タワーマンションの低層階、高層階のメリットとデメリット

タワーマンションの低層階、高層階のメリットとデメリット

ここ20年くらいで都心部を中心に一気にタワーマンションが増えた感がありますね。大規模なタワーマンションができることで、町の住民や町の顔自体ががらっと変わってしまうようなこともあります。タワーマンションと一口に言っても、高層階と低層階ではかなりイメージが違うと思います。実際のところ、住んでみてどうなんでしょうか?

タワーマンションって何?

まず、最初にタワーマンションって何でしょう?何階建て以上とか、何メートル以上とか、坪単価いくら以上とか、決まってるんでしょうか?

基本は60メートル

厳密にどれだけの高さからタワーマンションと言うのかという法的な定義はありません。というのも、別にタワーであろうがなかろうが法的な扱いは変わらないからです。

ただし、建築基準法では60メートル以上の建造物には他とは違う構造の基準があり、それより高いものを「超高層建築物」と呼ぶことがあるので、このあたりが一般的なラインと考えていいでしょう。

タワーマンションは便利

タワーマンションは多くの入居者を集めなければいけません。駅から至近だったり、繁華街にあったり、利便性が高くなければそれだけの入居希望者や購入希望者はなかなか集まらないため、基本的に便利な立地にあると思っていいと思います。

以上は、低層階と高層階に共通するタワーマンションの基本のきです。では、実際に低層階と高層階の住み心地を比べてみましょう。

タワーマンション低層階のメリット、デメリット

大体5階以下くらいの低層階は、あまりタワーマンションに住んでいるというイメージはないかもしれません。

低層階のメリット

多くの場合、低層階は家賃が高層階に比べるとリーズナブルだと思います。それは物件自体の価格が比較すれば安いからで、同じ建物に住んでいるのに家賃が安いというのは、一番最初に考えられるメリットではないでしょうか。他にもいくつかあります。

外出しやすい

朝の通勤時間などは、エレベーターも混み合いますし、遅刻しそうな時に待ち時間はイライラしますよね。そんな時、低層階なら階段でささっと下りることができます。

災害時に安心

地震国の日本ですから、いつ巨大地震がどこにくるかわかりません。最近のタワーマンションであれば、制震、免震構造はしっかりしているとは思いますが、未曾有の大地震が起きた場合にはどうなるかわかりませんよね。

万一エレベーターが止まってしまったら、部屋から徒歩で脱出しなければいけません。幼児や高齢者、たくさんのペットがいる場合、手際よく脱出するためにはあまり高くないほうがいいでしょう。また、停電、断水が長く続いた場合、水や食料品を運搬するのでも、低層階のほうが楽です。

低層階のデメリット

一方で、低層階にデメリットがあります。よく、「タワーマンションにはカーストがあって、上階の住人が低層階の住人をいじめる」なんてことを言う人がいますが、たとえば子どもが同じ幼稚園に通っていて、ママカーストの一環である、というのならあるのかもしれませんが、一般的に住民の入れ替わりも多いし、そもそもたくさんの人が住んでいるので、あまり誰がどこの部屋とかはわからないものです。

もし、マウンティングされたらそういう人とは付き合わなければすむ話なのではないでしょうか。何かカチンとくるようなことを言われてもいちいちカリカリせずに「そうなの~ぉ、すごいわねえ~、うらやましいわ~」と褒め殺してしまうつもりで聞き流していると、相手も面白くないから構ってこなくなると思います。

ただ、デメリットはそれだけではありません。

日当たり、風通しがイマイチなことも

タワーマンションは都市部にあることが多いため、低層階だと日当たりや風通しがイマイチということもあるかもしれません。また、眺望もあまり期待はできないでしょう。

騒音やニオイ

町なかにあるため、ある程度の騒音はあるかもしれませんが、比較的新しい建築物なので、しっかり窓を閉めれば気にならない程度にはなると思います。ただ、音にとても敏感なタイプの人は、事前に何度か一日の中でも違った時間帯に足を運んでみて、周囲の騒音状況を見てみましょう。

