引っ越しを自力でやると意外と費用がかかるので注意

引っ越しを自力でやると意外と費用がかかるので注意しよう

「引っ越し業者に頼まなくても、自分たちでトラックを運転して作業した方が安上がり」と思う人は多いようです。

しかし実際には、当初予定していた金額では収まらないことがあります。近所で手に入れようとしていたダンボールが足りずに購入することになったり、レンタカーの延長料金がかかったり、手伝いを頼んだ人への謝礼が思いのほか高くなったりすることも。自力引っ越しの際にかかる費用の内訳と、注意点を紹介します。

自力引っ越しにかかる費用は、どんなものがあるの?

自力で引っ越しをやろうと思っている人は、まず何にどれだけの費用がかかるかを試算してみてからにしましょう。「引っ越し業者に頼むより安いだろうから」などと、無計画に始めるのはおすすめできません。かえって高くついてしまうこともあるため、注意が必要です。
まずは、近距離の単身の場合にかかる費用総額から見てみましょう。

近距離の一人暮らしの自力引っ越しの参考料金は?

30km程度の単身の引っ越しを自力ですると、30,000円程度かかると言われています。この試算の内訳は、以下のようになります。

  • トラックレンタカー:12時間 10,000円
  • レンタカーオプション料:3,000円
  • ガソリン代:500円
  • 高速道路代:500円
  • 梱包資材代:3,000円
  • 謝礼:2人分 10,000円
  • 謝礼としての飲食代:3,000円

これはあくまでも概算です。ここからさらに節約すれば安くできますし、一度に積み込めずに2往復にすれば、ガソリン代や高速道路代も2倍かかります。重量物があってパワーゲート付きのトラックを借りる場合は、さらにレンタル代が高くなります。では、それぞれの内訳について、さらに詳しく見ていきましょう。

レンタカーやガソリン、有料道路代などの車両関係費

運びたい荷物が余裕で積める大きめの車両を、家族が所有していれば、運転も慣れているしお得に引っ越しができるかもしれません。しかし多くの場合は、レンタカー会社でトラックを借りることになるでしょう。

たいていは、一定時間ごとの時間制料金

ワゴンタイプや平トラック、箱型のアルミバンのトラックなどがありますが、背の高い家具が多ければ、トラックの方が積み込みしやすいです。天候が心配な時は、アルミの箱型のトラックだと安心でしょう。

パワーゲート付きトラックなど総重量の重いものは、運転できる免許に制限があります。人気の車種や保有台数の少ないものは、早めに申し込みをしておかないと、希望日に借りられないこともあるので気をつけましょう。

たいてい6時間、12時間、24時間単位などの時間制料金になっていて、1時間ごとに延長料金が加算される仕組みになっています。2tトラック6時間なら6,000円~10,000円、アルミバントラック6時間なら10,000円~17,000円程度です。

ただし、長期休暇や土日祝日は、レジャーのためにレンタカーを利用する人が多いため、平日よりも割高の料金設定になっていることがあります。

保険、ガソリン代、オプション料金、高速道路代も

レンタカーを借りる際は、時間制料金だけでなく、保険料や使用した分のガソリン代がかかります。また、トラックに必要な幌や、引っ越しに使用する台車、カーナビ、ロープなどを利用したい時は、オプション料金が追加でかかります。

幌は2,000円前後、ロープは500円前後、シートは1,000円前後、台車は500円~2,000円程度、カーナビは無料~1,000円程度です。さらに、なるべく短時間で終わらせたいために高速道路を利用すると、高速道路料金がかかります。

引っ越し先が遠方なら、借りた店舗にわざわざ返しに行かなくても、最寄りの支店や営業所に返すことができますが、その際は距離に応じた乗り捨て料金が別途かかります。

素人がトラックに詰み込むわけですから、一回で効率良く運べるとは限りません。場合によっては、2往復しなければならないことがあります。その場合、ガソリン代も高速道路代も2倍必要になります。当然、所要時間も当初見込んでいたものより長くなり、延長料金がかかるかもしれません。

