ローコスト戸建て賃貸で失敗しないためのポイント

教育費や老後の資金を考えて、近頃、不動産投資を行おうと考える人が増えています。投資で成功するためには、ローコストで住宅を取得・運営することが大切です。

戸建て物件はローコストで投資する際にお勧めの物件です。購入金額は抑えられるうえ、競合物件が少ないために、長期で入居してもらえるからです。

新築で住宅を建てる場合は、銀行の融資が鍵となってきます。中古住宅ならば、いかにリフォームを行うかが勝負となります。

今回は、具体的に、どんな点に注意をしたらうまくいくのかをご説明します。

ローコスト戸建て投資をするメリット

ローコストで投資を行うのは収益を少しでも多くすることが目的です。

自分で居住する場合よりも、売却することも考えてキャッシュフローを意識しましょう。中古、新築によってメリットが少し異なる場合もあります。

現金購入が可能である

投資金額が集合住宅の場合に比べて抑えられるので、現金購入がしやすくなります。新地でも、1,000万円台で手に入れるのも夢ではありません。

中古戸建てはさらに安く、1,000万円以下のものも多くあります。とくに「築古」と言われる築20年以上経った物件は、出口戦略を間違わなければ、大きな利回りが得られ、近年人気があります。

新築物件は建物のリスクが少ない

新築戸建てなら「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、新築住宅は欠陥・リスクから守られています。

この法律は、平成12年4月1日以降に締結された新築住宅(請負・売買)には、柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間「瑕疵担保責任」といわれる修補請求権等が義務づけられます。

新築は長期安定、築年数が古ければ、高利回り

物件を購入した場合は、物件購入額を、法定耐用年数に基づいて費用として計上できます。新築住宅ならば、法定耐用年数の上限まで、計上が行え、節税でき、長期の運用が可能となります。

いっぽう、中古住宅の場合は、建物や設備の耐久性の関係で、長期保有に向いていません。高利率で短期保有したい人に向いています。

賃貸の競争力が高い

とくに地方では戸建て賃貸は人気があります。中学校や病院・商業施設までのアクセス、敷地内に駐車場を2台確保する等の配慮を行えば、確実に申し込みが入ります。

上下階の音の問題が無い、自宅感覚で使え気軽である、戸建て物件自体の数が少ない、子どもの学校区の制限があり、希望エリアに戸建て賃貸が少ないなどの理由で、次の戸建て賃貸へ引っ越しすることが難しいので、長期入居が望めます。

失敗しないためのポイント

失敗しないためのキーワードは「融資」と「リフォーム」といえるでしょう。成功するためのポイントは、次のようになります。

新築の場合、融資額を多く引いてもらい現金を残す

銀行に融資をしてもらう場合に、建物の評価額が高いかが、融資を多くしてもらえるかどうかの決め手になります。新築住宅ならば、高い評価額を得られるため、満額融資してもらう可能性が高くなります。

低金利が続くなら、なるべく多く融資をしてもらい、手元に現金を残しておきましょう。建物の評価額+手元の現金で、次の融資を引きやすくなります。

中古物件の場合は、銀行によって評価額に差が大きくでますので、融資額にばらつきがでます。いっぽう新築物件の場合はばらつきが少なくなり、融資してくれる銀行の数も多くなります。

なるべく現金のみで投資できるものを選ぶ

費用が1,000万円前後なら、融資を使わず、自己資金だけで現金購入することも可能です。借り入れがありませんので、家賃収入がそのまま収益になりますので、運営は楽になります。

また、建物に抵当権が付いていないためこの物件を担保に次の投資物件を購入する際に、多くの融資額が引ける可能性が大きくなります。

リフォームにお金をかけすぎない

戸建の利回りは、「家賃収入÷(物件価格+リフォーム費用)」で考えます。つまり、築古戸建て投資の成否はリフォームにかかっています。

築古物件は、新築や築浅の物件に比べ、長期保有は物理上難しくなります。そのため、10年程度で売却を考えましょう。利回りは、15%以上あるのがベストです。

リフォーム代にお金をかけすぎないようにするためには、業者の見積をじっくりと検討することが必要です。

大手リフォーム会社に見積もりを依頼すると、1,000万以上する見積をあたりまえのように提出してきますが、要注意です。鵜呑みにして発注すると利益率が下がってしまいます。

