外国人労働者を賃貸住宅に受け入れる際のポイントまとめ

今回は、外国人労働者の受け入れを拡大が不動産投資、特に大家さんに与える影響について解説します。

当然、外国人が日本に仕事を求めてやってくるので、住まいが必要になります。空室で悩んでいる大家さんにとってビジネスチャンスになりますが、注意しなければいけない点があります。

外国人を受け入れる際のポイントをまとめるので、入居者がなかなか見つからずに困っている大家さんの参考になればと思います。

大家さんが外国人を敬遠する理由

自分の物件には、日本人に入居してもらいたいと考えている大家さんが多数ですが、どういったトラブルが想定されるのでしょうか。

実際におこったトラブルを解説します。

近隣トラブルが多さ

日本語でのコミュニケーションが取れないこと、日本の習慣が理解できないことから近隣トラブルが多く、大家さんを困らせたという話はよく耳にします。

たとえば、東南アジア圏の人たちは大勢の人を集めることが好きなようで、パーティーを良く行います。クリスマスや正月などの年中行事はもちろんですが、日常的にパーティーを開催するのです。

友人だけでなく、友人の家族やその友達など、間接的な知り合いもパーティーに参加します。料理をつつきながらワイワイとお喋りするのはもちろんですが、音楽を大きな音で流し、ダンスしたりします。

賃貸住宅ではあり得ない(と日本人が思う)規模のパーティーを繰り返し行うため、近隣住人からは苦情が出ます。

注意しても、パーティーの基準が違うことが分からないのか、一向に改善せずに、退去してもらったというケースも少なくありません。毎日、誰か来ているなと思ったら、いつの間にか入居者が増えていたという話も聞きます。

このように、日本のルールやモラルがまったく通じないため、近隣トラブルが起こります。

料理やゴミの出し方

フィリピンの人は「アドボ」という、何種類もスパイスを使った煮込み料理が好きですし、タイやベトナムの人にとっては「ナンプラー」を使った料理がスタンダードです。

近年は日本人もこれら食材を使った料理をするようになりました。しかし彼らの場合、使う量と頻度が違います。

毎朝、ニンニクを焦がした香りや、ナンプラーの香りが窓を開けると漂ってくるのは、日本人にとって、心地よいものではなく、「香害」となるケースも少なくありません。

香りは非常に厄介で、退去後にルームクリーニングを行ってもなかなか取れず、次の客付けに苦労します。

外国人を受け入れる際のポイント

投資家としては、収益物件を空室にしておくよりも、外国人に入居してもらったほうがよいはずです。ただし、日本人と同じような対応をとっていては、上記のようなトラブルが起こります。

大家さんは意識を変えて対応する必要があります。

家賃保証サービスを活用する

外国人が契約者になる場合、雇用が不安定だったり、収入が少なかったりするケースがあります。そんなときは、家賃保証会社に加入してもらいリスク回避をしましょう。

加入すれば、債務保証という、家賃を代位弁済してくれるシステムを利用できます。債務保証期間は保証会社によって異なります。

保証会社は、支払の督促もオ?ナ?や管理会社の代わりに行ってくれます。また、連帯保証人が見つからないときにも便利です。

外国人は、日本国内に身寄りがない人が多く、連帯保証人なかなかつけられません。サ?ビスに加入すれば、保証会社が保証人の役目をしてくれます。

次に入居者が外国人である際に仕える保証会社の一例を紹介します。

株式会社グローバルトラストネットワークス

外国人入居者に特化した家賃保証会社です。補償上限は48カ月。賃貸物件を探すためのサポートや、外国人を日本企業に紹介する人材紹介も行っています。

紹介する人材に関しては、ビザ取得の手続きなども行い、外国人の生活全般をサポートしています。

グローバルトラストネットワークスはこちら

ALEMO(アレモ)株式会社

こちらの保証会社は、外国人だけでなく、一般的に入居者審査に通りにくいとされる生活保護受給者や年金受給者にも対応しているのが特徴です。

最大で保証額月額賃料の48ヶ月分、賃貸借契約の更新に関係なく退去時まで継続できます。

アレモはこちら

ジャパンハウジングトラスト

外国人専門の保証会社です。英語、中国語、韓国語、ベトナム語など多国語での対応で安心できます。家賃のほか、訴訟・弁護士費用まで含んだ法的手続き費用も保証対象です。
原状回復費用を保証するプランもあります。

