動産投資会社にすすめられるまま物件購入し、入居率が上がらず経営破綻したという話はネット上でも多く見られます。

不動産投資会社は一番的確な意見が聞ける相談相手となりますが、上手く利用するためには業者に先導されないだけの専門知識を持ち合わせておく必要があります。不動産投資初心者はこの点をよく理解した上での利用が必要になってくるでしょう。

銀行

不動産投資で避けては通れないのが銀行です。最終的にはローン借入することになるので、銀行への相談は不動産投資事業において必須となってきます。近年は資産運用を提案する銀行も増えてきましたが、扱える業務は主に下記のもので、不動産投資についての取り扱いは見られません。

  • 有価証券の売買
  • デリバティブ取引
  • 保険商品の売買

しかも、銀行のメインとなる業務は資産運用ではありません。資産運用はあくまでも手数料稼ぎのためのサブ業務です。融資知識については一番専門的な知識を持ち合わせていますが、資産運用、特に不動産投資に限定すれば経験、知識ともに十分なものを備えているとはいえません。

よって、銀行に失敗しないための不動産投資について相談したいのであれば、銀行に認められた通常の銀行業務に加え、不動産仲介などの併営業務を営むことのできる信託銀行が適役となってくるでしょう。

また更に言うなら資産運用のプロとも言える人員が充実しているメガバンク系列の信託銀行がおすすめです。下記のように不動産に精通した専門家が在中しているので、不動産投資の相談にも十分対応してくれるでしょう。

  • 不動産の運用、管理
  • 不動産売買の媒介
  • 不動産の鑑定評価

ファイナンシャルプランナー

専門の投資家やプライベートバンカーが付いているような資産家を除けば、ファイナンシャルプランナーと定期的に資産運用の相談をしているという人はあまりいないことでしょう。

国家資格を有するファイナンシャルプランナーは不動産投資を専門とする相談相手ではありませんが、ファイナンシャルプランナーは下記のように幅広い分野における知識を持っています。

  • ライフプランニング
  • 資金計画
  • 金融資産運用
  • 節税対策
  • リスク管理
  • 不動産
  • 相続
  • 事業継承

よって、長い目で見る必要のある不動産投資による資産運用を検討するならば、不動産投資の一面だけでなく、それにかかわるあらゆる側面を含む相談ができます。その点で言えば一番おすすめの相談相手と言えるでしょう。

また提携先の不動産の購入へと先導する不動産投資会社や銀行とは違い、中立的な立場で相談に乗ってもらえるという点も見逃せません。

しかし、ファイナンシャルプランナーへの相談は高額な費用が掛かるというデメリットがあります。相談料はファイナンシャルプランナーによって違ってきますが、日本FP協会が認定している相談料が5千円から2万円(1時間当たり)となっています。そこに必要な資料作成を依頼すれば別途費用が発生するので、最終的には最低でも5万円以上の費用が必要になってきます。

不動産投資の利回りは通常で3%から5%、高くても10%で、年間資産運用額は100万円程度が一般的なことから、リターン換算は良くて10万円、通常は3万円から5万円となります。

そこから5万円もの相談料を捻出するとなれば、ファイナンシャルプランナーに相談するのをためらう人は少なくないでしょう。初回相談料は無料というところも見られますが、2回目以降は実費が発生することからも、相談相手として選ぶ際には費用対効果の面からもよく検討する必要があります。

しかしながら現在は不動産投資を専門に扱うファイナンシャルプランナーもあり、より専門的な相談ができるところも出てきています。費用負担が問題ないのであれば、相談相手として検討することをおすすめします。

友人や知人

不動産投資を始める際、周りの友人や知人が不動産投資にかかわっている人がいるならば、その人を利用しない手はありません。不動産投資会社や銀行は相談無料ですが営利目的ですし、中立的なファイナンシャルプランナーは決して安くない相談料が必要になってきます。

その点、信用できる友人や知人であれば、安心して相談することができます。最初から最後まで親身になって、ともにプランニングしてくれるまでは期待できませんが、自分が実際に利用して信用できる不動産投資会社や銀行を紹介してもらうこともできますし、今後の指針についても明確な道を開いてくれるでしょう。

最終的には専門家に相談することになるでしょうが、信用できる専門家を紹介してもらえるだけでも十分なメリットがあります。自分の周りに不動産投資を行っている友人や知人がいる場合には、真っ先に相談してみることをおすすめします。

まとめ

今回解説したように相談できる専門家と言っても、それぞれその特徴は大きく違ってきます。

相談料を抑えるならば営利目的を掲げる不動産投資会社か銀行、中立な立場で相談に乗ってもらいたいのならば費用はかかるがファイナンシャルプランナーという選択となってきます。

しかし、全体的に言えることは相談するにしても、まったく白紙の状態で臨まないことです。冒頭でも言ったように不動産投資は宝くじ的発想で取り組めるような簡単なビジネスではありません。

相談するにしても自分なりのプランニングがなければ、期待するような結果は導き出せません。この点をよく理解して、今回紹介した中でどこが自分に合った相談相手なのかを検討するようにしましょう。

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