築20年以上の物件だと、キッチン、ユニットバス、洗面所、床、クロスなど、ほぼすべての箇所のリフォームを提案されるでしょうが、ここからどこを削ればよいかが、投資家の手腕の見せ所です。

リフォーム代がかさむなら、キャッシュフローが希望通りになるように、購入時に指値で安く購入すべきです。古い物件の所有者は、リフォームが必要なことを承知していて、値下げしてくれるケースが多いようです。

購入すべき物件、見送るべき物件を見極める

いくら安いからといって、リフォーム代が高額になってしまう物件は、購入を避けるべきです。とくに、躯体に問題がある場合、将来的に躯体に影響を及ぼすと予想される欠陥は、費用が高額になりますので、購入を見送るべきです。

必要ならば、建築士などの専門家に同行をお願いしましょう。具体的には次の物件は要注意です。

雨漏りがひどい物件

「天井を覗いたらシミがあった」「湿気臭がある」。この2つの条件が揃ったら、雨漏りの可能性が濃厚です。屋根に上れる場合は、屋根の状態も確認します。雨漏りは、原因を突き止めるのが大変なことが多いため、プロと一緒に確認することをおすすめします。

シロアリがいる物件

床下に問題がある場合は、リフォーム代が高額になります。シロアリがいる場合は床下の補修が必要な場合がほとんどです。床下を確認し、湿気がひどかったらシロアリ発生している可能性が大きいです。畳をはがす、キッチンの床下収納を外すなどして確認しましょう。

建物が傾いている物件

建物が傾いている場合、傾き自体を直して平行にする、床だけをレベルセットして水平にするなどの対応方法はありますが、基本的に購入を見送りましょう。ただし、傾きを安く治せるノウハウやリフォーム会社さんと付き合いがある場合は、見積をとってみるのも1つの手です。

必要以上にリフォームしすぎない

新築物件にも言えることですが、お金をかけて綺麗に室内を仕上げたとしても、家賃を上げることは難しいのが現状です。そのために必要最低限のリフォームを行うことが大切になってきます。

リフォームは利回りから逆算して、いくらまでならお金をかけられるかを計算し、その範囲内で行うべきです。リフォーム額が決まったら、次の2つの着眼点で、どこから手を付けるかを考えます。

設備の不具合

設備の不具合は必ず修繕しましょう。たとえば、「テレビが映らない」「トイレが流れない」「水栓から水が漏れている」などです。

入居後に設備の不具合が見つかると、必ずクレームになります。入居前にチェックして直すのがベストです。水回りは構造が複雑なので、水道パッキンなど軽微な修理以外はプロに任せましょう。

見た目がきれいになるところはなるべく直す

見た目がきれいだと客付けしやすくなります。クロス交換、床のクッションフロア替え、室内クリーニングなどのことです。これらは、意外に安く済むので積極的に行うべきです。

反対に、手をかけすぎないほうがいい箇所は「キッチン」「ステンレス部分」「建具の傷」が代表的です。ダイノックシートを貼る、交換せずに磨く、色を塗って補修するなどの簡単な修繕でも十分です。

まとめ

新築物件に加え、中古戸建て、とくに築古戸建てが投資家から注目を浴びています。高い利回りを得られ建物の価値が落ちても土地の評価額はそれほど落ちないために、売却時も築古マンションよりも高い価格で成約になるからです。築古アパートよりも賃貸需要が高いことも人気の理由です。

中古物件の場合は、支出の中でリフォームのウェイトが大きくなりますどこからどこまでリフォームしたら良いのか、その線引きが非常に大事になってきます。出口戦略にもリフォーム代金は関わってくるからです。

新築の場合は、どのくらい融資を受けるのか、どこで融資を受けるのかが大切になってきます。建設費用を抑えつつも、1点豪華主義で特徴のあるものを建設してみるのもよいでしょう。

「エコ」「省エネ」などのキーワードを持つ住宅が近頃人気です。集合住宅よりも、長期に入居してもらえる可能性が高く、利回りのよい戸建てをローコストで建築すべきです。


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