中古住宅購入の流れと住宅ローンを組む時の注意点

マイホームを購入する人が多くなってきた近年、更に需要が出てきたのが中古物件です。土地の価格や建築費用が上昇を続け、新築でマイホームを建てることが昔よりも困難になってきたことが理由です。

前よりも値段は上がっていますが、それでも新築より安く購入できる中古物件を購入する人が増えています。

そこで今回は、中古物件購入の流れから、注意すべきポイント、中古住宅と住宅ローンの関係性について解説します。

中古住宅を購入する際の流れ

中古住宅の購入を検討したら、まずどういった住宅に住みたいかを考えることから始まります。この時のポイントは、考えを整理することです。広さや間取り、内装、予算などはもちろんですが、自分や家族の生活スタイルも把握しないといけません。

通学・通勤はどれくらい時間がかかるのか、スーパーや公共施設が近くにあるかなどの生活しやすさや、多少不便にはなるが、落ち着ける郊外がいいといった環境などの諸条件を決め、探すエリアをある程度固めます。これらの希望に優先順位をつけておくのもいいでしょう。

その後、不動産仲介会社などで上記の希望をもとに購入候補物件を探し、見たい物件が決まったら問い合わせ、内覧を申し込んでみましょう。オープンルームを見学するところから始めるのもいいと思います。

物件に目星がついたら、買主は「購入申込書」に必要事項を記入し、不動産仲介会社を通じて売主に提出します。この書面には、購入希望価格や契約と物件引き渡しの希望日、ローン利用などの記入をします。

そして売買契約時には、購入価格の10%程度の手付金を支払うことが多く、その金額の幅は売主と買主の話し合いで決まるので、不動産仲介会社に払える金額を先に伝えておくといいでしょう。

住宅ローンを借りる場合はそこから金融機関に必要書類を提出し、住宅ローンの本審査をします。ここで保証会社からの承認も得て、最終的な借り入れ可能の承認を得ます。民間の金融機関では混み具合によりますが1~2週間程度で承認が下ります。

そこから住宅ローンの書類をまとめ、不備がなければ融資可能となります。スムーズにいけば購入申込から融資実行まで1カ月以内で完了します。

主にこれが中古物件を購入する際の流れになります。しかし中古物件購入といってもそのまま住むケースやリフォームして住むケースもあり、それに応じて購入金額や借入金額も変わります。次はそういった場合の流れを紹介します。

そのまま物件を購入するケース

購入したい物件に不満がなく、築年数も短いためリフォームをせずに中古物件を購入する人もいます。これが1番早く住むことができる方法でもあります。ここではそういう人の購入の流れで発生する必要な諸費用などを説明したいと思います。

先ほど中古物件の購入では、売買契約時に手付金を購入価格の10%程度払わないといけないとの説明をしました。つまり2,000万円の物件なら最初に200万円を準備しないといけません。

そして仲介手数料も売買契約時に必要になります。中古マンションや一戸建てなどの売買では買主と売主の間を不動産仲介会社が取り持つのが一般的です。物件の情報供給や双方の契約までのやり取りをまとめてくれたりするため、仲介手数料が発生します。

仲介手数料は物件価額の3.24%+6万円が上限となっており、2,000万円だと最大70万8千円もかかってしまいます。支払い方法としては売買契約時に50%、引き渡し完了時に50%を支払うというケースが多いです。引き渡し完了時に全額支払いもできる不動産仲介会社もありますので確認をしてみて下さい。

売買契約時には売買契約書に貼る印紙も数万円分必要になり、上記に挙げてきたもの合わせると数百万円ほど必要になりますので早めの準備が必要です。

引き渡し時には仲介手数料の50%や住宅ローンにかかる費用、登記費用などの費用も発生しますので、売買契約前に全ての細かい金額を確認しながら、住宅ローンを組む場合はそういった費用関係も借入金額に入れるのか確認して下さい。

ただし、仲介手数料は売主自体が不動産仲介会社の場合や個人間での売買契約の場合は発生しませんので、覚えておきましょう。

リフォームをせずに中古物件を購入する場合はこういった諸費用の手続きも含め、申込から1か月では住むことができます。ただしリフォームをする場合はこれからリフォーム着工となりますのでまだ住むことができません。次は中古物件をリフォームするケースを説明します。

物件をリフォームするケース

中古物件購入ではリフォームも考えながら購入を検討することが多いと思います。そこで注意しなければならないのは、リフォームを中古物件購入後に検討するということです。

例えば住宅ローンを組んで住宅を購入した後にリフォームの検討を始めてしまい、住宅ローンの返済が始まっても入居できず、家賃と返済の支出が数ヶ月発生してしまうケースは最悪でしょう。また住宅ローンとは別でリフォームローンを利用する場合、新たに審査も必要となるので、希望額が借りられないというリスクも考えられます。