ダンボール・梱包用品などの資材

引っ越し業者に頼むと、無料のダンボールやハンガーボックスのレンタルがあるため、荷造りのための資材は余計な費用がかかりません。しかし、自力で引っ越しをする場合は、それらを自分で揃える必要があります。

積み重ねるなら、ダンボールは必須

移動距離が短く往復が苦にならない距離なら、トラックの荷台の面積の使い方を考える必要がなく、積み重ねなくても荷台がいっぱいになった時点で出発することもできます。しかし、何往復もできないような距離だと、一回で運べるようになるべく上に積み重ねる必要があります。

その際に積み重ねやすいのは、やはりダンボールです。ミカン箱程度の中ぐらいのサイズ、それより大きなサイズの2種類あると、用途に応じた使い分けができるため便利です。中ぐらいのサイズには本や食器などの重たいものを、大きめのサイズにはかさばるものや衣類などの軽いものを入れます。

ダンボールを購入するなら、一枚あたり150円~250円程度ですが、新品でなくても、手持ちのものや近隣のスーパーで集めたもので十分です。ただし、外に出しっぱなしになっていて雨に濡れたものや、生鮮野菜が入っていて湿ったものは使わないようにしましょう。上に何個も積み上げた場合、強度の弱いダンボールではへたってしまい、荷崩れが起きる恐れがあるためです。

あると便利なハンガーボックス

衣装ケースに入っている衣類なら、そのまま運んでも問題ありません。また、整理ダンスやチェスト、押し入れダンスに入っている衣類は、引き出しを抜いてそのまま運んでも良いでしょう。

しかし、ロッカータンスや洋服ダンスに衣類をかけたままトラックの荷台に積み、長時間移動するのは、家具が傷む原因になってしまいます。ダンボールやプラスチックダンボールでできたハンガーボックスを用意して、スーツや冬用のコートなど自宅で洗濯できないものを入れると、シワをつけずに運べて便利です。通販サイトでは2,000円程度で購入できます。

レジャーシートを使うなどの工夫も

しっかりした厚めの布団袋があればいいですが、布団圧縮袋に入れて運んでも良いでしょう。羽毛布団なら、空気を抜かずに運んだ方が羽を傷めません。大きめのビニール製のレジャーシートがあればすっぽり覆って、ずれないようにガムテープでしっかり留め、持ちやすいように紐がけをして運んでも良いでしょう。これなら、多少の雨でも安心です。

最低限の梱包資材を安く揃えよう

食器や壊れものを包むためのクッション性のある気泡緩衝シートがあれば安心です。数メートル巻きのシート状のもので、2,000円前後です。もちろん、新聞紙やチラシ、キッチンペーパー、ふきん、タオルなどを代用しても良いでしょう。

また、ガムテープや何にでも気軽に仮止めができる養生テープ、黒と赤の油性ペンも準備しましょう。これらは100円ショップのほか、ホームセンターや通販サイトでも200円~500円程度で購入できます。

引っ越し協力者への謝礼

引っ越し作業を手伝ってくれる力自慢の身内がいれば、遠慮なく作業をお願いできるので、気兼ねすることはありません。ただし、友人に頼んだ場合は事情が変わります。丸一日引っ越しのために空けて付き合ってくれるので、いくら遠慮のいらない仲間でも、謝礼はしておいた方が良いです。

もしバイトの予定に都合をつけて優先してくれたなら、食事代だけではアルバイトの収入には足りないでしょう。作業時間や運んだ荷物の量などにもよりますが、食事代のほかプラスアルファで謝礼を包んで、感謝の気持ちを表したという人も実際に多いです。

万一の際にかかる費用は?