自分に合った保証会社を選ぶことは、計画的な資金運用をするために重要です。

ジャパンハウジングトラストはこちら

管理体制を強化する

心配事は契約書に特約で記述するようにし、きちんと説明し守ってもらうことが大切です。

家具家電を海外に持って帰るのは、金銭的・物理的に難しいため、退去時に置いていってしまいトラブルになることが多いようです。また、入居者が契約途中から増えてしまうケースもあります。

このような心配事は契約書の特約欄に記載し、ペナルティを設定しておきましょう。前述のように、騒いで近隣に迷惑をかける懸念がある場合は、定期借家契約しておくのも1つの手です。

また、不動産管理会社と協力して、物件の巡回回数を増やすこともトラブル防止策になります。

ごみを出さないで共用部分に放置する、仕分けの仕方が違うなどは、入居して間もない外国人に多い問題です。これらのトラブルは根気よく指導することで改善できます。

頻繁にアパートに行くことで、コミュニケーションも生まれ、円滑な運営が可能になります。

今後の予測

現在、日本で仕事をする際の資格は28種類あり、日本で行える活動、滞在期間は資格により異なります。

基本的に単純労働は、認められていませんが、実際は「技能実習」の資格で来日している外国人は、日本で学んだ技能を母国に伝えるという目的で、単純労働を実際は行っています。

新しい「在留資格」で単純労働者が増加

改正案では、新しい「在留資格」を設ける予定です。人手不足の分野で一定の技能を持つ人を対象に新たな在留資格「特定技能」を来年4月に創設。

これは、これまで認められていなかった単純労働を受け入れることを意味します。

新たな在留資格「特定技能」を1号、2号と2段階で設ける予定です。1号は、「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与えられる資格です。

最長5年の技能実習を修了する、または技能と日本語能力の試験に合格することで資格取得が可能です。在留期間は通算5年。家族が一緒に来日することは認めていません。

2号は、さらに高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に与えられます。1~3年ごとなど、期間の更新が可能。更新回数に制限はありません。

配偶者や子どもなどの家族が一緒に来日することも認めます。更新時の審査を通過すれば長期の就労も可能なため、永住の可能性も出てきます。

外国人は今後さらに増加の兆し

法務省による在留外国人統計によれば、平成29年末現在の中長期在留者数は223万2,026人。特別永住者数は32万9,822人。

これらを合わせた在留外国人数は、256万1,848人となり、前年末に比べ17万9,026人(7.5%)増加し、過去最高となっています。法改正により、今後、さらに外国人は増加することになります。

また、総務省統計局による平成27年国勢調査では、都道府県別の外国人人口(175万2368人)は,東京都が37万8564人(外国人人口の21.6%)と最多。

次いで愛知県が16万6150人(同9.5%)。大阪府が15万890人(同8.6%)。上位5都府県で全国の外国人人口の約半数(同53.9%)を占めています。

現在、自動車産業などの工業が盛んな場所に外国人が多く集まる傾向があります。

今後、農業にも外国人の労働力を期待していますが、これらのことから、外国人の分布の傾向は今後も同じような傾向になることが予想されます。

まとめ

2017年度時点で、日本には127万人の外国人労働者が、2018年6月末現在で28万5千人超の技能実習生が国内で働いていますが、入国管理法の改正法案が可決すれば、政府は、2019年度から受け入れを始める意向です。今後さらに外国人が増えていきます。

大家さんが今までの固定概念を捨て、積極的に外国人を受け容れる日はもう目の前まできています。

管理体制や保険、保証などの商品を見直すことで、外国人入居者との関係を円滑に進め、キャッシュフローの強化に努めましょう。

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