その無駄を無くすためには中古物件購入前に、まずはどういったリフォームをするのかを決めておきましょう。リフォームの内容に応じて、金額やリフォームの依頼先が決まります。いくつかの業者に見積もりを出してもらって、1番良い条件の依頼先を選ぶことも考えると、時間が必要になりますので効率良くしなければいけません。

中古物件の現地調査をし、見積もりを出してもらうためには、本来は物件の引き渡しを終えてからですが、それでは着工までに時間がかかってしまうため、売買契約が終われば、リフォーム事業者に物件を見てもらうことを売主が認めることが多いです。

つまり効率良く行うためには売買契約を交わす時点で、リフォームの依頼先を絞り込んでおき、見積もりを同時に依頼するというのが良いでしょう。

ただ物件の引き渡し後でなければリフォーム工事を行うことはできません。早く住めるようにするために物件が引き渡されてからすぐに、リフォームに着工できる状態にしておきましょう。

そして住宅ローンの借り入れの中にリフォーム資金も組み込むことができますので、別途にリフォームローンを組まなくても大丈夫です。住宅ローンでリフォームするのであれば、見積もりで正確な金額を知り、住宅ローンの申込金額に入れておくといいでしょう。

基本的には住宅ローンの方が金利は低いため住宅ローンを新たに組む人にとって、わざわざリフォームローンにするメリットはほとんどありません。

中古物件を購入し、リフォームする場合は段取りを決め、効率よく行うようにしましょう。そうすることで時間に余裕ができ、売主や不動産仲介会社からの要望に焦らずに対応でき、満足の行くマイホームが手に入ると思います。

ローンを組む時の注意点

最後に中古物件購入で住宅ローンを組む際の注意点を改めてまとめていきたいと思います。

住宅ローンの手続きはお早めに

中古物件の購入は、スムーズにいけば1ヶ月程度で申込から引渡しまで完了します。しかし住宅ローンは、申込みをしてからローン実行まで、1ヶ月程度かかります。したがって、じっくり住宅ローンを選ぶ時間は、ほとんど取れない場合が多いでしょう。

そのため住宅ローンについては、どのようなローンが良いのかなど、情報収集しておきましょう。もし住宅ローンの手続きに、少し時間をかけたいと思った場合には、引渡し日までの期間に余裕が持てるよう交渉してみましょう。

中古物件は新築より借入れ希望額を多目に

中古と新築の違いの1つは諸費用です。中古物件の購入に際しては、仲介手数料がかかることが多く、最大で物件価額の3.24%+6万円かかります。新築の分譲マンション等であれば、この手数料はかかりません。つまり諸費用は、新築の場合より中古の方が多くかかることになり、その分頭金に回せる自己資金が少なくなります。

中古物件では、一般的には物件価額の8~10%の諸費用がかかると言われています。諸費用分を少なく見積もって住宅ローンを申込み、後になってから、もう少し借入れを多くしようとすると、再審査となり時間がかかってしまいます。諸費用分も十分に考慮した上で、借入れ希望額を決定するようにしましょう。

フラット35を利用するなら、適合証明書が必要

フラット35を利用する場合には、建物が、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることが要件となります。その適合証明書は、中古物件の場合、検査機関または適合証明技術者へ物件調査の申請を行ない、合格することで交付されます。

適合証明書の手続きには、1週間程度かかると言われています。ただし登記簿謄本や、場合によっては設計図書など、必要な書類を取り揃えてからとなるので、日程には余裕をもっておきましょう。

リフォームが必要であれば、住宅ローンと一緒に申込を

中古住宅の場合、購入後にリフォームをする場合もあり、リフォーム費用を自己資金で準備できれば問題ありませんが、借り入れする予定の場合には、住宅ローンと一緒に借りることも検討しましょう。

なぜなら金利が低く借りられるという点と手続きが面倒にならなくて済むというメリットがあるからです。一般的に有担保である住宅ローンと、無担保のリフォームローンでは有担保の住宅ローンで借入れした方が金利は低くなります。

そして住宅ローンを借りた後に、さらにリフォーム費用として住宅ローンを借り入れしようとすると、再び抵当権の設定が必要になり、その分手間も費用もかかります。

最初からリフォーム資金も住宅ローンに組み込めばそういった考え事もなくなりますので、一緒に借り入れすることを検討した方がいいでしょう。

以上、中古住宅を購入する際の流れと住宅ローンを組む時の注意点を説明しましたが、中古物件の購入では今回説明したことを理解しておかなければいけません。

そして中古物件の購入は、基本的に売主側は早く売りたいと思っているので、日程を急かされることもあります。しかし、マイホームを購入するということは安い買い物ではありませんので十分に検討する必要もあります。

しかし遅すぎると他の買主に奪われてしまうこともあります。お互いが良い関係で手続きをしていくためにやはり事前準備をしておくことは必要です。中古物件のニーズが高まっている今、多くの人が満足のいくマイホームを手に入れることを応援しています。


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