自力で引っ越しをして、必要最小限の金額で無事に終えられれば、それに越したことはありません。しかし、引っ越し作業に慣れない素人が行うので、不測の事態が起こってしまうことも考えられます。

引っ越し業者に頼む場合は、加入する保険会社の補償がありますが、自力引っ越しの場合は、当然自腹でお金を払わなければなりません。

レンタカーのキャンセル料

台風や大雪など作業をするのに危険な天候の日は、引っ越しを延期しましょう。危険を冒してまで、慣れないトラックの運転をする必要はありません。また、梱包が不十分な精密機器などを、濡らして壊してしまう恐れもあります。

このほか、自分の体調不良や、手伝いをしてくれる人の突然のキャンセルなどで、当日になって引っ越しができなくなることもあるでしょう。このような際には、予約して押さえておいたレンタカーをキャンセルする必要があります。

一週間前までは無料ですが、それ以降はキャンセル料がかかります。当日のキャンセルだと、料金の50%を支払うことが決められています。

家財や建物の修理代

自力引っ越しの経験者のなかには、重いものを持ち上げた時に腰に激痛が走り、荷物を持つ手を離してしまったという人もいます。すると、そのものは壊れたり傷がついたりします。表面からは見えない場所の傷で、使用するのに支障がなければ良いですが、完全に壊れてしまった場合は、修理や買い直しをしなければなりません。

さらに、自分の家財だけならまだしも、旧居や新居の建物の階段や壁、床などに深い傷をつけてしまったら、修繕費を支払うことになります。建物に付属している設備などを壊してしまえば、修理や交換が必要になり、何万円の出費という思わぬ事態になってしまう恐れもあります。

通院代

荷物を運ぶ際に足元が見えずに段差でつまずいたり、足首をひねったりという軽いケガもあるでしょう。ぎっくり腰や骨折など通院が必要になってしまったら、検査料や治療代も必要になります。頼んだ友人がケガをした場合も、見て見ぬふりはできないでしょう。

また、慣れないトラックの運転で、不注意で事故などを起こさないように、普段以上の安全運転を心がけることも大切です。

引っ越し業者の見積もりを取ってからでも遅くない!

安くすませたいために、自力で引っ越しを決意したことと思います。しかし、引っ越し業者に頼んだ場合、実際にどのくらいの料金がかかるのか、把握していない人も多いのではないでしょうか?

格安でできるのは、自力引っ越しに限ったことではない

最近は、引っ越しプランにも様々なタイプがあります。大きな家財だけを運んでもらったり、ボックスタイプの単身パックを複数利用したりなど、方法によってはかなり安く引っ越しができます。

自力引っ越しを選ぶ人は、「そんな安い引っ越しプランがあったの?」と、最近の引っ越し事情を知らない人が多いようです。

自力引っ越しを経験した人の感想は

「安くできて得をした」という人もいる反面、「結局は、協力者へのお礼や余計な資材費が思ったよりもかさんだ。精密機器などは大事を取って専用の資材を購入したため、結局は高くなってしまった」という人もいます。

また、引っ越し翌日は仕事の休みをもらって新居の後片付けをしようと思っていたが、全身の筋肉痛と倦怠感がひどく、結局は布団から起き上がれなかったという人もいます。

とにかく安くしたいなら「一括見積もりサイト」

自力引っ越しをする場合と引っ越し業者に依頼する場合の料金を比較しないことには、本当に安いのはどちらかを判断するのは難しいです。それなのに、業者に見積もりを出してもらわないまま、自力引っ越しの方が安いと思い込んでいる人もいます。

自力引っ越しを決意するのは、業者の最安値の価格を見てからでも遅くはありません。インターネットの「一括見積もりサイト」なら、安い引っ越し業者を手軽に見つけることができます。ほんの数千円しか違わないのであれば、数々のリスクを想定し、業者に依頼することをおすすめします。結果的に、そちらの方が簡単で安くつく場合が多いでしょう。

近距離で荷物が少ない場合は特に、自力で引っ越しすることを考えるかもしれません。しかし、その程度の引っ越しなら、標準よりもかなり安く設定しているプランもあります。

自力引っ越しでかかる料金を試算したトータル金額と、比較してみることをぜひおすすめします。いくらぐらいの差があれば得したと思えるかは、人により様々ですが、そもそも近場で少量の引っ越しなら、そんなに料金差はつきにくいと言えるでしょう。


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