東京都内や大阪府内で高齢者が住みやすい街は?

東京都内や大阪府内で高齢者が住みやすい街は?

少子高齢化が進む中で、高齢者の数はついに3400万人を突破しました。全人口との比率を見てみると、高齢者の占める割合は27.3%。ちなみに14歳以下の子供の割合は12.8%で、高齢者の半分以下になってしまいました。

そんな中で注目されるのは、高齢者が暮らしやすい街です。どれだけ高齢者が安心して生活できる環境が整っているのかということは、高齢者自信やその家族にとって重要なポイントとなります。

特に東京や大阪のような大都会は、人との関わりが薄くなってしまいがちです。東京では高齢者の孤独死者数がダントツの第1位。全体の約26%が東京で起こってしまっています。

もしも老後、東京や大阪へ引っ越すことになったら、少しでも高齢者に優しい地域を探さなければいけません。

お年寄り(高齢者)が住みやすい街の条件

高齢者が安心して生活できる環境というのは、どのような環境なのでしょうか。高齢者が住みやすい街の条件を見ていきましょう。

注目すべきポイントは6つあります。

住環境

家賃は手ごろであるか、近隣住民との関わりがあるか、バリアフリーになっているかなど。

遊び

趣味に没頭できる施設があるか、高齢者のコミュニティセンターがあるかなど。

医療

近くに病院があるか、在宅医療サービスはあるか、総合病院へのアクセスは良いかなど。

近くにスーパーやコンビニがあるか、宅配サービスはあるか、高齢者が好む飲食店があるかなど。

快適さ

寒暖差が激しくないか、湿度が高くないか、雨や雪が多くないかなど。

安心

治安が良いか、近くに交番があるかなど。

これらの条件を元に、東京や大阪で高齢者が暮らしやすい街を探していきましょう。

東京都内で住みやすい街

東京は高齢者の孤独死者数NO.1の地域なので、さぞ高齢者には住みにくい街だろうというイメージがあるかもしれませんが、これは他の都道府県よりも高齢者数が多いという事にも起因しています。

実は東京は高齢者に手厚い都道府県NO.1でもあるんです。では高齢者におすすめの街をランキング形式で見ていきましょう。

第1位 板橋区

板橋区は日本経済新聞が実施したシニアにやさしい街ランキングで第1位に輝いた街。高齢者が生活しやすいように、色々なサービスを実施しています。

特に注目されているのが、認知症に関する取り組みです。「板橋区認知症支援連絡会」というものを設立し、認知症に苦しむ高齢者を手厚くサポートしてくれます。

また板橋区は医療面に関しても優秀で、小さな病院から総合病院まで、数多くの病院が区内に点在しています。近くに病院が無くて困るというトラブルがなく、高齢者が安心して生活できるようになっています。

気になる家賃相場はワンルームで6万円台、2LDKで11万円程度と、飛びぬけて高いというわけではありません。電車を利用する必要がなければ、駅から少し離れて安価な物件を見つけることもできます。

第2位 文京区

文京区は都内でも1位2位を争うほど治安のよいエリア。東京大学があり、真面目な学生が多く暮らす街でもあります。高齢者を狙ったひったくりなどが心配される現代社会でも、安心して出歩くことができそうです。

