犬や猫などペットが飼える部屋を探す際の注意点

犬や猫などペットが飼える部屋を探す際の注意点

空前のペットブームと言われています。これまで飼っていたペットと別れたくないから次の引越し先にも連れて行きたいと思うのは、飼い主として当たり前の感情だと思います。しかし、なかなかこれが今の日本では難しい話で、最近はペット可やペット相談をうたった物件が増えてきたとはいえ、まだまだペットを飼いたい人の数には見合っていません。

愛するペットと快適に暮らす家はどうやったら見つけられるのでしょうか?

ペット可物件なら何でも飼えるの?

少し前まで賃貸物件でペット可の集合住宅を探すことは、日本ではとても難しいことでした。分譲マンションでも、管理規約で「犬猫等ペット禁止」のところが多かったのですから、ましてや賃貸では探すのは至難の業といっていいくらいだったのです。

現在は部屋あまりということもあり、ペット可の物件も増えてきましたが、だから何を飼ってもいいというわけではありません。

非常識なペットはNG

当たり前ですが、都道府県に届け出が必要になるようなペットはまず無理でしょう。トラやワニ、マムシなど、万一の時に人に危害を加えるようなものは動物管理保護法で「特定動物」とされています。

これらを飼うには、届け出たうえで檻などにも厳しい基準があります。実際にバブルの頃には趣味でライオンを飼っている人がいましたが、「小型車一台分」くらいの費用をかけてライオン用の飼育スペースを作った挙句に、飼いきれなくて動物園に引き取ってもらっていたので、まあ現実的にはこんなことをする人はいないでしょう。

岡崎京子のコミック「pink」ではごくふつうのOLがワニを飼っていますが、あくまでもあれはファンタジーです。

多頭飼いは難しい

基本的にペット可にするか不可にするかは、大家の胸三寸です。では、なぜ大家がペット不可にするかというと、大切な自分の資産である家に爪をたてられたりかみつかれたりしてキズをつけられたり、臭いが壁などに染み付いて資産価値が下がってしまうのがいやだからです。

つまり、部屋をいためるようなことは極力してほしくないわけで、その点リスクが大きくなる多頭飼いはかなりハードルが高くなると思います。実際に「ペット可」とは言っても「一匹まで」とか、制限をつけているところも多いでしょう。

大型犬は無理な場合も

大型犬はどれだけ「この犬はおとなしいです」と説明しても、やはり部屋を損壊するのではないかと思われて、断られることがあります。

また、大型犬の場合はマンション規約で禁止されていることもあります。たとえば、「体長60センチ以内」とか「中型犬以下」「共有部分は抱っこして歩ける大きさまで」などとマンションの規約にあったら、そこで大型犬を飼うことはあきらめましょう。

某タレント夫妻のドーベルマンが同じマンションの住人に噛みついて巨額の損害賠償訴訟になった事件もありましたが、やはり他の住人に恐怖を与えるような大型犬は、基本的には集合住宅では常識的に無理と思ったほうがいいです。

犬はいいけど猫はダメ?

大家によっては、犬はいいけど猫はダメという人もいます。「猫はひっかくから壁や床にキズをつける」「体が小さいので多頭飼いになりやすい」などが主な理由ですが、中には「猫好きな人はあちこちから野良猫を拾ってきて猫屋敷にするでしょう」なんて、猫好きにとっては誤解としか言いようがないようなむちゃくちゃなことを言い出す人もいます。

説得できればいいのですが、猫嫌いとか猫への偏見に凝り固まっている人なのであれば、あきらめて他を当たったほうが賢明です。

ペット可物件でのマナー

一口にペット可物件と言っても、大きく二つに大別できます。まず一つ目は本当はペット可にはしたくなかったけれども、条件が悪いために入居希望者が現れず、いやいやペット可にしたもの。

もう一つは、最初からペットを飼っている人を呼び込む目的で設計されているものです。当然後者のほうが家賃もお高くなりますし、ペット用足洗い場など設備も整い、広めのファミリー物件が多くなります。

いずれにせよ、ペット可マンションにペットと一緒に入居するなら、他の人がどんなスタイルでペットを飼っているのかを契約前にできれば自分の目で見て、やっていけそうかどうか確かめたほうがいいでしょう。

共有部分は抱っこで

高級物件はともかく、一般人が住むようなマンションでは、基本的に外に散歩に連れていく時には共有部分は必ず抱っこかキャリーに入れます。これは共有部分を汚さない配慮の他に、廊下やエレベーターで他の住人に飛びかかったり犬同士で喧嘩になったりといった万一のことを防ぐためです。

ペット嫌いの人にも配慮を

ペット可マンションとは言え、中には犬は飼っているが猫アレルギーなど、ややこしい人もいます。そういう人のために、ベランダでのブラッシングは控えるなどの気遣いは大切です。

当然無駄吠えをさせない、あまりバタバタ暴れたら落ち着かせる術を持っておくというのも、集合住宅でペットを飼うには欠かせません。また、自分ではうるさいと思っていなくても、一応会った時には「犬がうるさくてすみません」と先に謝っておくのも上手なコミュニケーションの一つでしょう。

ペットと暮らす際の注意点

飼い主はペットの幸せに対して、100パーセントの責任があります。命ある家族なのですから、ペットを幸せに暮らさせてあげるのは、絶対の義務です。それができないなら、ペットを飼う資格はないですね。

安全性を確保する

飛び出しを防ぐため、窓には必ず柵をつけましょう。特に猫はベランダから自由に隣の家に行ってしまったりするので、まずベランダに出さないことが重要です。

犬は電気コードなどをがじがじとかじってしまい、感電の恐れがあります。絶対に犬の届くところにむき出しのコードは置かないようにしましょう。ペット専門マンションなら、不慮の事故を防ぐためにコンセントは高い位置に取り付けられていることが多いはずです。

ストレスを発散させる

犬はトイレとストレス発散のため、散歩に連れて行ってあげましょう。ペットを飼うということは、外泊も旅行も制限されるということは覚悟してください。近くにお散歩コースになるような場所や信頼できる動物病院があるのがベストです。

猫はあまり広さは必要としませんが、上下運動を好むので、安全に上ったり下りたりできる場所を作ってあげます。市販のキャットタワーを買うのが簡単です。

換気に気を付ける

ペットを飼うなら、空気清浄機も買いましょう。自分では気づかなくても、やはりペットの臭いは部屋に染み付いていきます。また、猫のトイレはしたらなるべく早く掃除をする、フード付きなど、なるべく臭いがもれないものにするなどの工夫も必要です。

ペット可物件でなくてもペットが飼いたい

まだまだ少ない日本のペット可物件。あったとしても、条件が悪くて「ちょっとここには住みたくない」と思うかもしれません。

ペット不可だけど、どうしても飼いたいなら、犬や猫などのメジャーどころは諦めて、魚や小鳥、昆虫あたりで妥協するのはどうでしょう?これならかなりの数の大家がOKしてくれると思います。もちろんその場合でも、毎朝けたたましく起こしてくれるニワトリなど、常識外れのものでなければ、です。

基本的にペットが飼えるかどうかは大家との人間関係によるところも大きいので、最初はダメと言っていても、いい店子だと思われたら、次の更新の時にOKしてくれるかもしれません。

隠れ飼いが論外なのは言うまでもありません。


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