マンション下に夜遅くまで音楽をかけてダンスやスケートボードをする若者のたまり場があった、なんてことだって考えられます。

ニオイに関しては、外もそうですが、階下に商業店舗が入っている場合には住む前にチェックしたほうがいいかもしれません。パン屋や焼き肉、とんこつラーメンなど、食べ物のニオイが上がってくることもありますし、意外に美容室のパーマ液のニオイやクリニックの消毒用アルコールのニオイも、あまり強いと精神的にダメージは大です。

タワーマンション上層階のメリット、デメリット

眼下に街を見下ろすタワーマンションの上階、まさにイメージ通り「ザ・タワーマンション!」という感じです。多くの人がイメージするタワーマンション像ですね。

上層階のメリット

やはり眺望の良さは上層階の最大のメリットでしょう。ドラマの中の一場面のような美しい夜景にあこがれている人も多いでしょうね。また、外から覗かれることもないので、プライバシーも保たれます。

虫が少ない

実は、上層階の最大のメリットはこれなのではないかと思います。あまりにも高いと、風も強くあまり蚊が上がってきませんし、下に飲食店が入っていたとしても、ゴキブリ被害も少なくなります。

グレードが高い

基本的にマンションは階が上にいけばいくほど価格は上がり、それにつれて部屋のグレードも上がります。贅沢な気分で暮らせますね。

上層階のデメリット

上層階のデメリットもいくつかあります。「なんとなくゴージャスな感じがするから」というだけで選んでしまうと、後悔するかもしれません。

風が強い

高いところは風が強いです。強風の日は揺れを感じます。当然ベランダにはほぼ何も置けません。また、風のうなる音だけではなく、風が音を運んでくるのか、意外とうるさく感じることもあります。

災害時の避難が遠い

タワーマンションの中には自前で自家発電設備を備えており、数日程度の停電には耐えられると言っているところもありますが、実際に大災害が起きたわけではないので、本当に安心かどうかはわからないですよね。また、火災の際には当然ですがエレベーターは使えません。万一の時に自分や家族がちゃんと退避できるか、考えておきましょう。

たまに体調が悪くなる人がいる

これは人によりけりなのですが、高層階にずっといると体調を崩す人もいます。特に三半規管があまり強くなくて気圧の変化に対応するのが苦手な人の場合、眠れなくなったり、原因不明の頭痛が起きたり、めまいがしたりという人もいるので、当てはまる人は高層階に住むのは向いてないですね。

中層階の耐震度は大丈夫?

高層階と低層階、それぞれにメリットもデメリットもあります。では、中層階はどうなのでしょうか?ちょうど真ん中くらいで一番住みやすいとは思うのですが、中層階の場合でも地震が心配という声を聞きます。

阪神淡路大震災の衝撃

1995年に関西を襲った直下型の阪神淡路大震災にショックを受けた人は多かったと思います。中でも、ビルの中層階がまるでダルマ落としのようにぺしゃんこになった光景は衝撃的でした。これで「中層階は地震に弱い」というイメージができたのだと思います。

実際は?

この時、中層階がつぶれたビルに共通していたのは、「想定外の力が加わったから」に他なりません。建築当時の計算ではありえない力が働いたためこんな悲劇が起きたのですが、新しいビルなのであれば、この教訓を元に耐震、免振、制震技術が使われているはずなので、同程度の地震なのであれば、それほど倒壊まで心配する必要はないのではないかと思います。

ただ、これから来る地震の規模は誰にもわからないので、少なくとも自分と家族が安全に生き延びられる方法は常に考えておきたいですね。

タワーマンションは「かっこいい」「華やか」というイメージがありますが、多くの人が住む一つの街のようなものです。メリットもデメリットも知った上で自分に合った部屋を選びましょう。


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