文京区でもう一つ注目したいのは医療についてです。実は文京区は全国で最も医師の割合が高い地域。住民に対する医師の数が極端に多いのです。

そのため医療体制は万全で、個人病院や総合病院はもちろんのこと、訪問医療や在宅医療など、高齢者に嬉しい医療サービスが充実しています。

文京区の家賃相場はワンルームで8万円台、2LDKでは20万円程度と、都内でもちょっと高め。人気居住区であるため、住居費用は多めにかかってしまいそうです。

第3位 豊島区

豊島区というと繁華街があって治安が良くないのでは…と心配になるかもしれませんが、実はエリアによって大きく差がある区でもあります。

豊島区でも高級住宅街として有名な目白では、治安の悪さは全く感じませんが、池袋方面へ行くとどうしても治安は悪くなってしまいます。

とはいえ、豊島区にはお年寄りの聖地でもある巣鴨があります。巣鴨では数多くの高齢者が集まってショッピングやコミュニケーションを楽しんでいます。

高齢者が安全に生きる街ではなく、高齢者が楽しく元気に生きる街、それが豊島区なのです。

家賃相場はワンルームで7万円台、2LDKで19万円程度と少し高め。でもこれもエリアによってばらつきがあり、巣鴨エリアではワンルーム6万円台、2LDKで16万円程度と少し安くなります。

大阪府内で住みやすい街

大阪は日本で2番目に高齢者の多い都道府県です。府内の人口との割合は22.36%と全国平均よりも低くはなっていますが、高齢者数が多い分、高齢者へのサービスは充実しています。

実際に、大阪府をはじめとする近畿地方では、孤独死者数も少なく、高齢者の幸福度調査でも常に上位にランクインしています。

では高齢者におすすめの街をご紹介します。

第1位 大阪市旭区

大阪市旭区は、市内でも高齢者の多い街です。のどかな住宅街があり、大阪を代表する淀川があり、都心部へのアクセスも便利という事で、高齢者には住みやすい住環境が整っています。

高齢者がゆっくりと過ごすことができる公園や商店街を活性化し、「大阪の巣鴨」と言われる街づくりに取り組む旭区。高齢者の満足度も高くなっています。

気になる家賃相場はワンルーム3万円台、2LDKで8万円程度と比較的安め。老後の年金生活でも無理のない生活ができます。

第2位 高槻市

高槻市は大阪府の中でも犯罪率の低い街です。高齢者を狙った卑劣な犯罪が多い現代社会では、治安の良さは外せない条件。安心して暮らすことのできるのが高槻市の大きな魅力です。

また高槻市は医療面でも充実している街の一つ。病院の数は287か所もあり、大阪の平均204か所を大きく上回っています。訪問医療や在宅医療も充実しているので、健康面でも安心です。

大阪市へ電車で15分、京都へも電車で15分と、交通の便もよく、自然も多くてのどかな高槻市は高齢者にお勧めの街です。

家賃相場はワンルーム5万円台、2LDKで9万円程度と、大阪府内でも少し高め。住環境の質の高さが家賃にも反映しているようです。

第3位 吹田市

吹田市は大阪府の中でも住みやすい街として人気の地域です。治安もよく、交通の便も良い、そして何より介護施設が充実しているのが高齢者におすすめの理由です。

大阪府内の介護施設カバー率は2.73%、全国平均でも2.85%なのですが、吹田市は3.43%と平均を大きく上回っています。それだけ高齢者の数に対して介護施設が多いということ。万が一の介護でも安心です。

医療面に関しても充実していて、市内の病院の数は320か所で、大阪平均(204か所)の1.5倍に当たります。介護面、健康面を重視して生活したいという高齢者にとっては快適な街と言えます。

ただ一つ難点なのは家賃が高めというところ。ワンルームで6万円台、2LDKでは10万円程度で、大阪市内よりも高くなってしまいます。

まとめ

東京や大阪などの都心部では顕著に少子高齢化が進んでいて、高齢者の数が激増しています。でもその分、高齢者の暮らしやすい街づくりに取り組む地域も増えてきていて、高齢者の幸福度は高め。東京都では約90%、大阪府では約89%の高齢者が「幸せ」と感じています。

ただ、地域によっては高齢者が暮らしにくい所があるのも確かで、孤独死の危険性や犯罪に巻き込まれてしまう危険性もあります。

老後、東京や大阪への引っ越しを考えているのなら、高齢者が暮らしやすい条件にも注目して安心して暮らせる街を見つけていきましょう。


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